第100回という記念の定期演奏会ということで肩の力が入ったのでしょうか?学生たちの意気込みは感じられましたが、聴いていた私たちの満足度はどうだったでしょう?私の中では先に聴いた「プレットロ ノルディコ」の方に一日の長を感じたのですが…。
12月21日(土)夜、カナモトホールにおいて「北海道大学チルコロ・マンドリニスティコ『アウロラ』」の第100回定期演奏会が開催され友人たちと一緒に聴いてきました。
バンド名に他にはない特色があるし、100年もの歴史があるということで、「アウロラ」のことを少し調べてみました。
まずその歴史ですが、サークルの誕生が1921年ということですから、大正10年に創立されたという非常に歴史のあるサークルだということが分かりました。そしてバンド名ですが、マンドリンがイタリア生まれの楽器ということから、イタリア語にこだわったようです。チルコロとはイタリア語で「サークル」を意味し、マンドリニスティコ は「マンドリン奏者」を意味し、アウロラは「オーロラ」という意味だということが分かりした。
演奏会前の新聞記事でも拝見しましたが、以前はサークル員が90名を超えたときもあったそうですが、コロナの影響もあり激減してしまったそうですが、現在は38名にまで回復し、今回の演奏会ではOBの方々にも応援していただきながらの演奏と聞いていました。
さて例によってこの日演奏された曲目を紹介すると…、
【第Ⅰ部】
◇G.マネンテ/メリアの平原にて
◇P.マスカーニ/歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
◇A.アマデイ/小組曲「降誕祭の夜」
【第Ⅱ部】
◇佐藤英敏/残酷な天使のテーゼ
◇武藤理恵/月に舞う
【第Ⅲ部】
◇桑原康雄/初秋の歌
◇末廣健児/組曲「瑞木の詩」
【アンコール】
◇加藤遼大/星たちの眠るころ
以上のラインナップを見て、貴方はどのような感想をお持ちになりますか?
私がプログラムを手にして思った正直な感想は「遊びの部分がないなぁ…」というものでした。もちろん第100回目という節目の演奏会だという高ぶりもあったことでしょう。「自分たちの全てをステージで!」という思いが表出されたラインナップだと云えないこともありません。一緒に行った友人たちとも話題にしましたが、あるいは北大のサークルだという矜持がどこかにあるのだろうか?というような話にもなりました。私などはやはりプログラムの一部にはリラックスできる曲目も含めてよいのでは?という思いがあったのですが…。
したがって、私の感想メモでも、第Ⅰ部の3曲はどれもが同じように聴こえてきてしまましたが、私の音楽レベルがその程度ということなのかもしれません。
第Ⅱ部の「月に舞う」は、緩急の差が明確に伝わってくる演奏でした。
第Ⅲ部の「初秋の唄」は、演奏された曲の中で私が最も気に入った一曲でした。曲の入りのギターが印象的だった上に、ギター、マンドリンチェロの低音楽器とマンドリン、マンドラテノールの高音楽器の掛け合いが面白く、その上マンドリンソロのパートもあり、とても印象的な一曲でした。
また、アンコールで演奏された「星たちの眠るころ」という曲は、指揮者であり、かつ〈運営代〉というサークルの代表を務められていた加藤遼大さんの作曲ということでしたが、マンドリンの特色を十分知り尽くした一曲と私には聴こえてきました。
※ ステージの後方には「アウロラ旗」が掲げられていました。一緒に聴いたH氏から「あの旗に描かれている楽器はなんでしょうね?」と問いかけられました。なんとなく古楽器のようにも見えますが、分かりませんでした。帰宅して調べてみても正確なところは分かりませんでした。どなたか教えていただけませんか?
ちょっと残念に感じたことは、キャパ1,500人というカナモトホールの入場者が欲目に見積もっても1/3程度だったことです。記念する演奏会です。もう少しチケット販売に力を入れてほしかったなぁ、というのが偽らざる思いでした。
サークルの歴史を知った時、コロナ禍という苦しい時期を乗り越え、現在はサークル再興期なのかもしれません。マンドリンの音色が大好きな私としては、チルコロ・マンドリニスティコ「アウロラ」が以前のような大人数で演奏会を開催される日を楽しみに待ちたいと思います。