UHB放送のU型テレビなどのコメンテーターとしてお馴染みの元ジャーナリスト上杉隆氏は、肩書の“元”にこだわるという。そこには上杉氏のジャーナリストに対しての深い失望があるという…。

12月10日夜、エルプラザホール(北区北8西3)において「メディアと原発の不都合な真実」と題する上杉隆氏の講演会があり聴講した。
上杉氏は次の二つの理由から、自らをジャーナリストと名乗るのを止めたという。
一つは、3.11の震災当日、当時の勝又東電会長は大手メディアの幹部や有名マスコミ人を東電が招待して中国へ行っていたという。こうした癒着体質にあるマスコミが原発事故の真実に迫る報道などできないと言い切る。つまりジャーナリストとは真実を報道できない人種だと上杉氏は指摘する
二つ目の理由は、震災時に米国は大統領令で軍人は80Km圏外へ、一般人は200Km圏外へ、さらに婦人・子どもはチャーター機で国外に避難させる命令を発していたが、こうした事実を大手メディアは伝えようともしなかった。その上、日本の大手メディアは現地に入ろうともせず、安全なところにいて政府発表の“安全情報”を垂れ流し続けた。実際にはフリーランスの記者たちが現地に入って放射能を測定すると計器の針が振り切れるほどの放射能濃度を記録していたという。上杉氏によると、これではジャーナリストは犯罪行為を行っているに等しいと言う。
そこで上杉氏はジャーナリスト的な活動はその後も行っているのだが、敢えて“元”ジャーナリストと名乗ることにしたという。
上杉氏は講演の冒頭で国連が作成したというチェルノブイリ事故から26年が経過した現在のヨーロッパの放射能汚染地図を示した。
それによると、南ドイツで捕獲されるイノシシはいまだに口にできないという。また、イタリア中部山岳地帯で採れるキノコもまだ出荷停止措置が取られているそうだ。さらにはイギリス・マンチェスター付近の牛から採れるミルクも出荷停止になっているという。
こうした事実は日本国内においてほとんど報じられていない。
上杉氏の話を聞いていると暗澹たる気持ちになってくる。
上杉氏の話があまりにも衝撃的だったので、帰宅した後、上杉氏の評価についてネット上で少し調べてみた。
すると予想してはいたが上杉氏をパッシングする記事が目立った。曰く、上杉隆の盗用騒ぎ、上杉隆の嘘、上杉隆のデマや怪しい発言、等々…。これらは上杉氏が激しくメディアを追及することへの反作用としての反応だろう。
この上杉氏の話をどのように受け止めたら良いのか。私は昨日、今日と考え続けた。
いまだ確たる答えが見つかったとは言い難いが、上杉氏の話に自説を強調するあまり多少の誤謬や事実誤認があったとしても指摘していることに大きな誤りはないと考えたい。でなければ大手メディアを向こうに回して論陣を張ることなど不可能なことだからだ。
したがって私は、福島原発の事故は私がこれまで理解していた以上に深刻なもので、これからも相当に長くその影響が残るらしいと私の考えを軌道修正せざるを得ないと思った。
「福島原発事故」に対する見方には国外と国内ではかなりの温度差があるようだが、これはメディアの報道姿勢の違いなの?

12月10日夜、エルプラザホール(北区北8西3)において「メディアと原発の不都合な真実」と題する上杉隆氏の講演会があり聴講した。
上杉氏は次の二つの理由から、自らをジャーナリストと名乗るのを止めたという。
一つは、3.11の震災当日、当時の勝又東電会長は大手メディアの幹部や有名マスコミ人を東電が招待して中国へ行っていたという。こうした癒着体質にあるマスコミが原発事故の真実に迫る報道などできないと言い切る。つまりジャーナリストとは真実を報道できない人種だと上杉氏は指摘する
二つ目の理由は、震災時に米国は大統領令で軍人は80Km圏外へ、一般人は200Km圏外へ、さらに婦人・子どもはチャーター機で国外に避難させる命令を発していたが、こうした事実を大手メディアは伝えようともしなかった。その上、日本の大手メディアは現地に入ろうともせず、安全なところにいて政府発表の“安全情報”を垂れ流し続けた。実際にはフリーランスの記者たちが現地に入って放射能を測定すると計器の針が振り切れるほどの放射能濃度を記録していたという。上杉氏によると、これではジャーナリストは犯罪行為を行っているに等しいと言う。
そこで上杉氏はジャーナリスト的な活動はその後も行っているのだが、敢えて“元”ジャーナリストと名乗ることにしたという。
上杉氏は講演の冒頭で国連が作成したというチェルノブイリ事故から26年が経過した現在のヨーロッパの放射能汚染地図を示した。
それによると、南ドイツで捕獲されるイノシシはいまだに口にできないという。また、イタリア中部山岳地帯で採れるキノコもまだ出荷停止措置が取られているそうだ。さらにはイギリス・マンチェスター付近の牛から採れるミルクも出荷停止になっているという。
こうした事実は日本国内においてほとんど報じられていない。
上杉氏の話を聞いていると暗澹たる気持ちになってくる。
上杉氏の話があまりにも衝撃的だったので、帰宅した後、上杉氏の評価についてネット上で少し調べてみた。
すると予想してはいたが上杉氏をパッシングする記事が目立った。曰く、上杉隆の盗用騒ぎ、上杉隆の嘘、上杉隆のデマや怪しい発言、等々…。これらは上杉氏が激しくメディアを追及することへの反作用としての反応だろう。
この上杉氏の話をどのように受け止めたら良いのか。私は昨日、今日と考え続けた。
いまだ確たる答えが見つかったとは言い難いが、上杉氏の話に自説を強調するあまり多少の誤謬や事実誤認があったとしても指摘していることに大きな誤りはないと考えたい。でなければ大手メディアを向こうに回して論陣を張ることなど不可能なことだからだ。
したがって私は、福島原発の事故は私がこれまで理解していた以上に深刻なもので、これからも相当に長くその影響が残るらしいと私の考えを軌道修正せざるを得ないと思った。
「福島原発事故」に対する見方には国外と国内ではかなりの温度差があるようだが、これはメディアの報道姿勢の違いなの?