もう、どこにも勤務をしていないのに広島へ出張をしてきた。とはいってもたったの一泊どまりである。先輩のYさんの研究回顧を聞きに行ったのである。朝の10時過ぎから夕方の6時過ぎまでであった。一応録音をして暇々にテープを起こしをするつもりである。
私は体が頑丈でないので、少し作業をすると飽きてしまうというか根気が続かないのである。だから長い期間をかけて少しづつ作業をするつもりである。
話はまったく別だが、土曜日と日曜日にはニュートンがsin xのマクローリン展開の係数を決めたという方法で係数を決めてみたが、5次までは係数がすぐに出たが、7次の項の係数がなかなか出せない。
それでその場ではあきらめて今日午後仕事場に出てきてまた計算をしなおして見たが、うまく出せない。どこをどう計算が間違っているものか。今日はうまく計算ができると思って計算をしたのだが。これはもちろん微分していって各項の係数を決める普通の方法ではない。
ニュートンが最初にしたのは逆sin関数の級数展開からそれを逆に解いて、sin関数のマクローリン展開の係数を決めるという方法で志賀浩二先生の「無限のなかの数学」(岩波新書)pp.105-111に書いている話である。
志賀先生はこの係数の実際の決め方には言及していない。彼にはその決め方がわからなかったとは思わないが、実際に計算を示すにはスペースが増えすぎるという判断をしたのだろう。それでニュートンの決めた結果のみを引用している。
実はこのことを知ったのはアマゾンのこの本の書評からである。この書評を書いた人がその方法で係数を実際に決めることができたかどうかはわからないが、感動して書評を書いている。
どうもニュートンのような天才にしかこの係数が決められなかったという風に思いたくはないので、係数を決めることを2項展開を用いて試みて見ると簡単に決められることがわかった。だが、7次の係数を決める計算は複雑になってきて、計算ミスをしてしまった。
まだ見落としている項があるか、係数を決める式の中に出てくる係数を落としているかだろう。7次の係数が決められたら、またこれについての数学エッセイを書くつもりである。実は係数の実際の決め方を志賀先生が述べていないことが私には不満なのである。