津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■知道会発会記念講演会

2014-04-20 18:55:20 | 講演会

 知道会発会記念講演会に出席する。知道会は熊本に於いて論語教育の普及活動を目的として設立された。
会長をつとめられる筑紫汎三氏、事務局の牧俊郎氏はともに我が熊本史談会の会員でもあられる。

今回の記念講演は「漢学三代」として、中央大学教授・宇野茂彦氏の講演だが演題の通り祖父・宇野哲人氏、父・宇野精一氏とつづくまさに漢学一筋の三代目で在られる。哲人先生のお父上・丈太郎様は時習館の句読師であられたが、一方弓術の師範でもあり哲人・精一先生もまた弓をよくされて、まさに文武両道の家系で在られるようだ。講話はこのようなお話を含め、肥後熊本の土壌がそれぞれの先生方のバックボーンとしてあることを強調された。

誠に偶然の事だが、昨日の日本経済新聞には「ビジネスパーソンのための論語教育」として一面広告が出されていた。WOWOWで中国歴史ドラマ「孔子」(全38話)がスタートするにあたっての広告のようだが、孔子とその教えである「論語」について、作家守屋敦氏の「今ビジネスで孔子が求められている理由」という一文が載せられていた。

熊本では論語の素読を行っている保育園や、子供たちを集めての素読会などもあちこちでの活動が見られ、知道会も今後その先頭に立って活動を拡げられるのであろう。開式後すぐにE保育園の子供たち(30人ほど)が壇上で声高らかに素読を披露してくれた。齢を重ね涙腺が緩んでいる私は、涙をこらえるのに困ったような次第である。関係者の熱意を十分に感じる講演会であった。
尚、秋には細川護貞様が師と仰がれた、狩野君山老の孫・狩野直禎氏(京都女子大学名誉教授)の講演が予定されている。 

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■古今肥後見聞雑記から -- 我が本籍地下代周辺

2014-04-20 07:01:54 | 史料

先に「曽我禅師坊」にふれた。禅師坊の話はさておき、ここに登場した御坊山については幼いころのかすかな記憶がある。
この山の場所は熊本市西区役所から2~300メートル程の処にあり、標高23メートルというから小高い岡という感じである。
私の本籍地はすぐ隣町の城山下代町でこれは曾祖父が住んでいた場所である。祖父の代、家族が熊本を離れるに当たり、土地・建物は下男を勤めていたという某氏に管理が委託され、後には売り渡されたらしい。私は幼いころ数回ここをたずね、周辺を散策したのだがそのかすかな記憶にある岡こそがこの御坊山である。実は「古今肥後見聞雑記」には、城山下代のことも項をたててわずかに触れられている。

     同下代村の内小嶋江通る道に手繰の地蔵とて往古近海にて有し時漁夫の手繰縄に懸りて揚り候地蔵也とて辻堂等有り
     其脇に砂道一筋有之と云 其砂道というハうぢ道といふて塩引落候所に紛無之砂道有之所のよし其跡今に有之といふ
     小嶋村の土民相傳て語りし

御坊山周辺とこの話はまさに地続きの一帯である。高祖父・上田久兵衛もすぐ近くの半田に住まいが在った。下代・半田・薬師(それぞれに城山を冠する)などの集落の西に、白川が流れその対岸部は砂原(すなわら)とか土河原があり、自然の有りようが字名になったのだろう。こうした記録を頭の中で組み立てていると、先祖がすんでいた一帯の風景が浮かんでくるようだ。

 

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