田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 218 パパが戦場に行った日

2018-09-30 21:15:20 | 映画観賞・感想

 映画はフィクションである。しかし、戦争によって穏やかな日々をおくっていた父娘が引き裂かれてしまうというストーリーである。戦争という営為が名もなき庶民の生活を根底から覆してしまうという愚かさをソフトに訴える作品である。

               

 今日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が主催する「UNHCR難民映画祭2018」が札幌プラザ2・5で開催されたので参加した。

 映画祭は昨日・本日と二日間にわたって開催されたのだが、私は本日のみの参加となって、本日映写された「パパが戦場に行った日」と「ソフラ~夢をキッチンカーニのせて」の2本を観賞した。その一本目のレポである。(明日2本目をレポ)

                

 映画はオランダ監督の制作ということで、仮想オランダが舞台となった映画である。

 オランダのとある街でパン屋を営み平和に日々をおくっていた父娘だったが、国内紛争が勃発し、父は国の命令によって戦場に赴かねばならなくなった。

 娘のトーダは祖母に託されたが、祖母は住んでいるところが危険となってきたため、離婚して隣国に住む母のもとに避難させようとした。

 ところがこの避難(逃避行)が10歳のトーダに大変な試練を与えるという内容である。

 

 私はトーダの逃避行を見ていて、ある既視感を感じていた。帰宅して調べたところ、2014年3月に観た「さよなら、アドルフ」という、やはり小さな子たちが国境を越えて逃避行する映画だった。

 さて「パパが戦場に行った日」の方であるが、少女トーダは苦難の末、幸運にも母と再会し、母から歓迎されるというハッピーエンドで終末を迎える。

          

 世界では今、紛争や迫害によって避難を余儀なくされる人が急増している。そこにある恐怖と苦悩を、今のところ平和な中に暮らす我々日本人がどこまで想像し、彼らの恐怖や苦悩に寄り添えることができるのか、そのことを問われている映画であると思った。