物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

比をどう教えるか

2024-12-25 14:08:22 | 本と雑誌
内包量というとなんだか難しそうな名前だ。それで敬遠したくなるが、日本語で度という語がついている用語だとか率という名前がいう語がついている用語を総称した用語である(2024.12.26注)。

典型的なものでは速度とか利率とかがある。濃度というのもあるが、これは度がついているが、度ではなくて率という量に入る。

そういう量ではないが、倍と比がある。倍の方はそれほど難しくはないが、比をどう取り扱うのか昔から問題だったらしい。

一つの解決法は比は比の値だとして全部を分数の形に書くということである。それで比の曖昧さを回避したいと思っている。

私が以前に書いた「比と比例式を考える」というエッセイにはドイツのライブニッツの見解を引用した、ある本の引用をしてある。

ライブニッツによると比を割り算の記号で書けばよいと書いている(『数字と数学記号の歴史』(裳華房)よりの引用)。これは明解である。
 
私の経験でも昔ドイツに留学していたころ、私の住居をしばしば訪れていたドイツ人の大学生はa:bをa割るbの意味に使っていたのを知っている。

(2024.12.26注)量はまず「分離量」と「連続量」に分かれる。その連続量が「外延量」と「内包量」に分かれる。外延量はたし算のできる量であるが、内包量はたし算ができるのは例外的な場合で、一般にはたし算のできない量である。

物理を知っている人は外延量は「示量変数」だと思ってほしい。また内包量は「示強変数」だと思えばいい。

かつて、割合はいろいろな意味を持つので理解が難しい。それで割合と言われるものが何を指しているかを分析した方がいた。その中味は内包量の度、率と量には入らないが、倍と比であるという分析をされた。

割合の意味は「度、率、倍、比」のいずれかであるとの分析は優れたものである。そして児童や生徒に教える順序はこの順に教えればいいという。


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