熊本の古書店ｊ堂の古書目録にある「朽木内匠養子縁組願書」である。
一昨年から昨年にかけて関連する文書がヤフオクでオークションにかけられ、数点を落札入手した。
その一連の文書ではないかと思うのだが、何とか手に入れたいと思いながらも、PCの修理やら先月もいろんな本を購入するなど、懐はピーピーである。
何度かこのブログでもご紹介してきたが、八代・朽木内匠が、宇土細川家七代藩主・立禮の弟・興章（朽木家八代の予定で養子となるも病気で離縁す）の子・定彦を養子に迎えようとするが、定彦が拒否つづけている。其折りの経緯がこの文書で判明するのではないかと思っている。
（一族の者たちの意に背き続け、定彦は細川刑部家の分家に養子となっている。）
是が非でも手に入れたいと思っているが、何事も懐具合である。
一四四 文政十一年十一月
一質素節儉之儀付ては追々御達之趣、町中心得方之儀も其
節被及御達、就中、上ニ掛り候祝事、其外初雛・初兜等
之内祝之節たり共、聊費ヶ間敷儀無之様ニとの儀付ては、
委細文化四年六月被及御達置候趣、兼て町役人より之教
諭は申不及、相互にも心を付合、子細も有之間敷哉、然
處追々髪置・紐解之内祝、分限相應／＼ニいたし來、當 髪置
年も其程ニて用意いたし候て可有之候處、當年之儀は夏 紐解
以來追々變災打續、米價を初諸色高直ニて、末々ニ至候
手は別段難澁ニおよひ候様子ニ付、町中は一統御救賣米
をも被仰付置候年柄ニ付、平年通之心得ニては難相濟候
間、右内祝之節、祖父母は別段、其餘は難差置間柄たり
共他家之面々を不交、家内迄神酒を祝、至極簡単ニ相濟
シ候五は其分之事候得共、勝手宜面々たり共、右御達ニ
背キ過當之振舞於有之は、其分ニては被差通間敷候間、
丁役よりは不及申、五人組抔よりも精々心を付候様、勿
論町方御横目又は廻役えも見聞被仰付、若心得違之者も
有之候得は、不閣相達候様被及御達置候間、其趣共委敷
示置候様、町中え及達候事sensate
一四五 文政十二年四月
一衣服御制度之儀付ては被仰出之趣抔追々及御達、且文政
二年被改候稜々をも及御達置候通候處、一統猥ニ相成、
別手町家之内ニは心得違のものも有之哉ニ相聞候間、彌
以御制度を堅相守候様、尤火廻御物頭えも改方之儀猶被
及御達候條、以來心得違之儀等無之様ニ、去々年八月町
中え被示置候處、去年ニ至猶又相弛、別て女之衣服抔華
美ニ相成、御制度之品致着用候ものも有之哉ニ相聞、不
届之至候、依之火廻御物頭は不及申、町方御横目廻役え
も嚴重ニ改方被及御達、御制度を背候ものハ見逢次第相
糺、丁所名前等承届達有之候ヘハ、屹ㇳ御咎被仰付筈ニ
月、町中末々迄不洩様申達、人別印形之御請書相達候様
惣月行司え及達候事
十五
一四六 文化九年三月
一御佛前御用之品々抔致調達候者共、向々より御紋附之器
物、小丸挑灯抔借渡ニ相成候儀有之候共、一切御紋を受
用を難叶、公私之差別無之候て難叶候ハヽ、以來は何方
御用と申儀を書記相用候様、町中え及達候事
一四七 同十年三月
一御用為申談別當町會所え集會之節、前以申合せ候刻限通
出方有之儀は勿論之事候處、間には及遅々候面々も有之、
其日決議難成筋も有之、惣中之及迷惑ニも候哉ニ相聞候
付、以來は刻限無遅滞被罷出、若故障等有之出席難成候
ハヽ、其趣不閣町會所え知せ候様、将又兼て壁書被懸置
候通、辨當を遣候儀は不苦候得共、酒肴等猥ニ持参は難
叶候間、彌以相弛不申様申談置候様、尤寄合有之候節は、
町方御横目中えも前日相達候様、左候ヘハ廻勤之序ニは
立寄見聞も有之筈之段、惣月行司え及達候事
一四八 文化十年五月
一町家之物、訴訟之筋有之儀は、何品ニよらす筋々ニ加申
［ﾏﾏ］
出儀有前之事候、乍然若上役より訴訟之筋を無利ニ差押
候歟、又は上役／＼之非分を申出候歟、何分丁頭え之達
難成譯有之候ハヽ、町別當え可申出候、町別當え之達難
成譯有之候ハヽ、町御奉行え可申出候、町御奉行え達難
成譯有之候ハヽ、御奉行所え可申出候、夫々遂吟味事之
理非ニ應御裁許可有之、如何様之儀を申出候とも正道之
筋ニさへ有之候ハヽ、其者迷惑不仕様ニ可被仰付候、勿
論平日諸御役人より相尋候儀は、何事も實情之所無用捨
可申達候
但、御奉行え申上候儀は、御奉行御目附之宅え差出候
儀も勝手次第二候事
一前段之通付てはすへて之訴訟筋、夫々達方差支候儀は無
之事候間、猥ニ手輿手筋違等之達、彌以堅仕間敷候、幷
かくし名・作り名等之訴訟以來被禁之候、若此旨於相背
は吟味之上嚴敷被仰付筋可有之候
但、かくし名・作り名等之訴訟、其主不相分候は、た
とひ何方え差出候とも、一切開封ニも不及筈候
右之通寛政三年一統及達候處、近來ニ至、間ニは手筋違
之訴達いたし候ものも有之哉ニ相聞候付、以來彌以及達
置候通相守、心得違之儀無之様、町中末々迄得斗致合點候
様及達、人別印形を取相達候様、且町役人共之儀は彌以
懸り／＼之示方厚精力を盡、下情ふさからさる様専取計、
譯立候願順を無理ニ押付候儀無之様、町中え及達候事
一四九 文化十年八月
一先達て於玉名郡、幼稚之者寄集鹽硝取扱、數人致怪我候
者有之候、右之通幼稚之者取扱、又は重キ怪我等可致出
來哉も難計、火用心も無心元候付、在御家人筒獵いたし
候者、札筒之者共も彌以心を用、右之子弟幼稚之ものは
不及申、右ニ不携者共も決て取扱不申様、此節御達ニ相
成候間、熊本町幼年之者等堅鹽硝取扱不申様、父兄は勿
論別當・丁頭よりも精々心を付候様
一花火線香と名付、紙ニ捩又は小キ竹筒ニ仕込商賣いたし
候もの有之、外々之品と違、火用心も無心元候間、右之
類一切商賣仕間敷段は、追々被及御達置候通ニ付、是又
以來彌以商賣不仕様、若商賣いたし候者も有之候ハヽ屹
ㇳ差留候様、五ヶ町え及達候事
一五〇 文化十年十二月
一町内ニ馬を繋候節、往來之妨ニ不相成様心を付可申旨、
明和八年以來追々及達置候處、近來猥ニ相成、間ニは往
來差支候程之儀も有之哉ニ相聞候處、家主より一向ニ心
を付不申不埒之事候條、以來廻役よりも心を付候様、猶
又及達候條、彌以追々及達置候通、家主／＼より屹ㇳ心
を付候様、町中え及達候事
