物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

熱は高温から低温へ

2007-08-30 11:28:43 | 物理学

熱は高温から低温の方へ移動する。これはどうしてか。これは熱力学では答えない。それは熱についての自然法則として熱力学第二法則としてある意味で要請されている。

しかし、そのことに答えないということでは物理学は成り立たないだろう。そういうことがあるからか統計力学が出来て答えられるようになった。

熱平衡状態となるような場合の数が他の場合の数よりも圧倒的に多いという訳だが、そのことを朝永の「物理学とは何だろうか」では十分な説明がなされていないと思う。いや、されているのかもしれないが、少なくとも私にはそれが読み取れていない。

それを実感的に説明する試みを和田さんの本ほどしっかり書いたものは私はいまのところ知らない。正確な本の名は忘れたが、「物理講義のききどころ」だったか岩波の4冊か5冊のシリーズの1冊である。

今年は熱がなぜ高温から低温へと移動するかをわかってもらうことに重点をおいて松山大学で講義をしたのだが、難しいという評判しか得られなかった。