繊細なトレモロ奏法を聴きたくてマンドリンのコンサートに足を運んだ。しかし、主催者の思いと、私の期待に齟齬があったのだろうか?マンドリンの良さは感じつつも、やや期待していたこととは違った面もあった…。
3日連続のKitara通いである。21日(日)午後、札幌市民芸術祭の一環としては「マンドリン音楽祭」が札幌コンサートホールKiatraで開催されたので参加した。
プログラムを紹介すると…
◆第1部 独奏・重奏の部
□Sound-Hole(マンドリン・マンドラ・マンドロンチェロ 三重奏)
・J.ダウランド/The Frog Galliard
・ながえ わかこ/歩いていく
□坂口楓馬(マンドリン独奏)
・桑原康雄/じょんがら
□森羅万象 with B(マンドリン・マンドラ・ギター 三重奏)
・M.ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
◆第2部 学生団体合同合奏の部
(4つの高校・大学のサークル合同)
《指揮:安藤里奈(小樽商科大学プレクトラムアンサンブル)》
・中崎智大/夜空への回想Ⅰ~冬空の帰り道~
・青山涼/バタフライ・エフェクト
《指揮:金 洛伶(北海道大学チルコロ・マンドリニスティコ「アウロラ」)》
・藤掛廣幸/山河緑照
《指揮:内海静恵(北海道大学チルコロ・マンドリニスティコ「アウロラ」)》
・E. モリコーネ/ニュー・シネマ・パラダイス
◆第3部 学生団体・社会人団体合同合奏の部
(学生・社会人の10団体合同)
《指揮:堀 健治(札幌プレクトラムアンサンブル)》
・L.V.ベートーベン/エグモント序曲
・丸本大吾/杜の鼓動 ~魂の還る場所~
・鈴木静一/狂詩曲『海』
《指揮:堀 健治(札幌マンドリン倶楽部)》
・末廣健児/瑞木の詩より第1楽章「翠雨」
・久石 譲/ハウルの動く城より~人生のメリーゴーランド
・C.A.ブラッコ/マンドリンの群れ
プログラムを一覧して、その多くが合同合奏であることに気が付かれると思います。第2部は50名、第3部は実に89名の大合奏である。
私はこれまで何度かマンドリンの団体が主催するコンサートに参加して、マンドリンの奏でる哀愁を帯びた音色に他の楽器にはない魅力を感じていたのだが、それらはほとんどが数名から数十名程度の合奏だったように記憶している。
※ マンドリ四重奏の基本は、左から第一マンドリン、第二マンドリン、マンドロンチェロ、マンドラの四つのマンドリン系楽器で構成された重奏を指すようです。
私は多人数の合同演奏がダメと言っているわけではない。多人数はやはり少数の重奏などよりは音に厚みがあり、迫力も感ずる。しかし、私の中では少人数の重奏にこそマンドリンの良さがより出てくるという思いが拭いきれないのだ。そうした人たちの演奏が少なかったなぁ、という思いを今回の音楽祭では感じてしまった。おそらく市民芸術祭の一環ということで何かの縛りがあるのではと想像するのだ。
マンドリンの響きの魅力は、繊細な、囁くような響きにあるように思われる。それは繊細さ、あるいは哀愁さを漂わせる日本人が創り出すメロディーとの相性が合う楽器なのではないだろうか?私の理解ではマンドリンをメジャーにしたのは、あの「古賀メロディー」を創り出した古賀政男と聞いている。マンドリンの響きは古賀メロディーをより魅力的に引き出したのではないか?
実は音楽祭が始まる前に「プレステージ」としてマンドリン、マンドラ、マンドロンチェロ、ギターの四重奏で、北海道に関係する歌謡曲、そして美空ひばりの代表曲が演奏されたが、私としては最もマンドリンなどの魅力が引き出されていたと感じたのだが…。
合同演奏の最期にアンコールとして中島みゆき作詞・作曲の「ヘッドライト・テールライト」が演奏された。演奏は彼女の歌声がどこからか聞こえ、あのTV番組が脳裏をかすめた。あのような曲にこそ、マンドリンが最も相応しいのでは?と私は感じたのだが…。
※ なお、私が以前に聴いていたコンサートはどうやら「マンドリン四重奏演奏会」というコンサートだったようだ。来年1月に予定されているようなので楽しみに待ちたいと思う。
もちろん少人数の「精鋭」のアンサンブルであるのが必須ですが。
ぼくなんか大学生のころ……。
と思い出を語ると「キャッと叫んで逃げ出したく」なるのでやめておきます。
来年1月の四重奏演奏会が楽しみですね♪
何を言われるんだろう」と緊張しましたよ。幸い私の思いも的外れでなかったことにホッとしています。
来年の四重奏のコンサートを楽しみにしています。