思わず身震いするほどに切り裂くような透明な寒さに
顔を出し始める太陽の眩しさは、遠く山々の雪の景色を
いっそう輝かしいものにしているようだった。

すでに12月も一週間ほど過ぎて…ふと気づけば今年はまだのようだ。
いつも11月中に来られてたんじゃなかったっけか?
どうしたのかなぁ~ 随分と年を取られたし…。
ひょっとしたら具合でも悪いんじゃないだろうか…来年様。
ばぁちゃんの兄の戦友である来年様。
毎年手作りの注連縄を持って、ばぁちゃんの顔を見がてらに訪れる。
それが、いよいよ今年も押し詰まってきたな~感があったのに…。
そんな事を思っていた矢先に、相変らずお元気そうな顔を見せに来てくれた。
いやいや…今年は遅くなってしまったと、見事な注連縄を幾つか
それと自分で拾って来たのだと、銀杏を袋に入れて
こづゆにでも入れてくれと…毎年 有難く頭の下がる思いだ。

ちょっと大きめな作り半端なものがあったようだが、それはご愛嬌って事で…^^;
新しい家になってかなり驚かれたようだが
ばぁちゃんの顔を見てしばしの歓談に、随分耳も遠くなられて
話が一方通行になりがちだが、車の運転も現役だったけど
そろそろ免許を返そうかと思っていると
昔 タクシー運転手をしていた来年様だった。
それでも注連縄は、いつもの年よりも半分の数にしたと…年も90に手が届く来年様。
そんな貴重な注連縄のおかげかもしれないなぁ~ばぁちゃんが元気なのは。
まだ 時おり痰があがるばぁちゃんを心配そうに覗き込み
なぁ~に、内臓が丈夫だったら、まだまだ長生き出来る…と
自分の内臓の丈夫さをひとしきり自慢げに話して帰られた。
良かった…今年も元気で、おかげでお正月に注連飾り神棚には注連縄を奉る事が出来る。
数年前から比べると随分老けたような…それはお互い様かもしれないが…(苦笑)

そんな嬉しい一日に、夕方にヒメと散歩に行けば
とても素晴らしい夕日に磐梯山と阿武隈山脈だろうか…赤く輝いている。
そんな夕暮れは何時にも増して怖いくらい美しい。
