田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

世界のリーダー交代を考える アフリカ編

2012-12-15 23:35:50 | 大学公開講座

 アフリカ各国は植民地支配から脱却して日が浅いということが大きな理由だろうと思われるが、各国ともまだまだ矛盾と混沌の中にいる、と言わざるを得ないのが実状のようだ。アフリカの政治状況の解説を聞いた。
 

 北大の公開講座「世界のリーダー交代を考える」第3講はこれまでの1・2講とは趣を変えてリーダー(指導者)の交代について考察するというよりは、アフリカのおかれている政治状況についての講義であった。
 講師は北大メディア・コミュニケーション研究院の鍋島孝子准教授が務められた。

 そもそもあの広大なアフリカ大陸の政治状況(54の独立国がある)を一口で説明するということ自体無理な話だと思われるのだが、鍋島氏は敢えてそのことに挑んだと云えるかもしれない。
 鍋島氏の話は多岐に渡り、そのうえ難解を極め、私には正直言って理解できない部分もたくさんあった。そのことを踏まえたうえで、私が理解できた部分のみをレポートしてみたい。(かなりの誤解もあるかもしれないが…)

 アフリカの各国がヨーロッパ各国の植民地支配から独立し始めたのは1950年代末から1960年代のことである。
 その独立を主導し、独立後に権力を握ったのは各国におけるエリートだった軍人たちであったという。彼らは権力を握ると、公的な地位を使って自らの、あるいは氏族、民族の利益を得ることに奔走したという。汚職や横領が蔓延しているのもアフリカ政治の特徴の一つのようだ。
 アフリカ各国の国名を見てみると、そのほとんどが「共和国」と称している。つまり民主主義を標榜しているのだが、その内実はほとんどの国が独裁体制になっているという。その状況が国によって多少綻びつつあるというのが現在のアフリカの状況とも云えるかもしれない。

 また、アフリカにおいては部族間同士の争いも深刻である。ときには国家間を跨いだ形で部族紛争が勃発することがある。
 私は以前からアフリカの地図を眺めていて不自然に思っていたことがあった。それは国境線が不自然に直線に引かれているようなところが多かったからだ。この原因は、植民地時代に旧宗主国が勝手に線引きしてしまったものがそのまま国境線となってしまったことによるそうだ。したがって、国境を跨いで同じ部族が違う国民となってしまっている状態も生じているという。こうしたことが、国内における部族間紛争、国境線をめぐる部族紛争などを引き起こしているという。

 以上、ほんの概括的にアフリカの政治状況をレポートしたが、講義はこの後、四つの国々を例にして具体的な状況を簡単に説明してくれた。それによると…、

 《ジンバブエ共和国》は、あの悪名高き(?)ロバート・ムガベ大統領が1980年に権力を握って以来、現在まで独裁政治を続けて権力の座に座りづけている。反対勢力への暴行・虐殺・拉致などが常態化するなど深刻な状況が続いている。

               
               ※ ロバート・ムガベジンバブエ共和国大統領

 《ケニア共和国》は、2002年に選挙で大小の政党をまとめて勝利したムワイ・キバキが大統領に就任した。しかしキバキ氏が自民族(キクユ人)優遇政策を取ったために反対勢力と衝突した結果、大統領権限に制約が加えられたものの今なお大統領の座に座り続けている。ただ、ケニアでは反対勢力も健在のようで三権分立が強化されるなど、ジンバブエよりは民主化の道を歩み始めているようである。

               
               ※ ムワイ・キバキケニア共和国大統領

 《チュニジア共和国》は、1987年の無血クーデター以来、ベン・アリー大統領がその座に座り続けたが、2010年に湧き起った「アラブの春」の大統領退陣要求のデモが続く中、翌年にはその座を追われ、国会議員選挙を経て連合政権が出来上がり、ムンセフ・マルズーキー氏が大統領に就任した。

               
               ※ ムンセフ・マルズーキーチュニジア共和国大統領

 《エジプト・アラブ共和国》は、1981年以来ムバラク大統領が約30年間にわたる独裁体制を敷いていたが、ムバラクもまた「アラブの春」の大統領退陣要求の前に退陣を余儀なくされた。そして今年、大統領選挙でムハンマド・ムルシー氏が選出されたが、憲法改正を巡って反対派からの突き上げが激しく断念したと伝えられるが、果たして今後どのように推移していくのであろうか?

               
               ※ ムハンマド・ムルシーエジプト・アラブ共和国大統領

 と以上四つの国を見てきたが、アフリカ各国において国の政治の民主化はまだまだ遠いというのが実感である。
 アフリカばかりでなく、アジアにおいても民主化の遅れが懸念される国はたくさんあるようだ。
 狭くなったと言われる地球である。各国間の交流を今以上に活発化させることによって世界の国々の民主化が進展することを願いたいものである。

 フーッ、今回のレポートは難しくて、疲れたぁ~。