Clifford代数という語は知ってはいたが、どんなものか知らなかった。それで『数学入門辞典』(岩波)を引いてみたが、載っていない。
『数学辞典』を引いてみたら載ってはいたが、私には理解できなかったので、『理化学辞典』を引いてみたら、さすがに私にも分かる言葉で書いてあった。後は例としてガンマ行列以外にあればもっといいと思ったが。
日本評論社から出た『算数、数学百科』は中学や高校の先生には役立つかもしれないが、どうも私の役にはあまり立たない。これは『数学入門辞典』もそうだ。独自にそういう辞典を私家版で作る必要がありそうだ。
Grassman代数とかLie代数とかそういったものについても同様であろう。複素解析での概念の分岐点についても分かりやすい解説が欲しかった。
もっとも分岐点については小著『数学散歩』ですでに述べた。科学用語辞典は必要だし、沢山出ているのだが、ほんとうに役立つものにはあまり出会わないように思えるが、問題意識の違いなのであろうか。
瀬山士郎先生の書いた『読む数学事典』(東京図書)とかいうのがあるそうだが、内容はどうなんだろう(注)。どこかで内容をちょっと見ることができないものだろうか。
(2012.4.19 付記) Clifford代数の例として上にガンマ行列をのべたが、Pauli行列として知られている行列 \sigma _{1} , \sigma _{2}, \sigma _{3}もClifford代数の表現になっている。このことは京産大のS名誉教授の講演で最近知ったことである(注)。(注: この京産大のS名誉教授は松山出身の方であったが、1~2年前になくなった)
また、日本語の本でClifford代数のことを書いた本はないだろうと志村五郎著『数学をいかに使うか』(ちくま学芸文庫)に書いてあるのを最近読んだ。この書の第5章は「Clifford代数とスピン群」となっている。