flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

豊田水源古墳群

2008-02-19 00:00:21 | いにしえびとの睡

(愛知県豊田市 1991年2月19日踏査)
 この日は、矢作川左岸室町から、完成間もない山室橋を渡り、右岸平和町の丘陵上に存在する「岩鼻古墳」を訪れた。辺りは雑木林に覆われ、僅かな地面の盛り上がりで確認するしかないが、6世紀に築かれた円墳で、直径16m,高さ0.8mであり、埴輪を有している。(トップ写真は遠景)
(岩鼻古墳 北側から)
 岩鼻古墳から水源町を南西に進むと、地図上で見る地形と大きく異なっていることを感じた。急激な都市化が進み、新切3号墳はガソリンスタンド、新切東B遺跡は宅地化、水源山南古墳は道路築造により滅失し、小猿投遺跡は宅地化、池ノ表古墳は墳丘周囲が造成工事の最中であった。
 (池ノ表古墳)
 更にに進むと、河合町に差し掛かる。この地には付近で唯一、明確に確認できる豊田大塚古墳があり、直径30mの円墳で、高さ3.5mの二段築成であり、周濠を持っている。昭和38年の発掘調査によって、竪穴式石室と、撥形の横穴式石室が検出され、内部から鉄刀、馬具、装飾品の玉類多数と、「器台付四連坩」と称された須恵器が見つかっている。(石室は保護舎が設けられている)また、「蜂巣状多孔頭円筒埴輪」という特殊な埴輪も検出された。これら遺構、遺物から6世紀初頭の地域の権力者の墓とみられている。
  (左側は、「蜂巣状」埴輪片)

コメント
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