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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

ようこそ!ヘルスサイエンスの世界へ

2016-11-04 21:28:18 | 大学公開講座
 という公開講座があり、主として高齢者医療に関する内容だと聞いて参加してみることにした。確かに高齢者を対象とした医療最前線のお話だったのだが、公開講座と銘打ったものの、やや専門的過ぎたきらいがあり私の理解が十分には及ばない内容だったのが残念だった。 

                    

 11月3日(木)午後、北大大学院の保健科学研究院が主催する表記のような公開講座が開催された。
 テーマは、①「老化を画像検査で見る」、②「高齢者の運動習慣によるヘルスプロモーション」、③「伝統社会で暮らす人々のライフスタイルと健康」という三つの講座からなっていて、私にも興味深いものに思え受講してみることにした。

 各講座の講師は、①が医用生体理工学分野の加藤千恵次教授、②が機能回復分野の前島洋教授、③が健康科学分野の山内太郎教授という方々だった。
 各講座の持ち時間が50分間と短かったために、講師の方々は時間に追われていたのかもしれないが、ともかく提示される資料が多く、また専門的なワードを使われるため、素人の私にはなかなか理解できないところがあったのが残念だった。
 その中から、私が理解できたことについてのみレポしてみることにする。

 加藤教授の「老化を画像検査で見る」という講座では、膨大なレントゲン、CT、MRIなどの写真を見せられた。それぞれの機種や病名についてはまったくと言ってよいほど記憶に残らなかったが、脳の老化や、癌の進行など、は画像検査において相当な精度で確認することができるようになったということだ。
 私のメモでは「RI検査によって認知症の区別が可能」とあった。
 認知症ばかりでなく、現在では腰痛、関節痛などの老化も画像検査で判断でき、それに対応することが可能とのことである。
 問題は、新しい機器による検査料が高額であるということだ。(保険制度が適用されない)

 前島教授の「高齢者の運動習慣によるヘルスプロモーション」は某地域を対象とした運動習慣と老化の関係についての報告はまだ理解できたのだが、講義の後半の運動習慣が老化を遅らせるという証明ための論考は私にとってちんぷんかんぷんだった。
 研究者同士の意見交換には有効かもしれないが、私たち一般市民の立場からすると各種データを次々と提示されたとしても、それを理解することはほとんど不可能ではと思ったのだが…。
 ただ、高齢者による運動習慣が、高齢者のQOLを高めることについては、これまでさまざまなところで聞いてきたことに違いはないということだけは理解できた。
 運動習慣ねぇ…。意識しなくちゃ…。

 最後の③山内教授の「伝統社会で暮らす人々のライフスタイルと健康」は、世界各地で暮らす地域の人々の生活を写真で紹介してくれるもので、受講していても楽しかった講座だった。
 山内教授は数多くの開発途上国の人々の暮らしを観察し続けているという。
 その中から、途上国には一国の中で矛盾した健康問題を抱えていることに直面したという。それは、伝統的な生活をしている農村部では栄養欠乏とか、成長不良という問題を抱えているが、一方都市部では肥満とか、成人病という問題に当面するという矛盾を抱えているとのことだった。

               
               ※ 講座が開催された北大の保健科学研究院の建物です。

 ヘルスサイエンス…、そのまま訳すと「健康科学」ということになる。健康維持・健康増進・病気予防などを目的とした科学分野ということだが、高齢化社会を迎えた今、この分野の研究が注目されてくると思われる。その成果を高齢者、あるいは一般市民に理解してもらうための手法について、関係者には少しだけ工夫していただけると嬉しいのだが…。