先日、知人からある映画評論家の新刊本を紹介されたことをきっかけに、小津安二郎の晩春、麦秋、東京物語、早春などを見続けている。私が生まれた頃の1950年ごろの物語なのだが、今と比べてゆっくりと時間が流れ葛藤はあるものの大喧嘩はない平和な世界だ。
ここからが少し妄想の世界に入るのだが、13,000年くらい続いた縄文時代。特に5000年くらい前から3000年くらい前まで、世界的には青銅器文明で結構戦争が盛んだったようだが、日本では弥生時代に入るまでは人を殺傷する目的の武器は無かったようである。このことから縄文時代は平和な奇跡的な平和な世の中であったとされている。なぜそれは可能であったのだろうか。いろいろな仮説が立てられると思うが、生き甲斐の心理学で学ぶカール・ロジャースの人格形成理論が浮かんでくる。この理論はもともとロジャースが心理療法で研究され使われたものだが、晩年には世界的な平和構築の場に応用し始めたようで、一説によるとロジャースはそれゆえノーベル平和賞候補になったとされている。
利害が対立したり文化・環境が異なったりすると、気まずい関係になりがちであることは誰でも知っていることである。そして、一触即発の状態になり集団間であれば戦争になったり。個人対個人でも喧嘩したり別れたりする。
こうした中、和解とは何だろうか。和解の道というのはどういうものだろうか疑問になる。
基本的にはまず互いに信頼をもとにテーブルにつくことが大事だ。この前提がおそらく一番大事かもしれない。お互いに尊厳ある人(相手の中に仏性や愛、魂を想像する?)であり自他肯定の精神がどこかになければ原理的に始まらないのでは。その互恵の精神がなければ基本的に自説を曲げることはなく対立は深まるばかりだ。次に互恵の精神の中で相手の説をじっくり聴く。なぜ相手がそのような理路を選んだのかを賛同しないまでも情感を持って相手を理解しようとするうちに、相互に友好的な雰囲気の中で理解しあううちに、互いに第三の道が見えてくる。それが和解への道なのだろう。
原節子さんが演じる紀子さんが、秋田に嫁に行きたいと言うときに身近な人は初めは反対するものである。あるいは受け入れられないものである。それが変わっていくというのが和解の道である。縄文時代でもきっとそうだったに違いない。それは精神的に大人でなければ達成できない道であり、実は私を含めて皆が大事にしなければならない道だと思う。
3/10 五感とストレス解消の生活
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