物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

愛国とは

2005-07-15 22:46:46 | 日記・エッセイ・コラム
女房が「愛国」という言葉で悩んでいる。女房のような普通の日本人にとって愛国なんて当然のことだったのに。県議会の傍聴である議員の質問に対して他の議員が「愛国心だ」と野次を飛ばしたことからその疑問は始まった。

自分のまわりの善良な人々を愛し、郷土を愛するということは自然な感情だが、国家を愛するということはまた違った側面を持っている。国を愛していないのかと問うことで、ある種の強制を強いるというところに問題点が存在する。愛国のために自国を守る軍隊を持て!となると大丈夫かと思ってしまう。だって第2次世界大戦末期にアメリカ軍に攻められた沖縄では軍のために一般市民が多く犠牲になったと言われている。その記憶がまだ人々の中にあるために沖縄は日本の本土とはかなり違った反応を基地や軍について持つ。

また私にしても素朴に愛国心を持つという心境にはならない。国家は一般市民を圧迫して来たというのはある意味本当だからである。憲法に国民、国民とあると女房はいう。だから、国民は悪い言葉ではないとでも言いたげである。

しかし、羽仁五郎なら「国民」というかわりに「市民」というところだろう。またはゴードン=シロタの日本国憲法の草案にあったという、all natural persons..... というのならわからないではないが、国民という言葉には従順に税金を納め、法を遵守し、日本の政治に盲目的に従うという感じをぬぐいきれない。いまは1945までとはちがっているが、いつ、そのような時代に一部ではあるが戻るのではないか。そういう恐れが全くないわけではない。