津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■「市井雑式草書附録」(23)

2019-03-07 06:46:18 | 色・いろいろ

  一七八 文政十一年三月
一貮尺以上之たつを揚申間敷旨ニ付ては、先年來度々間近      たつ→凧

 ク去夏も委細被及御達候趣も有之候處、近來又々大キな
 るたつを大人交ニて揚候様子相聞、御達筋間もなく右之
 次第重疊不心得之至ニ付、町役人又は父兄より心を付、
 貮尺以上之たつは不及申、大人なと携候儀は屹ㇳ差留可
 申、畢竟、是迄は子共之仕業に付、強て御吟味は不被仰
 付事候へ共、大人加り候て之取計と有之候ては難相濟事
 ニ付、若此上心得違之者有之候ヘハ、廻役より屹ㇳ遂吟
 味、たつを取上其段相達候筈之段、町中え及達候事

 一七九 文政十一年七月
一狼藉者有之、町屋ニ入込あはれ候躰之儀有之節之儀ニ付
 及達候趣、米穀賣買之部ニ有之候事

 一八〇
一強風付て竹木直段幷諸役人手間料等之儀ニ付及達候趣、
 非常之部ニ有之候事

 一八一 同年十二月
一諸浪人躰之者、町家之米錢出入ニ携り、又々銘々所持之
 品を質入、或は賣拂等之儀付て町人を相手取、種々申分
 いたし、其末不相應之錢辻借用等申懸、町家迷惑ニ候様
 子ニ相聞候、且町人之内相對之古借出入等浪人躰之者ニ
 頼ミ取立貰、又は右浪人躰之手ニ付其威をかり候て、様
 々町家之難題ニ成候儀を取持候ものも有之哉ニ相聞、不
 届之次第ニ候處、必竟後難を恐、内分ニ差置候處より彌
 右躰之儀増長いたし候哉ニ付、向後右様之事ニ付不法之
 取扱ニ逢、及迷惑候ものハ勿論、懸り合外之者たり共承
 出候ハヽ不閣、封印之書付ニいたし御役方え可訴出候、、
 御吟味之上屹ㇳ可被仰付候
  本文之外御法ニ違、高利之米銭を貸付、非道之取立を
  いたし候ものも有之様子ニ付、是又本文同様封印之書
  付を以訴出可申候事
一かくし名・作り名等之訴状被禁之、其主不相分はたとひ
 何方え差出候とも、一切開封ニも不及段、兼て御沙汰之
 通候、仍て前條及達候訴訟之者も、封印を以御奉行所内
 町方口之間え差出候歟、又は町方懸り之御役々宅内え差
 出候も不苦候、勿論讒訴誣告之儀は兼て被禁置置候事ニ
 付、私之遺恨ニより過なき人ニ無實之罪をおふせ、訴候
 類ハ御吟味之上屹ㇳ可被仰付候
 右之通町中末々迄不洩様、早々相觸候様及達候事

 一八二 文政十二年五月
一貮尺以上之たつ揚申間敷、且又大人加り申間敷との儀付
 ては去年も別紙之通被及御達置候處、近來又々心得違之
 もの有之、大人交り大ナルたつを揚候様子相聞、途中往
 來之妨ニ成候のみならす、御侍其外刀差ニ對し無禮之儀
 等出來候ては、別て難相濟事候處、去年御達之趣猶又市
 中一統不洩様申示候様、廻役よりも彌以無油断遂吟味候
 様被仰付旨、尤當時菜麥収納之折柄ニも有之候付、近在
 抔ニ罷出妨ニ成不申様ニとの儀も精々申示候様、町中え
 及ぶ達候事     
                            「大凧」の画像検索結果 
春日部の大凧あげ

                たつあげの事   「番太日記」より            [ ]は虫食い
            春はよう気うへにのほるゆへ、うへをむけけいきをつかするゆへ、身の保養になり息災なり。其のゆへにをあけさする。
           又娘子にははね羽子板にてうへをむかせいきつき、はねをつくなり。たつ殊の外はやり方々にたゝみ壱枚敷、又二枚敷のあり、
           方々にあけに行。見物人多し。古かぢや町松屋達磨殿のたつは、たゝみにつもりて八丈敷程有。其比本山村に鉢ち増(坊ヵ)主
           休西とゆふ大ぼうずあり。是をたつにつくる。みな人休西だつとゆふ。夫にさし渡し四五尺のとふ(尾)五ツゆひつけあくる。
           其音きんごふ(近郷)はひゝき渡り、糸は細引のよふにあり、四斗桶にたぐりこみ、ふたりにて持行なり。米壱俵に結つきおけば
           米を引きて行也。米俵にこしかけ見物する。扨おろす時[ ]しんとふしておろす。方々畑作を[ ]願にてきひしき御法度になり、
           もし[ ]其時分にわやく咄あり[ ]御役人松屋にかようなるをつくる[ ]松屋殿私の儀は御用達にて御座候と申上られたれは、
           御役人しからは手のだるまで、あけらるべしと被仰候とゆふはなしあり。   

 

 一八三 文政十二年六月
 市中御法度之趣、帳面一冊相渡候條、懸り/\一統不洩
 様及達、人別印形之受書相達可申候、尤以來左之通
一來正月よりは影踏之節、町方根取出役、御高札及教諭書
 一同ニ御法度書寫を、丁頭・組頭え讀聞せ可申候
一右相濟候跡ニて、別當より一懸り限見計、三ヶ所歟五ヶ
 所ニても小前/\家内子共ニ至迄寄せ候て、教諭書一同
 ニ讀聞せ可申候
一丁頭手前ニ寫を仕置御觸事等付て、小前/\呼寄候節々、
 教諭書と一同ニ無間断歟示置候
一組頭共銘々ニ寫留置、受持之組限/\家内子共迄、能々
 合點いたし候様不断申聞候様
一市中ニ手習師匠いたし候ものえ別當より申談、教諭書と
 同ク手習子ニ讀習せ、又はて本ニ認習せ候様
  但、右之通申談候ても教方届兼候師匠は、市中ニて手
  習師匠いたし候儀、難叶旨可申聞候
 右之通ニ付、小前/\男女共ニ得斗心底ニ合點いたし候
 様、頻々懇ニ可申聞旨、於町會所分職御奉行より惣月行
 司別當え書付相渡候事
 町家之者共、御法度筋幷心得方等追々被仰付置候處、年
 久敷相成候ヘハ不知不識其罪を犯し、御咎も蒙り候者も
 有之事ニ付、大略稜々左之通
一博奕は勿論手遊ヶ間敷儀、且賭之諸勝負いたす間敷事
一何事によらす徒黨いたし候事ハ堅御制禁なり、まして私
 の恨により申合、家宅等打こほち狼藉之仕形有之ものハ、
 重キ御咎被仰付筈候事
一主人の母あるひは妻に密通いたし候者ハ死刑被仰付筈
 候、其外夫有之女は不及申、惣躰密通いたし候者藩ハ、
 男女共ニ御咎被仰付候間、相慎可申事
一衣服御制度之儀、兼て被仰付置候通相心得、彌以質素を
 相守可申候、将又商家之妻子駕ニ乘候儀致間敷、将又上
 ニ係り候祝事内祝共酒長し不申様、旅行・家移幷借家移
 等之節も同断之事
一葬式之節、加勢として大勢帳場ニ罷越申間敷、且帳場に
 て酒一切停止之事
一若者組と唱、組合を立候儀堅仕間敷、且婚禮之節、礫投
 候儀停止被仰付候事

        (一八三)つづく

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