四四五
明和九年公義御觸
なんりょう
一此度通用之為吹抜候上銀、南鐐と唱候銀を以貮朱之歩判
被仰付候間、右歩判八つを以金壹両之積り、文銀幷錢共
時々之相場之通無滞可致両替事
一右貮朱銀両替ニ付、切賃之儀是又金と同様相心得取遣可
致事
一貮朱銀包之儀は、文字銀と違於銀座包致候間、其通相心
得可申候事
右南鐐貮朱銀之儀、金と同様通用之為被仰付候間、無滞
通用可致候事
右之通國々えも可觸知者也
九月
四四六
安永元年十月御達
一熊本町馬之儀ハ、町中惣割賦を以建方被仰付置宿役之外
は、御用たり共賃金被渡下致召仕事ニ付、御家中之面々
地廻り私用付て相對雇之節は、不及迷惑様程能賃銀相渡
雇被申筈候處、間ニは御用同前會所ニ差紙を付、私用之
荷物或は米穀付馬、或は在宅往來幷遊獵等之節、入用馬
半駄賃を以被受取、其上家來/\よりは強儀之筋も有之
様子ニ相聞、心得違之事ニ候、依之以來左之通及達候
一御用付て他所旅行、又ハ私用ニても譯立候儀ニて、御
定之賃銀を以町馬雇被申度面々は、佐貮役歟町方根取
役ニ被申達候ハヽ差紙相渡歟申候間、右差紙ニ御定之
賃銀相添、人馬會所へ差越受取可被申候、右差紙之外
は御定之賃銀ニては決て町馬差出間敷旨、馬指へ申渡
せ候事
一相對ニ雇被申面々は、馬主共不致迷惑様ニ賃銀相極雇
可被申候、尤馬主共も渡世相應之賃銀受取、法外之駄
賃受取申間敷段、馬指え申渡せ候事
右之通被相心得、家來/\へも堅可被申付候、以上
十月
四四七
一御家中之面々、就私用御定之賃銀を以在中より継人馬出
せ候儀は難叶事ニ付、兼て其趣及達置候處、前々より自
分/\書付を以継人馬出せ來候由被相達輩も有之、不都
合之至候、已來御郡間差紙之外、御定之賃銀を以一切継
人馬差出申間敷旨及達候間、若無據筋ニて御定之賃銀を
以継人馬受取不被申候て難叶面々は、其譯御郡間へ被相
達候ハヽ、其様子ニより私用人馬差紙、御郡間より向々
え相渡可申候間、右之差紙ニ御定之賃銀相添、人馬會所
へ差越人馬受取可被申候、尤参掛り無據人馬入用之節
は、相對賃銀を以雇可被申候
但、相對雇之儀は渡世相應之賃銀受取、莫大之賃銀受
取申間敷旨、在中へも及達候
一牛馬は兼て人馬不寄置様子ニ付、参り掛りニ人馬差出候
様ニと有之候ては速ニ出方成兼可申候、依之右差紙被受
取、若急成用事ニて滞候て難成面々は、自分/\より先
觸可有之候、左候得は人馬致手當、無支様差出申筈ニ候
一八代・佐敷詰其外在宅之御侍中、幷在役ニ被差出置候御
切米取・在御家人共、御用筋付て出府之節は今迄之通ニ候
一右之面々私用ニ付出府之節、入用之人馬は其所々詰合之
御郡代承届、若御郡代詰合無之節は御惣庄屋承糺、御定
之賃銀受取無支差出申筈候、且又熊本より歸之節は御郡
間へ承届、私用差紙相渡申筈候、右之外は都て相對賃銀
ニて雇被申、賃銀之儀は前條之通可被相心得候
一栃木・杖立其外共入湯より被罷歸候節、於向方駕夫・荷
馬等御定之賃銀ニて押て受取被申趣ニて、在中閙敷時分
ハ甚及迷惑由相聞候間、荷物之輕重ニ応し、人馬數幷賃
銀ともニ湯亭へ被申談、相對次第其時々相応之賃銀相渡、
下方及迷惑不申様相心得可被申候
一諸御郡え就御用被指出候面々、於村々宿を取、粮米幷人
馬・明松をも取、紛敷躰之者多有之由ニ付、先達て御郡
間印鑑村々え被渡置、人馬・明松差紙ニ右之印鑑引合粮
米又ハ人馬・明松等も相渡候様、若差紙持参無之紛敷躰
之者有之候ハヽ追立候様、其上ニて兎哉角有之候ハヽ、
押置キ相達候様村々え被仰付置候處、今以往還村々其外
ニも、参り掛り明松を出し候様申者有之候ニ付、差紙見
届可申由申聞候得は、却て強儀之申分いたし、打擲をも
可致躰ニ付、不得止明松なとをも出候儀間々有之様子相
聞、不埒之至候、彌以御郡間より之差紙持参不致、人馬・
明松等受取可申と申者は相渡間敷候、若差紙無之強儀な
る申分等仕、理不儘之躰有之候ハヽ押置、其段相達候様
可被申付段、猶又御郡代へ及達候條、御家中支配/\家
來末々至迄其段可被申付置候、以上
十月