ベストマッチなどと称すると、他に活動している方々からお叱りを受けるかもしれない。しかし、私にはそう思えた昨日のウインターコンサートだった。短い時間だったが、お二人の演奏は満員の聴衆を十分に満足させてくれる内容だった。
コンサート三昧の昨今である。昨日(12月16日)午後、「札響の第九」を聴く前に、札幌市民ギャラリーで開催された「ウインターコンサート」に足を運んだ。コンサートは札幌市民ギャラリーが提供する無料のコンサートとあって、定員100名と聞いていたが急遽椅子を運び入れていたのを見ると130~40名以上が駆け付けていたのではないだろうか?
コンサートの出演はソプラノの高橋茉椰さんとピアノの千葉皓司さんがデュオで出演した。二人はまだ若手の演奏家であるが、二人とも札幌を中心に活動されている方で、さまざまな大きなステージを務められている経験豊かな方のようである。
この日演奏された曲目は、
◆木下牧子/雪の街
◆木下牧子/さびしいカシの木
◆木下牧子/誰かがちいさなベルをおす
◆J.シュトラウスⅡ世/オペレッタ「こうもり」より 公爵様、あなたのようなお方は
◆(ピアノソロ)O.レスピーギ/ノクターン
◆(ピアノソロ)徳山美奈子/序の舞~上村松園の絵に基づく~
◆J.S.バッハ/C.グノー/アヴェ・マリア
◆J.オッフェンバック/歌劇「ホフマン物語」より 生垣に小鳥たちが
〈アンコール〉
◆G.プッチーニ/私のお父さん
高橋さんは木下牧子作の小品を丁寧に歌った後に、J.シュトラウスの「公爵様、あなたのようなお方は」というオペラの曲を披露して聴衆を驚かせた。鍛えられた高音が会場内いっぱいに響き渡り、演奏を終えた時に聴衆から思わず「ホーッ」というため息がもれた。
またピアノの千葉さんもピアノソロで徳山美奈子作の「序の舞」の難曲を繊細な指さばきで弾き終えたときには千葉さんの非凡さを教えられた思いだった。
そしてコンサート終盤にはクリスマス定番の「アヴェ・マリア」も「クリスマスだなぁ-」との思いを強くさせてくれた一曲だった。
無料とはいえ、このようなレベルの高い演奏を聴かせてもらえるので、これからも機会があれば駆け付けてみたいと思っている。