【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

民主党・国民新党が衆参統一会派

2012年10月18日 19時51分05秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

 民主党代表の野田佳彦さんと国民新党代表の自見庄三郎さんは2012年10月18日(木)、国会議事堂中央部3階「委員長室」で会談し、衆参両院での統一会派結成の覚書に署名しました。

 これにより、衆議院では247議席で議席占有率51・8%、参議院では90議席で議席占有率37・3%となります。横路孝弘衆議院議長と平田健二参議院議長は除きました。

 なお、これを計算したときに気付いたのですが、議会運営上まったく意味のない数字ですが、国会の総議員にしめる与党議員の割合は46・9%と過半数ないんですね。かつてないほど苦しい議会運営です。すっかり寒くなり、ストレスも限界に近づいているでしょうが、ぜひとも、衆参とも選挙区選出議員には、健康に留意していただきたい。

 野田民主党と自見国民新党は親友です。惑星と衛星のような仲だといえるでしょう。「万有引力とは引き合う孤独の力である」(谷川俊太郎)。小沢一郎氏に裏切られた民主党と亀井静香氏に裏切られた国民新党。その孤独を引き合う万有引力。第45期衆議院も残り10ヶ月、通常国会1回を残すのみとなりました。3・11のときには、同盟国アメリカが駆けつけてくれ、ホントウの「トモダチ」が分かりました。

 この苦しい局面で、裏切る人間は、どこにいっても裏切るでしょう。万有引力だろうが、表面張力だろうが、使える力はなんでも使う。ぜひ、裏切り者を出さないよう国民総監視の下、来るべき選挙を迎えましょう。

 
[写真]中国・人民大会堂で記念撮影に収まる野田佳彦民主党広報委員長(前列中央)と自見庄三郎国民新党副代表(前列右端)。前列左端は高山智司・現環境政務官(兼)内閣府政務官、2007年12月。

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火事場泥棒の自民党が逃げ出し、与党・蓮舫さんが政府を正す 復興予算「全国防災」流用事件 参決算委

2012年10月18日 17時23分46秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]参議院決算委員会筆頭理事に就任した民主党の蓮舫さん。与党議員が政府の予算編成・箇所付け・執行をただすという、国会史上初の光景が見られました。

【参議院決算委員会 閉会中審査 2012年10月18日(木)】

 9月8日に閉会してから、6週間、初めての閉会中審査として参議院決算委員会が開かれました。同委員会は先の国会の会期末処理で、山本順三委員長(自民党)が「国家財政の経理および国有財産の管理に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか」とはかり、全会一致で継続調査要求をしていたので、これに関する国政調査としてきょうの委員会が開かれました。なお、法案に関しては、参院の委員会は通例、継続審査(閉会中審査)にしないことになっています。これは次の国会が召集された瞬間に参議院先議法案となってしまうため、重要法案は参議院では継続審査せず、審議未了廃案とするのが慣例となっています。ですから、8月28日に特例公債法案と定数是正法案を衆議院本会議で強行採決した背景にはこの慣例を踏まえて、民主党国会対策委員会が作戦を立てていた可能性があります。その城島光力さんも、きょうの審議では、城島財務相として答弁でビューしました。城島さんは児童手当に関する議員立法で3党合意を代表して答弁したことはありますが、政務三役は初めてになります。

 二大政党は秋の臨時国会で委員会の配置換えをして、1年間国会を運営する人事戦略をとっていますが、民主党は参院決算委で元行政刷新相の蓮舫さんを筆頭理事に起用しました。輿石東さんが控える民主党・新緑風会会長室には、各委員会の配置をホワイトボードで示しており、委員長の名前の上には赤いマグネット、筆頭理事の名前の上には青いマグネットをつけています。ただし、他党議員が委員長を占める委員会では、筆頭理事の名前は、委員長の位置に書いてあります。ですから、決算委員会については、蓮舫さんが実質的な委員長さん、責任者ということになります。院からの待遇(委員長室、公用車)では委員長と筆頭理事はまったく違いますが、参院民主党“輿石教室”では、決算委は蓮舫さんが責任者として委員長さんと同じ責任をもってしっかりやりなさい、という扱いになります。いろいろと悪口を言われる輿石さんですが、彼の民主党・新緑風会の運営は、何か小学校のクラスルームのように思えますが、「当たり前のことが当たり前にできない未熟な政党」において、余人を持って代え難い。立派な方です。

 さて、きょうの審議ですが、蓮舫さんの質問はとてもよく、自民党の50年王国ではあり得ない、政府による予算の箇所付け、執行を与党議員が厳しく追及する素晴らしいものでした。このなかで、経済産業省の平成24年行政事業レビューシートで、「災害用リチウムイオン蓄電池導入支援事業費」(情報通信機器課・荒井勝喜課長作成)について、210億円の予算を「一般社団法人 環境パートナーシップ会議」という法人に随意契約で委託したことで「執行率100%」としていることが分かりました。たしかに荒井課長はこのレビューシートの中に注釈を書いていますが、近藤洋介・経済産業副大臣の答弁によると、「実際に事業者に渡っているのは約10億円なので、執行率は5%ぐらい」とのことでした。この基金を法人に渡して執行率をわたして100%と豪語する行政は、まさにシロアリです。マスコミが追及しろと言っても、どこに住所があるかも分からないし、無理です。まさかこのシロアリに経産官僚が天下りしているようなことはないですが、官僚たちには恥を知れとしか言いようがありません。

 蓮舫さんは3・11当時の行政刷新担当大臣として「閣法には全国(防災)が入っていなかったことは押さえておきたい」と発言しました。これが利いてか、この後の自民党清和会の森まさこさん(福島選挙区)は「まるで事業仕分けのように一つ一つ金額をあげつらう(蓮舫さん)の質疑には、福島県民は怒っています」とし、同じく自民党宮城選挙区の熊谷大さんは田中けいしゅう法相を要求し、出席を得られないと、質問を放棄してしまいました。このように、被災地出身議員を起用しておいて、復興予算の全国防災への流用に関する閉会中審査という本筋から逃げた自民党には、まさに恥を知れとしか言いようがありません。

 先週から今週にかけての、報道の変化などから、気付いていらっしゃる方もおおでしょうが、実は「全国防災」は第177震災国会の民自公3党協議のなかで、自民党が復興基本法に入れたものです。自民党の案を飲まないと、参議院で法案が一本も通らないという国会状況の足元をみられた格好です。

 民主党内閣が国会に提出した第177閣法70号の第2条は次のように書かれていました。

 未曽有の災害により、多数の人命が失われるとともに、多数の被災者がその生活基盤を奪われ、被災地域内外での避難生活を余儀なくされる等甚大な被害が生じており、かつ、被災地域における経済活動の停滞が連鎖的に全国各地における企業活動や国民生活に支障を及ぼしている等その影響が広く全国に及んでいることを踏まえ、国民一般の理解と協力の下に、単なる災害復旧にとどまらない抜本的な対策が推進されるべきこと。この場合において、行政の内外の知見が集約され、その活用がされるべきこと。

 これに、自民党による加筆が入って、現在の東日本大震災復興基本法(平成23年法律125号)では次のようになっています。自民党による加筆部分を【】で補いました。 

 未曽有の災害により、多数の人命が失われるとともに、多数の被災者がその生活基盤を奪われ、被災地域内外での避難生活を余儀なくされる等甚大な被害が生じており、かつ、被災地域における経済活動の停滞が連鎖的に全国各地における企業活動や国民生活に支障を及ぼしている等その影響が広く全国に及んでいることを踏まえ、国民一般の理解と協力の下に、【被害を受けた施設を原形に復旧すること等の】単なる災害復旧にとどまらない【活力ある日本の再生を視野に入れた】抜本的な対策【及び一人一人の人間が災害を乗り越えて豊かな人生を送ることができるようにすることを旨として行われる復興のための施策の推進により、新たな地域社会の構築がなされるとともに、二十一世紀半ばにおける日本のあるべき姿を目指して行われるべきこと】。この場合において、行政の内外の知見が集約され、その活用がされるべきこと。

 こうなっています。

 自民党は東日本大震災の復興にあたって、「新たな地域社会の構築がなされるとともに、21世紀半ばにおける日本のあるべき姿を目指して行われるべき」とまで書き込んでいます。「3・11」はそんなに余裕がある状態だったのでしょうか。「3・11」の直後、民主党1期生の教師役だった岡田克也幹事長は、1期生を集め、「こういうときこそ人は見られている」とし、政府外議員が被災地に自主的に視察するなどして現場を混乱させないようにたしなめました。そして、この文言を挿入したのは、被災地とは遠い、鳥取1区選出の自民党政調会長、石破茂さんでした。災害の直後、まだ原子力災害の行方が見えず、津波による行方不明者が発見できず、がれきの処理が完了していない昨年3月~6月に、「21世紀半ばにおける日本のあるべき姿を目指して」という文言を挿入した石破さんの姿は、火事場泥棒としか言いようがありません。そして、この全国防災費の財源は再来年6月からの、住民税均等割の一律年間1000円アップ(県税、市税半分ずつ)をあてることになっています。広く薄く住民税均等割をアップして、特定の企業・団体だけに歳出するというのは、究極の逆進税制だし、税額控除などで積み上げてきた、自民党利権政治の再現でしかありません。

 この復興増税と全国防災に関しては、自治体から反論が出ていました。

 当事者である、石破茂さん。なんか言ったらどうなんでしょうか。しょせんは、この程度の政治家なんですよ、石破というのは。その石破さんを県連投票でトップに選んだ自民党。まさに大ブーメランに入りつつあります。そう言う意味では、ある意味、そろそろ衆議院解散の良い頃合いかも知れません。

 火事場泥棒というのは、私が知る世間では、人として最低の行為です。次の仕分けは議員仕分けです。

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衆参ダブルか?「12月9日投票」はねのける 野田内閣、予備費で追加景気対策 11月とりまとめ

2012年10月17日 18時19分30秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

 野田佳彦首相と前原誠司経済財政政策担当相は2012年10月17日(水)夕方5時からの緊急閣議で、追加景気対策の策定を各大臣に要請しました。11月末をめどにとりまとめます。通例は補正予算(案)で対応しますが、今回は平成24年度予算一般会計の予算総則第17条にもとづく、財務省所管の「経済危機対応・地域活性化予備費」の9100億円、災害対策が最優先となる「予備費」3500億円(の一部)の支出の閣議決定を網羅的に戦略的に行うものです。

 これは複数の予備知識が必要ですが、まず、補正予算(案)ではないので国会への提出は不要です。

 一方、本来「予備費」は閣議決定で支出し、使用調書、これはもう10月1日を過ぎましたので、「平成24年度経済危機対応・地域活性化予備費使用調書その2」ということになりますので、事後に国会に提出すればいいことになります。ですから、今回のように臨時閣議で総理がとりまとめを指示して、各府省大臣が11月末をめどにメニューをとりまとめる筋合いのものではありません。

 さらに藤村修官房長官は平成24年度の基礎年金支給に欠かせない年金交付公債が年金特例公債につけかえることにした、6月15日の民自公3党合意にもとづく、技術的な補正予算が2013年3月31日までに必要であることを認めています。それにもかかわらず今年度第1次補正予算(案)は編成に着手していません。岡田克也副総理(兼)行政刷新相は前日(16日)の記者会見で、「新仕分け」を11月16日(金)から18日(日)まで行うと発表しました。経費節減のため、役所の会議室で政務三役と刷新会議委員だけが評価人となり、一般傍聴無しでインターネット中継のみとし、「評価結果については、行政刷新相が(平成25年度)予算への反映まで、しっかりフォローアップ」(プレスリリース)と打ち出しました。

 このため、自民党の石破茂幹事長や、公明党の山口那津男代表・井上義久幹事長が主唱してきた今年最後の大安吉日の日曜日である「第46回衆院選の12月9日投開票」へのゼロ回答と受け止めることができます。野田民主党は「自民党が特性公債法案を参議院で可決・成立させてくれないので、財源がなく、(増額)補正ができない」との論で強行突破する構えで、年内解散はなくなり、衆参ダブルの可能性が大きくなりました。すでに選挙事務所を開いている自民党の候補予定者は、12月31日(月)までに店じまいをし、予算審議中の1月~3月は鋭気を養うことが必要になりそうです。

 現下の経済情勢は極めて深刻なものがあります。3世代前、80年前の不況。これは昭和天皇がすでに摂政宮さまとなられてから、青年天皇に即位された時期になりますが、1923年に関東大震災で横浜港と首都東京が壊滅的被害にあいました。震災手形(政府紙幣)の整理回収に手間取る中その4年後に昭和恐慌がおき、取り付け騒ぎが起き、そして、1929年ニューヨーク株式市場から大恐慌がおき世界強行となりました。その回復は関東大震災から数えて四半世紀近い歳月が必要でした。

 今回は世界恐慌が先に来ました。2007年・2008年にアメリカでサブプライム・ショック、リーマン・ショックが起き、IT化とグローバリゼーションにともなう新興国の勃興と行き過ぎたマネタリズム、貨幣経済が整理局面となりました。そして、2011年3月11日、東日本大震災が起きました。関東大震災と違い首都と主力港はやられず死者数も少ないですが、世界不況の中での震災でその復旧・復興は大きく遅れているほか、原子力災害という立体的な被害がおき、先行きはまったく不透明な状況です。それに前後して、欧州債務危機、欧州通貨危機が起き、貿易の連鎖から、中国など新興国の輸出入が停滞し、日本にも影響が来ています。中国への自動車輸出が半減。いずれは日本の稼ぎ頭であるアメリカへの自動車・自動車部品輸出も減速するでしょう。それ以上にエネルギー自給率4%の我が国では、原子力発電にかわる火力発電用の油の調達で、貿易赤字が続いており、いわば「出血多量」のまま、その先行きは国際原油価格に左右されるという危機的状況がさらに続きます。

 このような背景で、第180通常国会の8月28日(火)の衆議院本会議での「財政運営に必要な特例公債法案」(第180閣法2号内閣修正)の採決に自民党が欠席し、公明党が反対したことは無責任野党のそしりは免れません。また、公明党幹部にとっては、「近いうち解散」「12月9日衆院選」の2つの嘘により、支持母体の創価学会員に不信感を与えたことから、組織内で責任問題が起こることは必至でしょう。

 なお、「経済危機対応・地域活性化予備費」は鳩山内閣が組んだ平成22年度当初予算、菅内閣が昨年大型連休中に第177通常国会を通した「復旧補正」である平成23年度第1次補正予算、に続いて、平成24年度当初予算が3度目の計上になります。この予備費は、平成24年度一般会計予算総則第17条で、使用使途が各府省ごとに定められています。少し見づらくなりますが、平成24年度一般会計予算書からのコピー・アンド・ペーストを以下につけます。

 [平成24年度一般会計予算総則から引用はじめ]

第17 条「甲号歳入歳出予算」に計上した経済危機対応・地域活性化予備費は、次に掲げる経費及び第7 条に掲げる経費であって、地域経済の活性化、雇用機
会の創出又は国民生活の安定に資するもの以外には使用しないものとする。

 内閣府

 内閣本府
 地域活性化政策費、防災政策費、沖縄政策費、沖縄振興交付金事業推進費、沖縄米軍基地所在市町村活性化特別事業費、沖縄北部連携促進特別振興事業費、沖縄保健衛生諸費

 警察庁
 生活安全警察費、警察活動基盤整備費


 総務省

 総務本省

 地方行政制度整備費、地域振興費、情報通信技術研究開発推進費、情報通信技術高度利活用推進費、情報通信技術利用環境整備費

消防庁消防防災体制等整備費

法務省

法務本省
日本司法支援センター運営費

財務省

財務本省
政策金融費


文部科学省

文部科学本省

生涯学習振興費、初等中等教育等振興費、高等教育振興費、育英事業費、私立学校振興費、科学技術・学術政策推進費、研究振興費、研究開発推進費、スポーツ振興費

文化庁
文化振興費、国際文化交流推進費

厚生労働省

厚生労働本省
医療提供体制確保対策費、医療従事者等確保対策費、医療従事者資質向上対策費、医療情報化等推進費、医療安全確保推進費、感染症対策費、特定疾患等対策費、移植医療推進費、原爆被爆者等援護対策費、医薬品承認審査等推進費、医薬品安全対策等推進費、医薬品適正使用推進費、血液製剤対策費、医薬品等研究開発推進費、医療提供体制基盤整備費、医療保険給付諸費、医療費適正化推進費、地域保健対策費、健康増進対策費、健康危機管理推進費、食品等安全確保対策費、水道安全対策費、麻薬・覚せい剤等対策費、化学物質安全対策費、生活衛生対策費、労働条件確保・改善対策費、中小企業最低賃金引上げ支援対策費、高齢者等雇用安定・促進費、失業等給付費等労働保険特別会計へ繰入、就職支援法事業費労働保険特別会計へ繰入、職業能力開発強化費、若年者等職業能力開発支援費、障害者等職業能力開発支援費、男女均等雇用対策費、保育所運営費、児童虐待等防止対策費、母子保健衛生対策費、母子家庭等対策費、子ども・子育て支援対策費、生活保護費、地域福祉推進費、災害救助等諸費、社会福祉諸費、障害保健福祉費、高齢者日常生活支援等推進費、介護保険制度運営推進費

検疫所
検疫所共通費、検疫業務等実施費、輸入食品検査業務実施費

都道府県労働局
都道府県労働局共通費、労働条件確保・改善対策費、個別労働紛争対策費、職業紹介事業等実施費、高齢者等雇用安定・促進費、男女均等雇用対策費

農林水産省

農林水産本省
食の安全・消費者の信頼確保対策費、国産農畜産物・食農連携強化対策費、農業経営対策費、優良農地確保・有効利用対策費、農業生産基盤保全管理等推進費、環境保全型農業生産対策費、農山漁村6 次産業化対策費、都市農村交流等対策費、農村地域資源等保全推進費、農山漁村活性化対策費、農林水産業地球環境対策費、風水害等対策費

農林水産本省検査指導機関
農林水産本省検査指導所

農林水産技術会議
農林水産業研究開発費

林野庁
森林整備・保全費、独立行政法人農林漁業信用基金出資、森林整備・保全費国有林野事業特別会計へ繰入、森林整備事業費、林業振興対策費、林産物供給等振興対策費、森林整備・林業等振興対策費

水産庁
水産資源回復対策費、漁業経営安定対策費、漁村振興対策費、水産業強化対策費

経済産業省

経済産業本省
産業人材育成費、技術革新促進・環境整備費、ものづくり産業振興費、サービス産業強化費、コンテンツ産業強化費、地域経済活性化対策費、温暖化対策費、情報セキュリティ対策推進費、まちづくり推進費、化学物質管理推進費、消費者行政推進費、産業保安費資源エネルギー庁鉱物資源安定供給確保費

中小企業庁
経営革新・創業促進費、中小企業事業環境整備費、経営安定・取引適正化費、まちづくり推進費

国土交通省

国土交通本省
住宅対策諸費、住宅市場整備推進費、道路環境等対策費、水環境対策費、地球温暖化防止等対策費、公共交通等安全対策費、道路交通安全対策費、総合的物流体系整備推進費、景観形成推進費、都市・地域づくり推進費、鉄道網整備推進費、地域公共交通維持・活性化推進費、道路交通円滑化推進費、不動産市場整備等推進費、建設市場整備推進費、国土調査費、海事産業市場整備等推進費、国土形成推進費、地理空間情報整備・活用推進費、離島振興費、奄美群島園芸振興費、北海道総合開発推進費

観光庁
観光振興費


環境省
環境本省
地球温暖化対策推進費、廃棄物・リサイクル対策推進費、生物多様性保全等推進費、環境保健対策推進費、環境・経済・社会の統合的向上費、環境政策基盤整備費、環境研究総合推進費

地方環境事務所
地方環境対策費

[引用おわり] 

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小泉元首相「私の支持者も田中さんを応援している」議事録から見えてくるけいしゅう法相との浅からぬ仲とは

2012年10月17日 00時36分15秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]5年半内閣総理大臣を務めた自民党総裁で清和会・神奈川県連の小泉純一郎氏。

 自民党の安倍晋三総裁(清和会)から辞任要求を受けている田中けいしゅう法相(田中慶秋法相)。

 そのけいしゅうさんですが、政界でははるかに有名人だった自民党神奈川県連・清和会所属の小泉純一郎首相から「私の支持者も田中さんを応援しているのも知っていますよ」と答弁されていたことが、国会議事録データベースから浮かび上がりました。その清和会自民党総裁だった小泉首相と民主党のけいしゅう法相の浅からぬ仲とはどんな仲でしょうか。

 これは2005年(平成17年)2月2日(水)の第162通常国会の当初予算の基本的質疑でNHK中継されました。そして、この国会は延長会期末の直前の8月8日に解散され、総選挙でけいしゅうさんは3度目の落選を喫しました。

 予算委員長は、これも浅からぬ縁で、このたび、清和会安倍総裁の選対本部長をつとめて、自民党政調会長の座を射止めた甘利明大先生(大和市など選出)。神奈川県オールスターキャストの様相でした。

 このなかで、けいしゅうさんはRCC(整理回収機構)を議題に。「私の友達も、はっきり申し上げて、自分の問題ではなくして、保証人になっただけで全部持っていかれちゃったんですよ、家まで。家まで持っていかれただけだったらいいですけれども、命まで持っていかれましたよ。ということは、自殺をしたということです」として、小泉首相の経済政策を正しました。

 これについて、小泉首相は答弁で「今の御指摘、田中議員は本当に中小企業に詳しいです。今まで中小企業に最も力を入れてきた議員ということも私はよく知っています。地元ですから、私の選挙区の隣なんですから、中選挙区時代は。私の支持者も田中さんを応援しているのも知っていますよ」。

 これに対してけいしゅうは「総理によいしょされても、私はそう思っていないんですよ」と切り返しました。

 小泉純一郎さんは3代目政治家ですが、初代は、横浜市金沢区の六浦(むつうら)という所の鳶職人の家から、横須賀港に出た人です。自由民権運動の闘士で「入れ墨大臣」とも呼ばれました。金沢というところは、1192年イイクニ作ろう鎌倉幕府の時代から栄えたところで、執権・北条氏の分家にあたる金沢北条氏が開発し、公文書館である「金沢文庫」もあります。称名寺(しょうみょうじ)というとても気持ちよいところにありますので、神奈川県民でも行ったことがない人が大半でしょうが、ぜひ行ってみたらいいでしょう。公文書管理担当の岡田克也内閣府担当大臣や藤本祐司・内閣府副大臣らも、行ったことがなければ行ったらいいでしょう。秋よりも、春の方がオススメかな。

 そして、けいしゅうさんの選挙区の戸塚というのは、これは東海道線の「戸塚」駅があるとおり、東海道五十三次の品川から数えて5番目の宿場町。これは1月2日・3日の箱根駅伝でご存じの方も多いでしょう。神奈川県というのは、すべて、1859年に開港した横浜港から栄えており、神奈川県を理解する上では、まず横浜港から押さえるのが必須ですが、しかし、小泉さんの金沢→横須賀、けいしゅうさんの選挙区である戸塚に限れば、横浜港よりも先に栄えていたという共通点があります。

 ところで、谷垣禎一さんが初入閣後の大臣所信表明に対する一般質疑で、野党議員として最初に質問した新進党議員。これもけいしゅうさんなんですね。このなかで、大変興味深い問答があります。

 第141臨時国会の平成9年(1997年)9月16日(火)の衆議院科学技術委員会。このなかでけいしゅうさんは「谷垣長官初め政務次官に御就任された皆様、本当におめでとうございます」「動燃の爆発事故以来、特に危機管理システムという問題について論じられたわけであります」「原子力に頼る日本としての危機管理、すなわち、動燃の爆発事故、さらには今回のような低レベル放射能のずさんな管理という問題等々含めて、今日まで至る経過の中で、科学技術庁として、これらに対する管理のあり方としてマニュアルをつくりなさい」と切り出しています。

 この初質問に対して、谷垣科学技術庁長官は「今田中委員御指摘のように、日本の原子力政策をこれから国民の理解を進めていけるかどうか、私は、危急存亡のときに立っているのではないか。その大変なときにこの長官に就任をさせていただいて、大変責任の重さを痛感しているような次第でございます。今田中委員が御指摘のように、二度と起こったらと。これはもう二度と起こったらいけないわけでございまして、これは起こってまいりますと、日本の科学技術政策というのは瓦解してしまうのじゃないか、こんな気持ちを持っております」と答弁しています。そして、この13年半後に、東京電力福島第一原子力発電所が爆発事故をおこすにいたりました。そして、けいしゅうさんの故郷、浪江町が立ち入り禁止区域となってしまいました。

 さて、なぜ上の方で、自民党の甘利政調会長を「大先生」と呼んだのかですが、もうちょっと書こうと思ったのですが、さすがに夜遅くて眠くなってきたので、こられも含めて、自民党神奈川県連や自民党東京都連、清和会のこと、次回以降、書いていこうと思います。それから、一部で、「横浜八景島シーパラダイス」の「シーパラけいしゅう祭り」について書いているブロガーがいますが、八景島は横浜市役所が埋め立てて西武鉄道が所有した土地なんですよね。西武鉄道の創始者といえば、いうまでもなく、元衆議院議長で、清和会結成メンバーの堤康次郎さんです。昨年まで、清和会の本部が系列の赤坂プリンスホテル旧館内にあったのは有名な話です。小泉首相も国内出張時はプリンスホテルをできる限り利用していました。その辺も含めて、自民党神奈川県連や自民党東京都連、清和会について、明日以降、また書いていこうと思います。

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お帰りなさい 土肥隆一さん 民主党・無所属クラブに復帰 

2012年10月16日 20時09分35秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]民主党・無所属クラブに復帰した土肥隆一さん。

 うれしいビッグニュースが飛び込んできました。

 兵庫県第3区(神戸市垂水区、須磨区)選出の衆議院議員、土肥隆一さんが2012年10月16日(火)、衆議院会派「民主党・無所属クラブ」に復帰しました。安住淳・会派代表者が衆議院事務局に届け出ました。近く、民主党に復党するとみられます。

  岡田副総理は16日の記者会見で「いろいろなことがあって、御自身責任を明確にされたということだと思います。私は当時幹事長でしたけれども、土肥さんは同期だし、非常に親しい友人でもありましたが、彼のほうから潔く離党ということで、身を処されたこと、非常に残念な思いと、それから土肥さんらしいなと、そういう気持ちで見ておりました。今回、かなり時間もたつ中で、党に入ったということではありませんが、会派に入られたということで、個人的にはよかったなというふうに思っています」と述べました。


 私が衆議院本会議で確認していた範囲内では、土肥さんは、この1年半、すべての採決で民主党の党議と同じ投票行動をしていたと思われます。

 土肥さんは昨年2月、故郷で開かれた日韓のクリスチャン議員外交において、竹島の領有権をめぐり、韓国議員側に、トラップにはめられました。あたかも日本の与党議員が竹島の領有権が韓国にあると主張しているような情報発信となってしまい、日本でも3月9日から大きく報道されました。慣れない与党議員として軽率のそしりは免れません。猛省が必要でした。が、土肥さんは3月10日午後5時半に記者会見し、民主党を守るために、自ら離党届を出しました。たまたま土肥さんが国会内民主党幹事長室に離党届を出す場面に私も居合わせましたが、入閣経験がない当選7回生なのに、淡々としていたのが印象的でした。そして一晩あけて東日本大震災が起きました。

 土肥さんは、1939年、父親が勤めていた(旧)朝鮮総督府があった日本領京城(現在の大韓民国ソウル)生まれ。ちなみに、きょうの岡田副総理会見の中で、私は「日本領ピョンヤンの生まれ」と発言してしまいましたが、正しくは「日本領ケイジョウの生まれ」でした。日本に引き揚げた後、国内キリスト教最大の信者を持つ日本基督教団(プロテスタント系)の牧師を現在まで務めています。政治家としては「十字架委員長」と呼ばれたクリスチャンで、右派社会党の委員長を務めた河上丈太郎の議席をその子息をはさんで引き継いでおり、1990年おたかさん社会党から初当選し、7回連続当選(第44回郵政選挙では比例復活)してきました。

 土肥さんは「民主主義の成熟度は政権交代ある政治を国民がいつも保持できることにある」との持論を持っており、河上丈太郎が果たせなかった夢を現代政治に反映しています。(当ブログ内参照エントリー「50数年ぶりに獲得した政権交代という“宝”をドブに捨てるな」と語る土肥隆一さんの肩書きは?)。

 民主党では「菅グループ」ともよばれる「国のかたち研究会」の会長をつとめてきた土肥さんですが、複数立候補の代表選では結党以来初めて菅直人候補が立候補しなかった2009年5月の代表選で、同期とともに岡田克也候補を擁立し、選対を務めました。このときの残念会で岡田候補は「きょうここに(小沢一郎氏のしめつけにもかかわらず)お集まりいただいたみなさんには必ずご恩返しをしたい」との「ご恩返し発言」をしており、その8月に結党以来初めて与党になってからは、この残念会メンバーが人事面で優遇されています。一部には「ヘビーローテーション」「メリーゴーラウンド」と言われるほど優遇されています。ただ、衆議院議員の中で、現在まで適齢期でありながら閣僚や政務三役を務めていないのは土肥さん一人になっていますが、10月1日の内閣改造後というタイミングでの会派復帰は、土肥さんが「私なんていいんだよ」と言っているようにも思えます。


[画像]「土肥さんはこの後、午後5時半から記者会見をしますのでそれを待ってください」としながら、親友の離党に悔しさを隠せないようすの岡田克也・民主党幹事長、2011年3月10日(木)午後4時過ぎ=民主党ホームページ内動画からキャプチャ。

 土肥さんはホントウに間の悪い人です。1995年1月17日の朝日新聞1面トップは、「新会派「民主」旗揚げ きょう離党届 社党24人参加で分裂状態に」となっており、この記事では、山花貞夫さん、土肥隆一さんら社会党右派(旧政権構想研究会=政構研系)が同日に日本社会党を離党し、新会派を結成するとしています。そして、自社さ政権を支える社会党左派について、「村山富市首相側には、除名処分などによって山花氏らと決定的な対立関係になるのは回避すべきだとの意見も出ているが、村山政権が厳しい状況に追い込まれることは確実だ」との観測を報じています。ところが、この新聞が配られた直後に、神戸直下に阪神・淡路大震災が発生。村山富市首相と小沢潔国土庁長官(自民党)のコンビで、1000人死者が増えたと私は考えていますが、会派結成話も立ち消えになりました。その3年後、第2次民主党の代議士会で山花貞夫さんが一兵卒として、第4控室のイチバン後ろに座っていたことを思い出します。

 神戸選出の土肥さんが、東日本大震災の発生の20時間前に、土肥さんが自ら離党を申し出たのは、地味だけどしっかりした21年間の議員生活の積み重ねたことにより、不幸中の幸いということで、疳の虫が働いて、危機管理ができたのかもしれません。

 菅直人さんが代表・総理になったときには、枝野幸男幹事長起用の際に、民主党ベテランが不快感を示したとのニュースが流れ、小沢一郎氏の発言かとの憶測を呼びましたが、土肥さんの発言だったというハプニングがありました。菅総理が、グループ会長として長年支えてくれた土肥さんを冷遇した理由は、私はまったく分かりません。しかし、自ら党を離れたことにより、土肥さんはまた新しい活躍の場を得たんだと思います。つくづく政治家は引き際が肝心だと思います。土肥さん、これからもがんばってください。

 話は変わりますが、民主党政権において、長年党を支えてきた議員が生まれ故郷に与党議員として凱旋して、国益を損ねかねない行動を取ることが散見されます。そもそも、インターネットによる情報化、新興国の発展によるプレーヤーの増加、国際会議によるマルチ・ラテラル外交の比重が増えている中、議員外交は限界を迎えつつあります。また、議員外交にともなう不透明なお金の流れも国益を損ねる可能性があります。人と人とのつながりを持つことは、紛争を未然に防止する草の根になりますが、やはり与党国会議員として、外国を訪問すると、おもてなしに酔ってしまう面があるようです。

 自由党で小沢一郎氏の下、自由党副党首を務め、現在は民主党衆議院議員である、中井洽さんが生まれ故郷の満州国新京(現在の中華人民共和国吉林省長春)に元拉致問題担当大臣として、北朝鮮政府関係者と複数回会ったと報じられています。これについて、土肥さんとの関連で質問を受けた岡田副総理は「政治家ならずとも自分の生まれたところに行ってみたいというのは、気持ちとしては分かります。それ以上については、中井先生に関して、いろいろな事実関係を含めて私も詳細を承知しておりませんので、私もコメントすることは控えたいと思います」と述べるにとどまりました。

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「この国に自衛隊があることの誇らしさ」 平成24年度観艦式

2012年10月14日 23時59分59秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

(初投稿日時は2012-10-20 20:31:01で、バックデート)

[画像]海自の装備、練度に満足の表情をうかべた野田佳彦総理(中央)、長島昭久防衛副大臣(左端)ら。2012年10月14日(日)、相模湾上の護衛艦「くらま」艦上、海自ホームページ内動画生中継「平成24年度自衛隊観艦式 守るこの海・夢・未来」からキャプチャ。

 今週2012年10月14日(日)、自衛隊の平成24年度観艦式が開かれました。海自横須賀基地沖の相模湾で、護衛艦(旧名称・戦艦)「くらま」の艦上に野田佳彦観閲官(総理)、森本敏防衛大臣、長島昭久防衛副大臣、大野元裕・防衛大臣政務官らが乗りました。自民党政権時代の観閲官は艦橋に乗り込んで見ていたように思いますが、舳先で、波しぶきを浴びながら観閲したというのは珍しいのではないでしょうか。そう思います。平成24年観艦式は、「動的防衛力」が2010防衛大綱で打ち出されてから初めての観艦式だということを意識してプログラムを組んでいるように私には感じられました。

 海上自衛隊の装備や日頃鍛えた技に加えて、同盟国・友好国のアメリカ、オーストラリア、シンガポール各海軍が初参加。太平洋の安定と平和の維持にともに責任を共有していることを感じさせました。我が国が財政難の折、頼もしい限り。その一方、海上保安庁は今年は多忙のため不参加。尖閣諸島の哨戒でしょうか。まさに「本日天気曇天にして波高し」という風情でした。とはいえ曇天だからこそ、限られた装備の中で、この3年間毎日高めてきた練度の高さを見せる機会になったようにも思います。

 このもようはニコニコ生放送と海上自衛隊ホームページで生中継され、私もこちらで見ました。我が国海上自衛隊の装備、練度を見て、改めて頼もしさと「我が国はやっぱり海自(海軍)だ」との思いを強くしました。ぜひ、みなさんも最高の事業仕分けは、国民の世論ですから、ニコニコ動画さんや海上自衛隊のホームページから、平成24年度観艦式のようすを見ていただき、装備や人件費は妥当かどうか判断していただきたいと考えます。

 3年に1回なので、民主党第1次与党期では2度目になりますが、前回は鳩山由紀夫総理が欠席し、菅直人副総理が観閲官を務めました。わが党代表たる内閣総理大臣が観艦式で観閲官を務めたたのは平成10年の立党以来初めて。

 
[画像]東京・千代田の首相官邸からヘリコプターで、走行中の護衛艦「くらま」(相模湾沖)に乗艦した直後にもかかわらず、船酔いなどを一切見せず、観閲官を務めた野田首相。

 そして、自衛官の息子が観閲官をつとめたのも初めてでしょう。



 
[画像]栄誉礼をうける野田総理。


[画像]儀仗をうける野田総理。

 ヘリコプターで着艦し、栄誉礼・儀仗を受ける最高指揮官・野田総理。しかし、総理はそのことに対する高揚感をまったく見せませんでした。これだけでも、野田という男はたいしたものだと思います。

 この後の、海上自衛隊のパフォーマンスに関しては、ぜひとも、動画で見てください。

 動画視聴の情報はこちらの自衛隊ホームページにあります。

 

 さて、観閲を終えた総理は、艦上で訓示をします。

 




[画像]訓示をする野田総理。

 この総理の訓示は、たいへんな名文であり、彼の国防にかける知見と意気込みが現れた後世に残る名演説でした。

平成24年度観艦式での総理の訓示(官邸ホームページ)から引用はじめ]

 昨年の航空観閲式に続き、本日の観艦式において、観閲官として多くの隊員諸君に直接訓示をする機会を得たことは、最高指揮官たる内閣総理大臣として、大いなる喜びとするところです。

 本艦「くらま」を中心とする艦艇、航空機の威風堂々たる雄姿統率の行き届いた一糸乱れぬ艦隊運動。そして士気旺盛な隊員諸君の規律正しく、真剣な眼差し。今日、私はこれらを目の当たりにして、この国に自衛隊があることの誇らしさを、改めて心に刻んでいます。

 この観艦式が、諸君の日頃の訓練の成果を示し、諸君がその胸に秘めた使命感と覚悟を一人でも多くの国民に知っていただく重要な機会となることを信じて止みません。

 海洋国家・日本の「礎」である海。我が国最大のフロンティアである我が国の海を守るという諸君の職責は、日本人の存在の基盤そのものを守ることに他なりません。

 今年は海上自衛隊の前身である海上警備隊が発足してから、60年という節目を迎えました。我が国をめぐる安全保障環境は、かつてなく厳しさを増していることは、改めて諸君に申し上げるまでもありません。「人工衛星」と称するミサイルを発射し、核開発を行う隣国があります。領土や主権を巡る様々な出来事も生起しています。その一方で、自衛隊の活躍の場面は、我が国周辺のみならず、世界各地にまで拡がるようになりました。我が国の平和と独立を保ち、国民の安全を守るという自衛隊創設以来の使命の核心は不変ですが、新たな時代を迎え、その使命は少しずつ形を変え、重要性を増しています。

 そのような中にあって、本日は諸君に3つのことを求めたいと思います。

 まず、諸君に求めたいのは、部隊の力を磨きあげよ、ということであります。
 
 新たな時代にあって、諸君は様々な新しい任務を与えられ、難しい任務を与えられ、厳しい場面に遭遇することも増えると思います。それを立派に果たし切る力を平素から養って下さい。「防衛大綱」に従って「動的防衛力」を構築し、磨きあげて下さい。いざという時、何が求められるのか、それぞれの部署で徹底的に検証し、訓練に励んで下さい。

 諸君は、単に存在することだけで抑止力となるのではありません。鍛え抜かれ、磨き抜かれた諸君一人一人の日々の努力があってこそ、防衛力が具体的な裏付けを持っていくのであります。

 2つ目に諸君に求めたいのは、果敢に行動する勇気であります。

 かつてない状況のもとで、これまで経験したことのない局面、プレッシャーを感じる場面に向き合うこともあるでしょう。

 しかし、皆さんは国家の安全を守る最後の拠り所です。国防に「想定外」という言葉はありません。困難に直面した時にこそ、日頃養った力を信じ、冷静沈着に国のために何をするべきかを考えた上で、状況に果敢に立ち向かって欲しいと思います。いつの時にでも局面を切り拓く力は、最後は諸君一人一人の勇気にかかってくることを忘れないで下さい。

 そして、3つ目に諸君に求めたいのは、「信頼の絆」を広げていくことであります。

 先の東日本大震災での災害派遣では、「すべては被災者のために」という思いで災害対応に当たった10万の隊員の真心が、国民に深い感動を与えました。被災地で、自らは数週間カンメシしかとらず、炊き出しのご飯や豚汁を被災者に提供し続けた隊員諸君の心は、被災者との心の絆を深めたに違いありません。

 また、米軍と自衛隊が共同対処したトモダチ作戦の成功は、日米同盟に結ばれた日米両国の絆を固く結びつけました。これからの日米の動的防衛協力を深めていく大きな拠り所となっていくことでしょう。

 さらに、諸君の同僚が、遠くソマリア沖・アデン湾において海上交通の安全確保の任に当たっていることは、我が国の海運に携わる人々との絆を強めるとともに、世界各国との絆も深め、日本という国全体への信頼を高めてくれています。
 そして、厳しく危険な任務を遂行するに当たって、常に諸君を支えてくれる家族との絆への感謝の気持ちも常に抱き続けてほしい。そう願います。

 最後に、海軍の伝統を伝える「五省」を改めて諸君に問いかけます。

 至誠にもとるなかりしか
 言行に恥づるなかりしか。
 気力に欠くるなかりしか。
 努力にうらみなかりしか
 不精に亘るなかりしか。

 諸君なら、この「五省」の問いかけを胸に、国を守るという崇高な使命を必ずや果たしてくれると信じます。常に国民に寄り添って、優しき勇者であり続けてくれると信じます。

 今こそ、国民の高い期待と厚い信頼に応える自衛隊であるために、諸君が一層奮励努力されることを切に望み、私の訓示とします。


平成24年10月14日
内閣総理大臣 野田佳彦

 [引用おわり] 

 このような訓示を残し、総理はヘリコプターに乗り、走行中の護衛艦の向かい風に煽られながら、首相官邸へと戻りました。
 

 
 ところで、私、五省(ごせい)は知らなかったのですが、海軍兵学校で、生徒がその日の行いを反省するために自らへ発していた5つの問いかけのこと、だそうです。(wikipedia参照)。

一、至誠(しせい)に悖(もと)る勿(な)かりしか

真心に反する点はなかったか
一、言行に恥づる勿かりしか
言行不一致な点はなかったか
一、気力に缺(か)くる勿かりしか
精神力は十分であったか
一、努力に憾(うら)み勿かりしか
十分に努力したか
一、不精に亘(わた)る勿かりしか
最後まで十分に取り組んだか

 ここで、「ごせい」というと、松下政経塾の「五誓」を思い出します。このなかで、一番目の「素志貫徹の事」が総理の座右の銘です。これは「常に志を抱きつつ懸命に為すべきを為すならば、いかなる困難に出会うとも道は必ず開けてくる。成功の要諦は、成功するまで続けるところにある」とのことです。私は学生時代に松下幸之助さんの本をかなりたくさん読んでおり、この「成功の要諦は成功するまで続けるところにある」という言葉は大事にしてきました。野田さんが総理になったときに、「素志貫徹」が座右の銘だと知ったときには、すぐには分からなかったのですが、私が大事にしていた「成功の要諦は成功するまで綴るところにある」という松下翁の名言は、「素志貫徹」は同じ意味だそうです。

 ところで松下政経塾の「五誓」の最後には、「感謝協力の事」として「いかなる人材が集うとも、和がなければ成果は得られない。常に感謝の心を抱いて互いに協力しあってこそ、信頼が培われ、真の発展も生まれてくる」との言葉があります。

 松下幸之助さんは池田大作と往復書簡をしていて、その内容は週刊朝日1974年10月1日号から翌年6月27日号に連載されています。この中で、松下さんは「昔から私心を去り私欲を捨てて素直な心で人生を営むというのは、お互い人間としての一つの理想であるともいわれております」とし、「自分の利害得失にとらわれないようにするために」「最も基本的に大切なのはどういうことでしょうか」としたためています。池田さんは返答の書簡で「結論的にいえば、自己自身を冷静に見極める英知をもつことと、他の人びとに対して自分と等しい尊厳性」を認めることだとしています。そして、「他の人びとの尊厳を認め、その幸福のために尽くしていくことーーここにこそ人間としての根本的姿勢があることを忘れてはならないでしょう」としています。

 なぜ今これを思い出したかというと、松下政経塾出身の我が党幹部が小説「人間革命」を線を引きながら読んでいるとのことを側聞したので、この往復書簡を収めた「人生問答」の方が文庫2冊なので読むのが早いと思ったからです。年上の人に対して、書物を贈るのは失礼とされているので、たまたま思い付いたということで、書いてみた次第です。

  ◇ 

 なお、観艦式の前日(2012年10月13日土曜日)、野田総理は防衛省で開催された平成24年度自衛隊殉職隊員追悼式に出席しました。昨年10月1日からことし9月30日までに、おもに訓練中の交通事故などで亡くなった自衛官で、ことしは9人の殉職者だったそうです。前年は東日本大震災の災害出動の関係で殉職者が増えましたが、ことしは一ケタに戻りホッとしました。しかし、一人一人の殉職者には家族があり、たいていの場合、20歳代の若い自衛官です。遺児らは、お父さんが自衛官であることもまだ分からない幼いお子さんであることが多いです。

 
[写真]平成24年度自衛隊殉職隊員追悼式で追悼の辞を述べる野田総理、2012年10月13日、首相官邸ホームページから。 

 ちょっと、ここで追悼の辞を述べる最高指揮官、すこし目が潤んでいるようですが、まさか自衛官の子としての私心が出てしまったわけではないでしょう。8月に社会保障と税の一体改革法を仕上げ、残されたお子さんたちが、国の支えで教育を受けて、成人したときに、「お父さんは日本国の自衛官だったんだ」と誇りを持って言える国へとしっかりと実績を残した野田さんですが、目が潤むような最高指揮官では、まだまだ「素志貫徹」への道のりは遠いとしか言いようがありません。

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野田総理は自民党総裁室だけでなく参院決算委にも押しかけるべきだ

2012年10月11日 19時06分37秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]自民党の安倍晋三総裁(右)をあいさつに訪れ握手する野田佳彦首相。首相は、赤字国債発行に必要な特例公債法案など懸案の処理に向け、公明党の山口那津男代表も交えた3党党首会談の開催を呼び掛けた=11日、国会【時事通信社】

 決められない政治の脱却に向けて、2012年10月11日(木)、ようやく政局は膠着状態から動き出しました。

 上の写真のように、民主党の野田佳彦代表(首相)、輿石東・幹事長、安住淳・幹事長代行、山井和則・国会対策委員長が自民党総裁室にかけつけ、安倍晋三・自民党総裁、石破茂幹事長、浜田靖一・国会対策委員長と顔合わせをしました。野田総理は、臨時国会の前裁きとしての党首会談を要請しました。安倍総裁は「分かりました。実り多い党首会談をよろしくお願いします」と述べ、両幹事長が段取りをはかることにしました。

 野田さんは9月21日に民主党代表に2選。安倍さんは9月26日に自民党総裁に当選(復帰)していました。そこで、野田さんが各会派周りをしているなかで、自民党だけ周われなかったので、きょう回ったことになったようです。安住代行が自民党の菅義偉幹事長代行と打ち合わせしたようです。ただ、これは珍しい光景で、首相が自民党総裁室に出向くというのは異例です。目に見える民主政治のためにも、国会の格式というのは大事ですが、この自民党総裁室は国会議事堂の中央部3階にあり、真下は国会内総理大臣室です。国会開会中の閣議前のアタマ取りが終わった後、首相らは向かって左側の部屋に入っていきますが、そのまた左の部屋にある総理大臣室の真上にあるのが自民党総裁室です。私が知る限りでは、ずっと昔から、自民党総裁室で、自民党役員会では、首相である総裁が冒頭だけ出席したり、ずっと出席したり、そのときにより様々な与党と政府の心あわせをしてきた場所です。総理大臣室の主が民主党代表となったこの3年間も、上の自民党総裁室では自民党役員会が開かれています。以前に比べれば、総裁が出席している時間は増えたでしょう。この部屋で印象に残るのは、役員会のときに、副幹事長が後ろの席に腰掛け、陪席(発言はせず、内容を共有)していることですが、閣僚経験者も含まれ、自民党の層の厚さを感じさせました。もちろん、それは1党独裁だったからで、これからは大臣ポストの期間は二大政党で半分になりますが、選挙で勝つために必死になるので、若くて人気のある閣僚未経験者が前列に座り、ベテランが副幹事長として後列に座る機会もあるかもしれません。安倍さんも青年局長として当選2期生で前列に座っていた経験もあり、自民党というのは非常に良くできたシステムだと感じます。

 衆参ねじれという新しい風景に、一つ加わったのが、総理が自民党総裁室を訪れ、自民党総裁と握手する姿。まったく見慣れない姿ですが、私はこういうのを面白いなあと感じます。

 もう一つ、ニュースがあり、参議院の野党8会派の国対委員長が会談し、参院決算委員会(山本順三委員長=自民党)、参院行政監視委員会(福岡高麿委員長=自民党)の閉会中審査を開き、復興予算の使い道(執行状況)について、審議することで合意したようです。

 第180通常国会の参議院は、脇雅史・自民党国対委員長が自らトップバッターで質問し、「内閣と内閣官房と内閣府はどうちがうか」という質問に、閣僚も内閣法制局長官もうまく答えられないというシーンからスタートしました。これは、「政治主導と官僚主導」に関して、マニフェスト以前の問題が民主党にあったことを如実に示しました。そして、おそらくこれを受けて、参院行政監視委員会では、古川貞次郎・元内閣官房副長官を招いて、「内閣官房と内閣府と総務省はどうあるべきか」について、経験を中心とした提言を聞きました。この委員会では、与党1期生が「私は仕分けを担当しているので~~」と持論を述べたのに対して、野党1期生が意見を聞くことに集中して、散会後に古川さんと名刺を交わして教えを請う姿がありました。この野党1期生の要請を受けて、野田首相が出張時に、その施設を訪れ、ニュースになりました。与党1期生は離党して、新党をつくりました。

  それはさておき、決算委はすでに平成22年度決算の審査を1回やれば、すぐに平成23年度決算に入れます。行政監視委員会もふだんから月曜日の同じ時間帯に委員会を開いて運営しています。決算委と行監委の閉会中審査には、呼ばれてなくても、総理はかけつけて答弁すべきでしょう。

 さらに、決算審査をする場合は、次は平成22年度決算の総括質疑になります。総括質疑は通例、NHK中継されています。こちらは参院なので安倍総裁のデビューは先送りですが、それなりに面白い議論が期待できるでしょう。

 8月29日(水)、参議院は小沢一郎氏にだまされたんです。「3党合意をした自民党を批判し、民主党代表の野田総理を問責する決議」なんて誰が得するんですか。この決議をなかったことにするわけにはいきません。ならどうするか。それは、臨時国会召集前に閉会中審査で、総理出席のもと、参議院らしく決算で集中的に審議することです。決算の審議ならば国政に関してはほぼすべてのことを議題にできるということになります。民主党でもない自民党でもない。衆議院でもない参議院でもない。国民がイチバン求めていることは、「脱小沢」です。決められる政治のために、総理は呼ばれていなくても、委員会室におしかけてほしいと思います。見慣れない光景も、最近では驚きではなく、新しい時代の幕開けと感じることの方が、なんとなくですが、多いように感じられることがしばしばです。

3党党首会談を呼び掛け=野田首相が安倍自民総裁に(時事通信) - goo ニュース

自民党の安倍晋三総裁(右)をあいさつに訪れ握手する野田佳彦首相。首相は、赤字国債発行に必要な特例公債法案など懸案の処理に向け、公明党の山口那津男代表も交えた3党党首会談の開催を呼び掛けた=11日、国会【時事通信社】

野党、参院委の開催要求へ=復興予算検証(時事通信) - goo ニュース

 

 自民、公明、新党「国民の生活が第一」など参院野党8会派の国対委員長らが11日、国会内で会談し、使途の一部が本来の目的にそぐわないと指摘される東日本大震災の復興予算を検証するため、参院の決算委員会などで閉会中審査を求めることで一致した。

 決算委のほか行政監視委、東日本大震災復興特別委でも閉会中審査を要求する。このうち、決算委と行政監視委は、自民党が委員長ポストを握っている上、野党委員が過半数のため、与党の同意がなくても開催が可能となる。

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衆議院決算行政監視委員会は平成【21】年度決算を閉会中審査すべきだ

2012年10月11日 14時22分40秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[画像]第180通常国会会期末に閉会中審査の採決をする新藤義孝・衆議院決算行政監視委員長(自民党)、2012年9月7日、衆議院インターネット審議中継

 衆議院決算行政監視委員長は、自民党にとって事実上唯一の衆議院常任委員長ポスト(ほかに懲罰委員長)です。きょう2012年10月10日(水)は、この秋、初めての閉会中審査となる「決算行政監視委員会行政監視小委員会」が立ちました(設定されました)が、過半数を占める民主党の欠席で定足数を満たさなかったようで、流会しました。議題は「復興予算の実施状況」ということで、平成23年度決算に関することです。同年度の決算書は臨時国会召集日に会計検査院が提出する見通しなので、それに先立ち「行政監視」の方を動かそうとしたということになります。

 第45期衆議院では、第2次野党期の自民党が同委員長ポストを一貫して務めていますが、新藤義孝さん(埼玉2区)が委員長になって以来、なんと決算審査をしていません。第179回国会の昨年11月24日(木)に平成21年度決算、12月8日(木)に平成22年度決算について、安住淳財務大臣(当時)、重松博之・政府特別補佐人(会計検査院長)から相次いで趣旨説明を受けただけです。

 その後、衆院先議の平成21年度予備費使用調書その1、その2(半年ずつ)、平成22年度予備費使用調書その1、その2は政府の支出を衆院で事後承認し、参院に送付。参院でも可決・成立(承認)しています。決算は参院でも審議を始められ、参議院決算委員会は、平成21年度決算を可決(是認)し、平成22年度決算も「準総括質疑」をしており、後1回だけ野田佳彦総理入りの「総括質疑」をすれば、本会議で委員長報告と採決ができる状態で、問責決議がされてしまい、継続審査になっています。これについては、自民党内の参院決算委員にも忸怩たる思いがあるようです。

 それにひきかえ、衆議院で平成21年度決算すらやっていないとは何事でしょうか。そして、平成23年度は戦後2回目となる4次にわたる補正をしながら、震災復興費用が9兆円ほど未執行に終わっているとされており、予算の見積り、執行の状況など、憲政史上最も大事な決算審査となります。衆参とも、平成23年度決算にすぐにでも取りかかれるための前裁きが必要になります。



 ところが、新藤委員長らは記者会見で、この「復興予算の実施状況の調査」をするとして、きのうの「小委員会幹事会」で小委員長職権できょうの会議を立てたようです。この「小委員会の幹事会」というのは知らなかったので、調べましたが、国会法・衆議院規則・衆議院先例集のいずれにも、定めがなく、慣例に過ぎない会議体のようです。

 これに関しては、二大政党の思惑がみえず、民主党側も人事異動などで経緯がよく分からずに反論している面があり、世論が混乱すると思います。

 ただ、客観的な事実。それは、現時点で、いまだに平成21年度決算の審査を終了していないということです。もちろん22年度決算も同様です。その一方で、衆院先議である「予備費の使用調書」に関しては、21年度、22年度とも、ぞれぞれ「その1(4月~9月)」、「その2(10月~3月)」とも参議院に送りましたが、同じ党の山本順三・参議院決算委員長が衆院側に抗議したことは、参院での会期末処理の際に、委員長から報告され、議事録に残っているところです。予備費は承認して、決算全体は承認していないというのは見栄えが悪いように思います。

 平成21年度決算は、自民党麻生内閣が組んで、(一般会計に限れば)戦後初の4月補正で14・5兆円増額し、政権交代して、鳩山内閣が減額も含めて補正したややこしい年度です。しかし、これで次の選挙で政権交代があれば、衆議院としての21年度決算審査は訳が分からないことになるのは間違いありません。これでは、自民党の安倍晋三総裁が「年内の早期解散」を求めていることとと矛盾していると私は感じます。

 そしてもう一つの客観的な事実。それは同委員会が決算審査をしないのに、6月11日に、石原慎太郎都知事や中山義隆・石垣市長を招き、「尖閣諸島における諸問題」と題した参考人質疑をしています。もちろん、参院では別々の決算委と行政監視委を一つにあわせた委員会だし、タイムリーでいいのですが、本業をちゃんとやるべきなのではないでしょうか。そもそも21・22年度決算の審査といっても、国政全般にわたることなので、そのなかで尖閣諸島の購入に関する質疑もできるはずです。

 第44期衆議院でも同委員長は野党ポストで、民主党の川端達夫さん、枝野幸男さんらが委員長を務めました。同委のしめくくり総括質疑はNHK中継されるのが慣例で、野党時代の民主党の衆院議員にとっては、委員長席に座っている姿がテレビで放送される唯一の機会でした。とくに枝野委員長は、自民党閣僚が立ち上がるのがちょっと遅れただけで、「速やかに答弁してください!!」と叱り付けているようにも見えました。枝野さんは、予算委理事として場内協議になったときも、見た目にはまったく分からないのですが、委員長ではなく集音マイクに向けてしゃべっているとされ、野党ながら情報発信に多大な功績をしました。民主党の第1次野党期最後となった第171通常国会では、閉会中の理事会で長時間ねばり、予算委員会のカメラの台数を増やさせ、映像の迫力が増し、「民主党に一度やらせてみよう」という世論に大きく貢献しました。

 国会版事業仕分けや尖閣諸島の参考人質疑は面白いし、
いいのですが、決算審査をしないことで、テレビ入り質疑を2回以上逃していることにもなります。あるいは、政府・与党が財務大臣らの時間的拘束を嫌がっているのかもしれません。決算審査の省別審査で、財務大臣の出席を義務づける必要もないのではないでしょうか。決算委は4つの分科会を設けて審査できることになっているので、4つの分科会を同時並行でやれば、閣僚の拘束時間も短くなります。

 閉会中審査で突貫工事で宿題を片づけるべきです。国難だからこそ正道の国会審議をすべき。それが私が健全野党自民党に求めていた姿なので、残念な思いです。


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もはや小沢ではない 最前列に民主党7奉行そろう 世代交代、受ける立場に 無私の心で突き進め

2012年10月02日 17時35分50秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]野田第3次改造内閣の記念撮影、2012年10月1日、首相官邸ホームページから。

 小沢一郎グループの離党後、初めての内閣改造となった野田第3次改造内閣で、記念撮影の最前列5閣僚が、民主党7奉行でそろう場面がありました。第1次民主党結党時の共同代表である鳩山由紀夫さん(第93代首相)、菅直人さん(第94代首相)、そして、9年前の民由合併で入党した小沢一郎さん(現・国民の生活が第一代表)ら「トロイカ」の時代から、世代交代を印象づけました。同時に、民主党7奉行が世代交代論の対象となり、受けて立つ時代となりました。民主党第1次与党期は民主党7奉行が政権を担い、いずれくる第2次野党期に一気に世代交代が進むでしょう。そのときは、1970年代生まれの会(細野豪志・政調会長、高山智司事務局長)や、あるいは2009年初当選の会まで時計の針が進み、40歳前後の代表(ネクスト首相)が生まれるかもしれません。そのためには、第46回衆院選の必勝か、あきらめずに第47回衆院選までしっかり活動するしかありません。

 ちなみに、wikipedia(ウィキペディア)には「7奉行の会」という項目がありますが、これは正しくなく、実際には「7奉行の会」という組織は存在しません。渡部恒三さんが次の7人を選んで「民主党7奉行」と名付け、玄葉光一郎さんが幹事役を務めて、「恒三さんの誕生日を祝う」「樽床さんの国政復帰を祝う」というきっかけに不定期に会食しているメンバーであり、組織ではありません。

 メンバーは次の7人です。

 野田佳彦 当選5回 55歳
 岡田克也 当選7回 59歳
 仙谷由人 当選6回 66歳
 前原誠司 当選6回 50歳
 枝野幸男 当選6回 48歳
 玄葉光一郎 当選6回 48歳
 樽床伸二 当選5回 52歳

 野田首相、岡田副総理、玄葉外相、前原国家戦略・経財相、枝野経産相、そして樽床総務相が初入閣しました。仙谷さんは閣外ですが、昔の自民党で言う闇将軍、キングメーカー的な存在となっています。

 世代交代はあがなえない権力闘争。世代交代を否定することは、人間社会を否定することです。吉田茂曰く「3000年いや4000年生きたい。しかし人はいつか死ぬ。しかし国は生き続ける」。民主党7奉行からの総理は、イチバン苦労した野田さんということになりましたが、その小沢一郎さんが去った後、民主党が遅ればせながら、政権担当できる布陣になりました。これまでの民主党は「小沢か反小沢か」でしたが、これからは、民主党7奉行がより若い世代を育てながらも世代交代論者との攻防が与党・民主党の活力となりそうです。

 もちろん、7奉行になれなかった人もいます。そもそも安住淳さんが入っていません。岡田さんの盟友で、枝野さんの同郷でお兄さん的存在の簗瀬進さんは落選し、来年夏の参院選で全国比例から国政復帰を目指しています。野田さんと前原さんは永田元衆院議員の重い十字架を背負っています。そういう選ばれなかった人たちの夢の続きを実現する使命を選ばれた人たちは背負っています。

 2012年10月2日(火)副大臣・政務官人事も発表されました。

 参院議員で新党きづなに対する刺客候補として衆院宮城2区に転出する(過去のこの選挙区で当選した経験がある)今野東さんが復興副大臣になりました。財務副大臣には野田首相の信頼が厚い武正公一さん、そして大久保勉さんが就任しました。民主党を代表する金融通の大久保さんですが、意外にも初めての政務三役となります。おそらく以前務めていた証券会社のストックオプションを大量に所有し行使することで多額の所得があったことから、政務三役になりづらかったのでしょうが、おそらくていねいにやって、満を持して財務副大臣になったのでしょう。財務大臣政務官には、2期生の柚木道義さんと1期生の網屋信介さん。このほか2009年初当選政権交代チルドレンの1期生は、総務大臣政務官に「礎会」を組織していた石津政雄さん、国交政務官に元農水省林野庁長官の川村秀三郎さん(追加公認)、経産政務官に民主党税制調査会(党税調)事務局長・衆議院社会保障と税の一体改革委員を務めた岸本周平さん、そして環境政務官に国民新党枠から中島正純さん(民主党で当選し、政治倫理問題で離党)。民主党の4人はともに、50歳以上で年長者と経歴で登用した格好になりました。中島さんは国民新党枠がはじめから決まっていました。政権交代チルドレンの中で、将来的に首相を狙っていると思われるメンバーでは、年齢や党の役職に配慮して岸本さんを登用したことになります。2010年初当選の参院議員からは、民主党では大野元裕さんが防衛政務官に起用されました。2007年初当選では、新生党34人衆の血をうけつぐ羽田グループの金子恵美さんが復興政務官となりました。来夏福島での厳しい改選に党を挙げて取り組み意思が明確になりました。風間直樹さんが外務政務官、梅村聡さんが厚労政務官になりました。ただ参院1回生については、専門的な知見のある議員がそのまま政務三役についていますが、この人事でもまだまだ、政務官が務まりそうな人材はかなりいて、全体的に政務官登用は遅れ、割を食った印象があります。

 2回生以上では、苦労した佐世保から出ている宮島大典(みやじま・だいすけ)さんが一体改革委員を経て、防衛大臣政務官に。危険をいとわず「反小沢」を唱えた村越祐民さんが外務政務官、2期生の糸川正晃さん(1期目は国民新党)が厚労政務官、議事進行係を務めている鷲尾英一郎さんが農水政務官となりました。また6月26日の一体改革法案に造反した3期生の村井宗明さんが文科政務官、2回生の橋本清仁さんが国交政務官となり、党残留をめぐって何らかの「手形」が切られていた可能性があります。

 認証官である副大臣では、参院議員の白真勲さんが内閣府副大臣に、生方幸夫(うぶかた・ゆきお)さんが環境副大臣になり、長年「反小沢」を唱えてきた人がようやく政務三役入りしました。政権交代直後に防衛大臣政務官になったものの、「当選回数からして副大臣ではないか」と指摘があった長島昭久さんが防衛副大臣、連続3回小選挙区で勝ちながら次回は維新の会との闘いを控える長安豊(ながやす・たかし)元・国交政務官が国交副大臣になるなど工夫がみられる人事となりました。

 もう少し、2009年初当選組が入るのかと思っていましたが、意外と少なかったです。ただ、第44期衆議院でも小泉チルドレンで政務三役に登用された人はだれ一人小選挙区で勝ち抜けませんでした。おういったことからも、世代交代はとにかく、第2次野党期になってから、そのためには逆風の守備戦で勝てる足腰をつけるか、連続当選しやすい選挙区に国替えするかしかありません。ですから、やっかみはまったく不要だし、すべては、第46回総選挙という「神の声(かみのこえ)」ならぬ「民の声(たみのこえ)」。ある意味で悩む必要のない楽な仕事です。民の声は絶対です。ただそれは、「第45期衆議院で民主党だったダレダレ」に対する「2013年何月何日」の小選挙区というマッチレースでの判定であり、人間として絶対的に評価されるわけではありません。ただ、少なくとも、「知名度がない」「顔を見たことがない」と言われると、守備戦を支える運動員はどっちらけになります。候補者不在の街宣車の中に乗って街を回れば、4年間何をしていたか、一発で分かります。まさに、泣くのが嫌ならさあ歩けとしかいいようがありません。

 遅すぎましたがようやくスタートラインについた内閣改造なんでしょう。もちろん、菅直人民主党最高顧問はこれからも長く衆議院議員を続けてがんばっていただきたいと考えております。

 ようやく脱小沢が完了しようとしています。一人一人には力があるんですから、それを引き出す体制をつくる。それが政治におけるすべてのスタートラインであり、政権交代のその先にある政治を国民の手に取り戻すことにほかなりません。見て見ぬふりをすること、政治に対して傍観者であることは国家と子どもたちに対する犯罪である、と私は考えています。

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人をつなぐ、心をつなぐ政治へ 田中慶秋法相(拉致相)誕生 野田さんの優しさ感じる第3次改造内閣

2012年10月01日 13時23分29秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]田中法相。

 野田佳彦首相は、第180通常国会の閉幕と代表再選をふまえて、内閣改造を断行。2012年(平成24年)10月1日(月)、(第1次)野田第3次改造内閣が発足しました。ひと言で言うと、心をつなぐ、心をくだく民主党が実現したかな。野田さんの優しさを感じる布陣です。政権交代ある政治のために長年苦労した人の労に報いる内閣。これは野田さんはよく分かっているなというメンバーです。

 野田総理は内閣改造の理由を「内閣の機能強化のため」としていますが、野党党首は「年内の(早期の)解散に追い込む」と一致したとの報道があります。野党党首もいい加減分かってほしいところです。

 ところで、2012年10月1日、米軍岩国基地から米海兵隊普天間飛行場に軍用輸送機(戦闘機ではない)「MV-22 オスプレイ」が移動しましたが、これは「ボーイング・ヘリコプター社」の製品で、このことがカギだし、ある意味すべてです。この件は別の機会に。

 それはさておき、民社協会から田中慶秋法相が入閣しました。民社協会会長として長年取り組んできた拉致問題担当相も兼ねます。連続当選7回で牧場主・世襲議員の小平忠正・国家公安委員長、城島光力・財務相が誕生し、古典的5省(法外財内防)のうち、3省(法財内)の大臣が民社協会となりました。「わが党は綱領をつくれ。その節は俺たちにやらせろ」の民社協会が、「2009年マニフェストの約束を守るために離党する」小沢グループとの仕分けられた結果です。頻繁な内閣改造に関しては、国民のみなさんに申し訳ない気がしますが、わが党がこれからも与党であれ、野党であれ政権担当可能な責任政党として日本を担っていくためには必要な改造であると同時に、国民を裏切った政治家を歴史の階段から転げ落とし、決められる政治で、歴史を前に進めるためには必要な改造でした。どうかご理解いただきたい。

 玄葉光一郎外相が続投し、日本からJAPANへと政府のあるべき姿を見せました。内閣官房長官には藤村修さんが続投し、大阪7区に帰って日本維新の会(大阪維新の会)に備えるよりも、野田さんを支えきり心中する道を選択しました。小沢グループとの仕分けで貢献し、政権交代後一貫して衆院常任委員長(文科、外務)を務めた田中眞紀子さんが文科相として民主党員として入閣。衆院財務金融委員が長い中塚一宏(なかつか・いっこう)さんが当選3回47歳で金融相や、内閣府男女共同参画局の担当大臣に抜擢されました。田中秘書軍団の伝統を受け継ぐ新生党秘書会青年部出身者では初めての閣僚になります。羽田グループ政権戦略研究会からは三井辨雄(みつい・わきお)厚労相が就任しました。ただ、三井さんって製薬会社社長だったと思うんですが、その辺はていねいに整理しているのか気になるところです。郵政改革担当大臣には、下地幹郎さんが就きました。内閣府の防災相も兼ねます。悪く言う人もいますが、政局センスにすぐれ、行動力のある素晴らしい方だと私は認識しています。延長国会以降、沖縄県選出でただ一人の与党議員となりました。下地さんは初当選後、2回連続で落選し5年間浪人した経験がありますが、国会議員資産等報告書で「自動販売機貸し出し業」の所得を計上しているおそらく唯一の国会議員で、根っから政治にのめり込める議会の子だと感じます。防災担当も兼ねるようで、下地防災相は頼りがいがあります。

 第46回衆議院議員総選挙の事務を扱う総務相には樽床伸二さん、環境相には日本新党代表室長出身の松下政経塾2期生で岡田克也幹事長の下、民主党財務委員長を担った長浜博行さんが入閣。長浜さんは政権交代後に厚労副大臣として、たばこ税の増税で国民の健康を確保しようとしたところ、税制調査会で「かえって減収になると困る」「地方の減収にある」など各方面からの意見に合い、与党らしくなりました。長浜さんの後任の内閣官房副長官には参院議員、芝博一さんが入り、衆参ねじれの連絡役として苦労することになります。岡田系はヘビーローテーションで人使い荒く使われまくっていますが、官職が高くなるので文句は言えまい。岡田副総理、羽田国交相、郡司農相らは続投します。

 午後5時からの皇居宮殿での天皇陛下の認証式を経て、正式に国務大臣になり、首相官邸に帰って、総理から補職辞令を受けます。 

 田中法相に関しては、きょうだけでもいくつか縁のあるところで動きがありました。故郷、福島県浪江町は、きょう役場を引っ越したそうです。3・11から1年7ヶ月、4度目の場所、二本松市内では2度目の場所になるそうです。浪江町民のみなさんには筆舌に尽くしがたい思いが続くことと拝察します。慶秋さんの入閣が少しでも勇気づけることになればいいな。

 また、これは思い出したくないところですが、リクルートが創業52周年ということで、リクルート・ホールディングスとしてグループ各社を再編したとのことです。年度後半のスタートである10月1日といえばこういった新聞のカラー全面広告で埋まっていた時代がありますが、きょうの新聞ではリクルート1社で、「社内ベンチャー」という斬新で活力ある、「入りたい会社1位」になったこともある同社の一人勝ちを感じました。小糸工業労組支部からゼンキン同盟(現在のJAM)の応援を受けて神奈川県議会議員を務めた慶秋さんは、1983年(昭和58年)の第37回衆院選で初当選。しかし、リクルート事件に巻き込まれました。リクルートの創業社長で「風雲児」江副浩正さんは安定株主対策として、本社がある神奈川で、自由主義野党の民社党の田中慶秋さんにリクルート・コスモスの株を買ってもらいました。これは法律上まったく問題なく、しいていえば、未公開株なので、一般の投資家には扱えないということもありますが、ちゃんとお金を払って手に入れた物です。しかし、自民党の悪狸が次々と無償でもらったり、政治献金を受けていたことを隠して答弁していたことが発覚し、五月雨式に、役職を辞任するという「明日は誰?」の恐怖が自民党を1年間覆い、竹下内閣総辞職の日まで続きました。このとき、舌鋒鋭く追及していた野党でも、民社党委員長(後に自民党入党)に続き、田中・国会対策副委員長も購入していたことを自ら発表し、道義的に謝罪しました。この件では、民社党から起訴者は一人も出ていません。ただ、中選挙区単記制の恐さで、「野党で、リクルートで、田中」にあえて投票する積極的動機は少なくなります。2回連続で落選し、中選挙区時代には国政復帰できませんでした。小選挙区でも郵政解散で落ちていますので、現在6期生です。

 ところが、慶秋さんは選挙区内のとくに、横浜市戸塚区では驚くほど日常活動量が多い人です。中小企業の集積拠点である戸塚では、野党時代から、中小零細企業の社長は田中事務所をとても頼りにしていました。戸塚の社長たちの間では、「田中けいしゅう」は一般名詞化しており、「あと、それから社長さ、田中けいしゅうの忘年会のときに話したあの件だけどさ・・・」という風に日常会話に頻出します。かつては、プロ野球球団を経営していた全国的に有名な大手食品スーパー、これも二代目の元社長がきょうの読売新聞で敗戦の弁を語っていましたが、今はイオングループによって再建・継続しているこのスーパーチェーンに置いてある和菓子はほとんどこの戸塚区にある会社がつくっています。この社長さんは大変すばらしい方。横浜市内の他区で会社を徐々に大きくし、戸塚区の中小企業工業団地に大規模な土地を調達して本社ごと転入し、最新鋭の技術を持った工場をつくりました。日経新聞横浜支局記者だった私は政治部出身でなかなか企業記事が書けなかったのですが、役所から「あの会社すごい」と教えてもらい、取材し、記事を書きました。その後、問い合わせが殺到し、引き合いも増えたそうです。しばらくして、会社を再訪すると、社長は私にこう言いました。「宮崎さんは命の恩人様だ」。いくらなんでも大袈裟です。そして、こう言いました。「宮崎さんのおかげでね、我が社もついに、新卒者を4月1日付で採用するような会社になりましたよ」。大学を3月に卒業した人を4月1日付で採用することが中小零細企業の社長の夢なんです。ステータス(社会的地位のあかし)なんです。社長は生まれてからきょうまでの歩みを私に話してくれました。その後、3人採用した新卒者、そういう人はたいてい社長室の扉を開いてすぐの近くの机に座っていますから、社長は私の手を引いて紹介してくれました。「ほら、宮崎さん見てください、そこで働いている彼女、ドコドコ大学を3月に卒業して、田中けいしゅう事務所の紹介で4月1日付で我が社に入社したダレダレです」。戸塚区では「新卒で」「けいしゅう事務所の紹介で」社員を雇う会社が、信頼できる会社のあかし。

 この会社、今久しぶりにホームページを見ましたが、不況に強い業種ですし、しっかりとした足取りで経営を続けておられるようです。

 このほか、バブル絶頂期に、税金と企業の協賛金をミックスさせた実行委員会で大成功し、全国的に地方博ブームを巻き起こし、大震災・戦災・航空貨物による劣勢から大復活をとげた横浜開港130周年(明治維新121周年)記念の横浜博覧会(YES'89)を担当した公務員は「いやー打ち上げで田中けいしゅう事務所の主催で川下りしたんですよ」と思い出を語り、「横浜八景島シーパラダイス(シーパラ)」では毎年恒例のイベントとして、5000人規模の「けいしゅう祭り」をどーんと開催しています。みなとみらいから八景島までヨコハマを縦横無尽に田中けいしゅう事務所は人と人の心をつないでいます。

 民主党にはみかけない政治家です。当然、悪く言う人もいます。弁が立つ人ではありません。イケメンでもありません。だけど、横浜のテレビに映らない地味な路地に「けいしゅう」が日常会話のまちがあります。

 拉致問題では国の外は明るくなってきましたが、むしろ国内がまとまらなくなりつつあります。そして、法相。いうまでもなく死刑執行という日本の刑法体系を守る上でもっとも重要な任務があります。前任の滝実法相は4ヶ月の間によくその職責を果たし、元内務官僚(自治官僚)、元自民党員らしい責任を果たしました。その大任に、心と心をつなぐ政治家が就きます。しかし、私は自民党政権の後藤田正晴法相が執行するよりも、けいしゅう法相の方が信頼できるように思います。それは心と心をつなぐ政治をしてきた人だと分かっているからです。民社協会というすばらしい仲間がいます。選挙区にも社長さんがいます。社長でなくてもいます。ふるさと浪江町には、今は人はいないけれども、心があります。やがて人も戻るでしょう。一人じゃない。74歳の最年長閣僚だからすべてを達観しているわけでもありません。みんながみんな支え合っているんだ。人と人、心と心の交差点。それがけいしゅうなんだ、政治家なんだ。

 野田第3次内閣は、最後の最後の最後まで見せてほしい。みんなの心を一つにして、第46回衆院選で、倒れるにしても、必ず前に向かって倒れましょう。

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◎二大政党人事 安住淳、菅義偉両代行に注目 安倍自民党は石破茂幹事長

2012年09月29日 11時37分05秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]二大政党党首。

 通常国会が9月8日まで延びたため、この9月は二大政党、各府省幹部にとっては大幅な人事異動の季節となりました。霞が関では斎木昭隆・外務審議官(外審)が登場しました。

 野田佳彦首相(民主党代表)は10月1日(月)に内閣改造を断行し、第1次野田第3次改造内閣が発足することになっており、国政の最大の人事異動である第46回衆議院議員総選挙に向けて、党の存亡をかけた、大反転攻勢に転じる構え。

 野田佳彦民主党代表は2012年(平成24年)9月28日(金)、幹事長に輿石東さん、幹事長代行に安住淳さん、政策調査会長に細野豪志さん、国会対策委員長に山井和則(やまのい・かずのり)さんを充てる人事を両院議員総会に報告し了承されました。 

 安倍晋三自民党総裁も同日、幹事長に石破茂さん、幹事長代行に菅義偉(すが・よしひで)さん、副総裁に高村正彦さん、政務調査会長に甘利明さんらを充てる人事を臨時総務会に報告し、了承されました。石破幹事長は、国会対策委員長に浜田靖一(はまだ・やすかず)さんを充てることを決めるとともに、総務会長は第45回衆院選時の幹事長だった細田博之さんが務めることになりました。

 自民党則(第13条)第84条では、役員の任期は1年間となっていますが、民主党の2012規約には、役員の任期についての定めは、ブロック選出の常任幹事を除けば、ありません。代表の任期は就任から3年後の9月末までとなっていることから、野田民主党役員は、野田佳彦総理と一蓮托生ということになるでしょう。

 
[写真]野田総理をささえる輿石東「一蓮托生」幹事長、筆者撮影。


[写真]新進党勢では初めて自民党幹事長に就いた石破茂さん。

 総務省は同日、平成23年(2011年)暦年分の政党交付金金途等報告書を発表しました。これによると、二大政党は党大会報告通り、第46回衆院選・第23回参院選に向けて、順調に政党基金を積み立てており、民主党(会計責任者・武正公一財務委員長)は2011年に168億円の交付金を受けながらも節約に努めて、2011年から2012年に110億円の基金を繰り越しました。自民党(会計責任者・石原伸晃幹事長)は2011年に101億円の交付金を受けながらも節約に努めて、2011年から2012年に21億円の基金を繰り越しました。二大政党は今年も同額の交付金を受け取りながらも、国政選挙がないことから、昨年末の数字を上回る内部留保をかかえていると思われます。ことし入った基金と会わせれば、二大政党が衆院選で300人ずつ、参院選で100人ずつ公認すると仮定すれば、民主党は公認候補一人あたり3000万円以上、自民党は1500万円以上の軍資金をすでに確保している計算になります。一方、7月11日に小沢一郎氏が結党した国民の生活が第一は現時点ではスッカラカン。来年4月19日に5億円強の政党助成金(血税)が支払われるはずなので、その前に、二大政党が「小沢根絶やし解散」に踏み切ることがクリーンでオープンな政治を実現するうえで、絶対に必要な判断です。


[写真]倹約に努め、110億円の基金をこしらえた民主党の武正公一会計責任者(党財務委員長、花斉会)。


[写真]現時点で軍資金がスッカラカンの国民の生活が第一では、小沢一郎代表、山岡賢次代行代行の資金力に1期生議員が不安を持っている。筆者撮影。

 衆参ねじれで注目度の高い国会となり、国会対策と選挙対策は車の両輪と言えるでしょう。その面で興味深いのは、幹事長代行に安住淳さん、菅義偉さんがそろったことです。第45期衆議院で安住さんは選挙対策委員長と国会対策委員長、菅さんは衆議院議院運営委員会野党側筆頭理事、自民党組織団体総局長を務めてきました。


[写真]安住淳・民主党幹事長代行。


[写真]菅義偉・自民党幹事長代行。

 安住さんは衆参ねじれの下、3党協議路線をつくり、第177通常国会の閣法成立率80%の好成績を挙げました。また若手に対して選挙指導をしたり、小沢国対がつくった班分けを踏襲しながらクラス替えして安住国対をつくるなど、チーム力を高めました。財務大臣に転出後も、大臣官房文書課をよく指揮監督し、知恵を出させ、第180通常国会で特例公債法案を成立させないことで野田総理を総辞職・解散から守りきるという離れ業(「淳と総理の神隠し」)で奇襲ながらも国を守りました。

 菅さんは、第2次野党期の自民党最前線部隊長として、議運でときに攻め、ときに守り、第22回参院選勝利など自民党再建への足がかりをつくりました。態度で示す公明党。10年間にわたる自公連立が下野でどうなるか注目されましたが、菅さんの攻撃力を見た公明党の議運理事(党幹事長代理兼務)が菅さんの両肩を持って「電車」の格好で議運理事室に入っていくなどよく信頼を得ました。その後、組織団体総局長として県連、支持団体の党への協力態勢を堅持しました。ただ、総裁選で、県会議員など党員投票で圧勝した石破茂さんが、決選投票で安倍晋三さんに逆転されたことから、中核部隊に不満が募ったことから、295小選挙区の2割以上を占めるであろう「二大政党が1万票差のマッチレースの選挙区」で粘り腰が利かなくなるかもしれません。

 安住代行、菅代行とも、選対、国対から報告を受け作戦を共有しながら、党首・幹事長の意向も反映するという、いわば、同日引退を発表したスーパーキャッチャー城島健司のような守備力・攻撃力・機動力が求められます。この辺は、ぜひ、番記者のみなさんは歴史の証人として意気込んで、よい記事をどんどん書いてほしいと思います。断片的なベタ記事をドンドン出していただきたいですね。

 自民党は河村建夫・選対総局長の続投を決定しました。一方、民主党選挙対策委員長の高木義明さん(民社協会)の続投を含めた人選は、野田代表と輿石幹事長に一任され、来週の内閣改造・副大臣・政務官人事に前後して決定することとなりました。

 
[写真]河村建夫・自民党選挙対策総局長。


[写真]高木義明・民主党選挙対策委員長(続投は未決定)。

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秋の臨時国会は召集されるのか 

2012年09月17日 08時31分41秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散


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松下忠洋大臣力尽く 政権交代3年間政務三役、「原発」副大臣→「復興」副大臣→「金融」大臣

2012年09月10日 19時14分10秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

 松下忠洋大臣が力尽きました。

 国民新党公認・民主党推薦で鹿児島3区で得票率56%で国政復帰。当選5回生ということで閣僚適齢期になりました。

 鳩山内閣発足と同時に、経済産業副大臣に。政権交代からきょうまでの3年間、ずっと内閣・政務三役を務めているのは松下さんを含めて2人しかいません。

 経産副大臣として「3・11」を迎えて、原発担当に。そして、復興副大臣を兼務。待望の初入閣は金融担当大臣(兼)郵政改革担当大臣となりました。

 おとといまでの229日間にわたる第180回国会のさいちゅうの2月10日に復興庁が発足しました。5月30日の衆議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会で、復興交付金について「前回は査定庁と酷評されました。今度は真骨庁(真骨頂)と褒められました。三回目は絶好庁(絶好調)だ、こう言われて、どうしようかと思っているんです」と答弁し、野党から「絶好庁はちょっとやはり言い過ぎではないか、悪乗りすると後が大変かなと思っております」と叱られました。

 原発、復興、金融・・・この連鎖のなかで、3年間走り続けた松下大臣。物事を最後まで責任を持って仕上げない民主党議員を見るにつけ、松下大臣は責任感を持つすばらしい政治家だったと考えます。さすがは自民党出身者だ、さすがは経世会(平成研)出身者だと感じます。

 私はこのブログで、民主党・国民新党政権で、75歳未満の政治家が一人も亡くなっていないと指摘しましたが、その直後、国民新党の73歳の現職閣僚が旅立ちました。

 これが政治なんですよ。政治家は命懸け。その言葉をかみしめています。

 これで、鳩山内閣発足以来、ずっと内閣・政務三役を務めている政治家は、野田佳彦さん(千葉4区、財務副大臣→財務大臣→総理大臣)ただ1人となりました。

 流星

 門にたち出でたゞひとり

 人待ち顔のさみしさに

 ゆふべの空をながむれば

 雲の宿りも捨てはてて

 何かこひしき人の世に

 流れて落つる星一つ

 島崎藤村『若菜集』より。

 なお、10月28日(日)に衆議院鹿児島3区補欠選挙が行われる見通し。

 松下忠洋(Matsushita,Tadahiro 1939-2012)

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◎胸が引き裂かれそうな新進党勢鼎立 第17回代表選、野田、赤松、原口、鹿野4候補競う

2012年09月10日 11時33分47秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]第17回代表選挙に立候補した野田佳彦候補、赤松広隆候補、原口一博候補、鹿野道彦候補。

 まさに胸が張り裂けんばかりの思いです。

 「与党らしい規約」である2012規約が初めて適用された、わが党の第17回代表選は2012年9月10日(月)、中央代表選挙管理委員会(柳田稔委員長)によって告示されました。国会議員にくわえて総支部長、地方議員、党員、サポーターも参加する定期代表選で、2012規約により任期は「就任3年後の9月30日」すなわち2015年9月30日までの3年間余り。第46回衆院選を闘う顔になります。

 立候補者は、総理の野田佳彦候補(千葉4区)、元農相の赤松広隆候補(愛知5区)、元総務相の原口一博候補(佐賀1区)、前農相の鹿野道彦候補(山形1区)の4候補で、わが党も多士済々になってきたなと万感の思いを持ちます。

 残念ながら、野田さん、鹿野さん、原口さんと新進党勢(1994年12月結党、1997年12月解党)が3人立候補してしまう展開となりました。新進党勢鼎立は第1回新進党党首選に海部俊樹候補(当選)、羽田孜候補、米沢隆候補の3人が立候補して以来ですが、これは結党前の選挙でした。結党後では、初めての新進党勢鼎立となってしまいました。これは民自公3党協議体制でなければ、法案が一本も通らない国会情勢から、公明党とのパイプが太い新進党勢が勢いを増しているからと思われます。

 それにしても、なぜ新進党勢はもっと仲良くできないのでしょうか。残念です。

 オリミン(1996年9月結党)メンバーとしては、日本社会党書記長だった赤松候補が経つことになり、赤松票が、社会党・オリミン・リベラル勢力の第1次与党期における党内での影響力の指標となりそうです。赤松さんは、1期生の自分を野党第1党ナンバー2に抜擢してくれた、山花貞夫・元日本社会党中央執行委員長の息子である、山花郁夫・衆院議員と立候補記者会見をしました。赤松グループ「サンクチュアリ」の会長で、ことし5月11日の会合では1990年衆院初当選同期(90=きゅーまる)の輿石東民主党幹事長が出席。幹事長会見によると、「最後に赤松さんから、幹事長の個人的な考え方でいいから、今選挙をやるべきと考えているかと、こういう質問にお答えをして、ずっと私が言い続けていることを繰り返したことですね。今すぐ解散する状況でもないし、できる状況でもない。とすれば、参議院は来年の7月が任期満了になる、衆議院も任期までといえば8月になる、そういうことでしょうと。今はその任期いっぱい、みんなでやらなければならんことをきちっとやっていく、それに全力を尽くしていくということだと。「そうなれば、じゃあダブル選挙ということも考えられますね」「そうですな」と、こういうやりとりですから。これは普段ずっと私が言い続けていることを言ったということですから、それ以上でも以下でもないと思っています」との脱線発言が飛び出しています。なお、赤松さんは日本通運社員(全日通組合員)時代にパーサーとして搭乗した日通航空機がハイジャックにあい、ハイジャック犯と渡り合ったという武勇伝があります。

 赤松さんは社公民路線の牙城である、愛知県選出。愛知県では、公明党の石田幸四郎委員長が、社会党だった草川昭三さん(現・参議院総務委員長)と選挙協力したり、社公民路線発祥の地といってもいいくらいの場所です。民社党の春日一幸委員長・塚本三郎委員長コンビも愛知県ですから、自公民路線・社公民路線とありましたが、いずれにしろ、「公民」はいつも一緒でした。

 この代表選は4候補が政策よりも、公明党との近さを競う選挙になりそうです。

 もはやトロイカでなければ、もはやオリミンでもありません。もちろん、もはや民主党7奉行でもありません。

 これから中期的には、与党であれ、野党であれ、公明党、自民党との3党協議路線を進められる人が参議院選挙制度の抜本改革がない限りは続くことになるでしょう。

 ところが、任期が2015年9月まで延長されましたが、新代表は第46回衆院選で敗北した場合は、辞任し、臨時代表選になります。選挙に負けたのに党首が居座ったため遠心力が党内に内包され逆に離党者がボロボロと出てしまったのが新進党の教訓です。野党第1党で3年間、小沢一郎は常に幹事長か党首の座に居座りましたが、一人また一人、あるいは太陽党がどんどん離党していきました。その点、谷垣禎一総裁が権力の亡者である自民党国会議員に加えて、支部長からの離党者を、県連内のトラブルによる離党(近く復党)や支部長の選挙区事情によるたちあがれ日本への移籍を除けば離党者を出さずに党をまとめたのはすばらしい実績であり、総裁選不出馬は栄誉ある撤退です。二大政党史に残る大きな功績です。

 ということは、次の代表選は早ければ11月にもあるかもしれません。この野党・民主党の代表(2012規約第10条にもとづくネクスト首相)の選挙が仮にあったら、細野豪志さんが最有力だったと思います。細野さんが野党代表として月曜日に国会で論戦し、平日も含めて47都道府県を回る。先輩を幹事長にすえて、各種団体とのパイプ役と国会対策を任せる。口うるさいベテランはネクスト・キャビネットに鎮座ましましてもらう。第2次野党期においては、もはや新進党でもないもはやオリミンでもない細野民主党がもっともうってつけの体制で、第47回衆院選での政権獲得に向けて民主党の持てる資源を最大限に引き出せたでしょう。どういうわけかフライングが起きてしまい、最有力候補から一気に転落しました。なぜ我慢できなかったのでしょう。側近議員のうち、小川淳也さんは地元活動が不足していると以前から指摘されているほか、二人三脚で活動してきた参院議員が1次公認から外れる事態となり、自分の選挙を最優先に考え、判断を誤ったのでしょう。が、あの中には英国留学歴がある議員もいるんですよ。ブレアやキャメロンが党首になった背景を調べておけば、それくらい分かりそうなものです。ましてブレアもキャメロンも閣僚経験無しに党首、首相になっています。あまりにも先の展望に欠いているとしかいいようがありません。猛省すべし。

 ちなみに、わが党が国政選挙で最も多くの落選者を出し、議席占有率も減らした第44回衆院選(郵政選挙)の民主党選挙対策委員長は、自身は小選挙区で勝ち残ったものの責任をとり辞任。ところが次の執行部では幹事長代理を務めています。メンバーが減ったのでやりくりがつかないわけです。だから、民主党非主流派は残り1年未満の任期なので、代表選で頑張るよりも、地元で頑張り、何が何でも勝つないしは惜敗率を高く積み上げる。そして、第2次野党期になれば、自然と浮上します。ダメな上司が落選して消えてくれるんだから、国会や政党というのはうらやましい限りの働きやすい会社ですよ。

 民主党代表の投開票は21日(金)。自民党総裁は26日(水)に決まります。

 総理大臣の選択権を国民の手に取り戻す。取り戻すというよりも、普通選挙以降で考えれば、初めて手にすると言っても過言ではありません。それが現実となる実りの2012年秋となりそうです。

 「野田圧勝」で民主党内を一枚岩にして、第46回衆院選での国民の選択肢を明確にしましょう。社会主義者とリベラル思想者の残党を掃討し、わが党が健全なる保守・新しい自由主義政党であることを明確にしましょう。衆参民自公が一丸となって、新進党を解党した小沢一郎の息の根を止めましょう。

 その大事な一歩です。 

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