田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

直行さんのスケッチブック展

2016-11-07 19:24:44 | イベント
 直行さん、こと坂本直行は開拓農民という顔を持つ一方で、山岳画家として高名な方である。坂本直行氏の名を一段と高めたのが、帯広の銘菓「六花亭」の包装紙のデザインを手がけたことである。その坂本氏の展覧会を覗いてみた。 

                    

 昨日、11月6日(日)午後、北大総合博物館で「直行さんのスケッチブック展」が開催されていると知り訪れた。
 リード文でも触れたように、一般には「六花亭」の包装紙にデザインされた野の花を描いた印象的な絵が誰の記憶にも残る坂本直行氏の作品展である。
 しかし、本当の彼は北大在学時に山岳部に所属し、山をこよなく愛した人で、当時は山の仲間とともに版画などを制作していたようだ。(展覧会には、それら版画作品も展示されていた)

                    
                    ※ ご存じ帯広の銘菓「六花亭」の包装紙です。

 卒業後、幾多の変遷を経て、1936(昭和11)年、十勝の原野に一介の開拓者として入植し、過酷極まりない生活を送ったという。そうした中でも、原野の草花を慈しみ、はるか日高連峰に憧憬の視線を送ることで、彼の中に眠っていた絵心がくすぐられスケッチせずにいられなくなったようだ。

                 

 極貧の生活の中でも山心は衰えず、二度にわたって北大山岳部の日高山系ペカデリ岳への山行にもOBとして参加し、多くの山岳風景を残している。
 その後も時間を見ては山の絵を描き続けいたが、それが当時の千秋庵(現在の六花亭)の社長の目に止まることとなり、1961(昭和36)年、直行のデザインした花柄の包装紙が世に出たのである。
 1965(昭和40)年、直行は画業に専念するため、十勝を離れ札幌に転居した。その後、彼はネパールやカナダ・ロッキー山脈など外国の山も訪れスケッチを残している。

               
            
 スケッチブック展には、草花の絵はあまりなく、山岳風景を描いたものがほとんどである。直行の独得のタッチの絵は、技巧に走らず、素朴にさえ感ずる絵の中に山への限りない愛着を感じさせる。
 スケッチブック展は、直行の遺した膨大な作品を少しでも多く見てもらうために、前期と後期に分けて、作品を入れ替えて展示されるという。

               

               
               ※ 展覧会で直行氏のスケッチブックの使い方に一つの特徴があった。それは、この絵のようにスケッチブック見開き2ページいっぱいに描いている絵が多かったことだ。

 前期は12月4日(日)まで、後期は12月6日(火)から来年1月9日(月)までだそうだ。再び訪れねばならない。
 なお、関連する記念講演会も今月3度にわたって開催されるそうだ。私は1・2回目はスケジュールの関係で聴けないが、11月27日の「龍馬と直行」はぜひ受講したいと思っている。

※ なお、展覧会は写真撮影がNGだったので、直行の絵をイメージしていただくためにウェブ上から数枚拝借して掲載することにした。