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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

小規模自治体は生き残れるのか?

2024-12-22 19:57:51 | 講演・講義・フォーラム等
 少し刺激的なタイトルではあるが、“限界集落” とか “限界自治体” という言葉が囁かれ始めて久しい。少子化に加えて、都市への集中化が加速する中、特に小規模自治体には厳しい現実が突きつけられているようです。関連するフォーラムに顔を出してみました。

 一昨日(12月19日)午後、北大構内で開催された北海道大学公共政策大学院が主催した「小規模自治体の持続可能性」と題するフォーラムに参加しました。
 フォーラムは、公共政策大学院の山崎幹根教授が「人口減少時代の地域政策事例研究」と題して、北海道内の自治体に対して行ったアンケート調査の分析と解説。そして東神楽町長による「自治体広域連携の現状と課題」と題する講演から成っていました。
 山崎教授のアンケート調査は、主として小規模自治体を司る自治体職員に関する調査を主とするものでした。それによると、まず地方の自治体に就職しようとする人材不足の問題が浮き上がってきているそうです。特に専門職員(技術職)の不足が深刻だということです。また、都市から離れた小規模自治体は深刻度が顕著だという調査結果でもあったそうです。

       
       ※ アンケート調査の分析と解説をされる山崎教授です。

 こうした状況に対して、自治体では人材確保のために「地域おこし協力隊」を増員したり、外部委託をしたりすることによって急場をしのいでいるのが実状のようです。
 一方で自治体には国からDX対応や、ゼロカーボン対応といった時代の要請も次々と次々と指示が下りてくるのですが、その対応もままならない状況も生まれてきているようです。
 こうしたアンケート結果を踏まえて山崎教授はその対策を例示されましたが、決定的な有効策は模索中という感じに私は受け止めました。
 人材不足の問題は自治体だけの問題ではなく、今や我が国の全産業においても人手不足が叫ばれている状況です。この傾向は今後ますます深刻化することこそあれ、問題の抜本的な解決はむずしかしいのではないでしょうか?
 さて、問題の核心である「人口減少問題」はどうでしょうか?これもお先真っ暗というのが本音のような気がします。「晩婚化」、「未婚化」、「少子化」の波は止まることを知りません。ある推計によると、我が国の人口は2008年の1億2千万人をピークに、2100年には人口が半減するとも言われています。

  
 ※ このグラフは山崎教授が提示したものではなく、私がウェブ上で見つけたグラフです。

 そうなると現在小規模自治体と呼ばれている自治体は軒並み立ち行かなくなるのではないでしょうか?そんな未来が数十年後に控えているということを想像するだけでも恐ろしい気がしますが、私たちはそうした未来が近づいていることを認識することも必要なのだと今回痛感させられました。
 私は現職時代、オホーツク管内のいくつもの小さな町村に務めた経験を持つものですが、そうしたある意味で私にとって古里でもある町村の活気が年々失われつつあることに、言いようのない寂しさを感じています。あの古里が無くならないよう、消えてしまわないよう、何か奇跡的な回復策はないものでしょうか?そんな非現実的なことがあるわけがないと一笑に付されてしまいそうですが…。