田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 深夜食堂 №384

2024-12-20 13:01:52 | 映画観賞・感想
 「小腹も心も満たします」が公式HPのキャッチコピーだが、文字どおり観終わった私の中にはホッコリとした、なんとも幸せな気分に満ち足りた思いだった。

   

道民カレッジ「懐かしフィルム上映会」の第2弾は、2015年公開された「深夜食堂」の第一作目の上映でした。(映画「深夜食堂」は「深夜食堂2」も公開されている)
キャッチコピーはさらに続きます。それは次のとおりです。
 「繁華街の路地裏にひっそりと佇む  “めしや” 。営業時間は深夜0時から朝の7時ごろまで。人は「深夜食堂」って言ってるよ。性別も、年齢も、境遇も異なったさまざまな客が店を訪れては、カウンターで生まれる小さなドラマ――。忘れられない味、そろってます。」
 映画はコミック雑誌で大評判となった「深夜食堂」が原作ということだが、私は全く見たことがありません。映画で “めしや” は「トン汁定食」が唯一のメニューだが、お客さんが所望すればマスター(小林薫)が作れるものなら何でも作ってくれるという食堂です。そこで映画では、「ナポリタン」、「とろろご飯」、「カレーライス」と、なんとも庶民的なメニューを小見出しとしたオムニバス的な構成でストーリーは進んでいきます。
 「ナポリタン」ではたまこ(高岡早紀)が、「とろろご飯」ではちはる(多部未華子)が、そして「カレーライス」では大石謙三(筒井道隆)が、それぞれ訳ありの事情を抱えながら偶然にもマスターの店の暖簾を潜ったのだった。訳あり役を演じた3人はそれぞれ演技達者な俳優だったのですが、その中でも最もホッコリさせてもらったちはる「とろろご飯」編のちはる(多部未華子)について少し深堀してみます。ちはるは故郷新潟で恋人に騙され有り金をすべて奪われ、傷心のまま東京に流れ着き、空腹のあまりマスターの店で無銭飲食してしまう。その食事代を弁償するためにマスターの店で住み込みで働かせてもらうことになった。そこで思わぬ才能を見せたことで、マスターの縁で料亭に板前見習いの職を得た、という凡そのストーリーです。その何とも一途な若い女性役を多部未華子が好演しているのです。 “めしや” を後にする際、「とろろご飯」を美味しそうにかっこむ多部未華子の食べっぷりも印象的です。

    

 筒井道隆、高岡早紀もそれぞれが役達者ぶりを発揮していましたし、小林薫の寡黙なマスター役も主役らしい存在感を発揮しています。そして脇を固める“めしや”の常連たちもそれぞれ個性を発揮し、なくてはならない存在として映画を締めていました。

    

 実は私はこの映画は2019年に一度見ていましたし、「深夜食堂2」も観ているのです。それくらいこの映画は私にとって特別な映画になっています。「深夜食堂2」も機会があればまた観てみたいと思っている映画です。
 それにしてもマスターの顔の縦面にうっすらと残る傷跡がずーっと気になりました。それについて全く説明はないのですが、あるいはマスターも若い頃はやんちゃをしていたのかなぁ…、などと想像しながら映画に魅入りました。