田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

旭山動物園小菅名誉園長トークショー

2009-04-05 22:12:28 | 講演・講義・フォーラム等
 しっかりした理念の下、動物園を運営し現在の旭山動物園の隆盛を築き上げた秘密を垣間見た思いがしたトークショーでした。

 昨日投稿した武田鉄矢さんのトークイベントがあった4日(土)にもう一つのトークイベントがありました。
 紀伊国屋書店札幌本店4周年記念イベントとして、3月に旭山動物園を定年退職され名誉園長となられた小菅正夫さんのトークショーが紀伊国屋書店のインナーガーデン(こちらです)で行われました。
        
        ※ 写真撮影は禁止ではなかったので、安心して撮りました。

 インナーガーデンに溢れんばかりの聴衆を前にして、小菅さんはユーモアたっぷりに札幌における少年時代のご自身の動物たちとの触れ合いを語ってくれました。
 少年時代を語って聴衆の心を鷲掴みにした後、いよいよ小菅さんの真骨頂、旭山動物園での日々の一端が語られ始めました。

 旭山動物園は「人と野生動物の共生」が基本的なテーマだそうですが、他の動物園と違った取り組みとして最初に取り組んだのは、自然界の中で傷つき、怪我をした動物たちを健常な動物と一緒に展示したことだそうです。いわゆる動物園の中でノーマライゼーションを実現したということでしょうか。
        
        ※ 自らの取り組みについて熱く語る小菅さんです。

 そして小菅さんの最後の仕事となった「オオカミの森」の完成は、小菅さんの思いを結集した施設だったということです。
 小菅さんは言います。「オオカミほど人間に誤解され、偏見にさいなまれている動物はいない」と…。「それはすべてヨーロッパからの伝播である」と言います。(詳しい訳は割愛します)
 しかし日本では古くから「狼はケモノ偏(へん)に良いと書く。つまり良い獣なんです」「狼は昔から大神とも呼ばれ、豊作の神とも称されていた。それが今では憎き獣として扱われている」と…。

 そして旭山動物園で飼育されていた二匹のつがいの狼(ジョンとリカ)の、夫婦のきずな、飼育員とのきずな深さを感動的に語ってくれました。
 旭山動物園の「オオカミの森」をたくさんの人に見ていただき、野生動物に対する人間の誤解と偏見を解いていきたいと小菅さんは語り、これからも旭山動物園のサポーターとしてお役に立っていきたいと結びました。
        
        ※ 狭い会場は小菅さんの話を聴く人で埋まりました。

 小菅さんのお話に心が温かくなるのをおぼえたトークショーでした。