田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

札幌景観資産⑳  指定第30号 「旧沼田家倉庫」

2021-12-06 16:07:43 | 札幌景観資産巡り

 これまで見てきた札幌景観資産の倉庫よりは一回り大きな石造り倉庫だった。そもそも「旧沼田家倉庫」は東区のタマネギ栽培が盛んな地域あったことからタマネギを貯蔵する倉庫だったが、現在はカフェとして利用されていた。 

   

※ 正面に目立つ2本の煙突はコーヒー豆の焙煎釜の煙突のようである。

 「舌の根も乾かぬうちに」という言葉があるが、まさに拙ブログの12月3日付で「札幌景観資産の残り3件は来年に取材し、レポする」と投稿しながら、そのことをすぐに反故にして本日「旧沼田家倉庫」を取材してきた。(残り2件は本当に来年に持ち越しである)   

 「旧沼田家倉庫」は札幌の中心地から「三角点通り」(モエレ沼公園通りとも称されている)という通りを北方向に進むと札樽道の手前に特徴のある札幌軟石製の渋い壁の色の建物が左手に存在感たっぷりに建っていた。

   

※ 建物の裏側から写したものです。昼時だったこともあり、駐車場はびっしりでした。

 倉庫が建つ一帯は、かつてタマネギ畑が広がり、この倉庫は界隈で最も大きいもので、近所の農家が収穫したタマネギを預けるほどだったという。札幌軟石製の倉庫が徐々に少なくなる中で、現在は地域の産業の歴史を伝えるランドマーク的存在となっているそうだ。

   

※ 通りの反対側の壁は、いかにも“倉庫"といった感じでした。窓がありません。

 倉庫は現在「豆蔵珈房宮田屋東苗穂店」として利用されているが、内部は二階建てとなっており、ゆったりと客席が配置されていた。また、内部空間が広いことを利用してライブやギャラリースペースとしても利用されているようだ。

   

※ 内部の天井には倉庫時代の明り取りの窓が残されていました。

   

※ 内部の2階席から1階客席を望んだ図です。

 建物の入口の切妻屋根の妻面には「〇沼」印と彫られ外観は石の素材感溢れる風格ある建造物である。

   

※ 切妻屋根の妻面には風格のある「〇沼」印が掘られていました。

 なお「札幌景観資産」には「旧沼田家倉庫」が2件登録されていて紛らわしいが、指定第16号の方は「旧沼田家りんご倉庫」となっておりりんご貯蔵のための倉庫でレンガ製であるのに対して、こちらはタマネギを貯蔵するための札幌軟石製であるところに違いがある。

 両者は同じ「沼田家」が建てたものだが、「旧沼田家倉庫」は沼田薫氏、「旧沼田家りんご倉庫」は沼田太蔵氏が建てたもので、別人だということが判明した。           

旧沼田家倉庫 情報》

◇所在地 札幌市東区東苗穂5条2丁目11-18

◇建設年 1962(昭和37)年

◇構 造 石造

◇指定年 2010(平成22)年7月21日

◇その他 現「豆蔵珈房宮田屋東苗穂店」

      ※ 店舗利用者のみ内部見学可

 電 話 011-787-0707