津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■大つごもり

2019-12-27 17:49:36 | 書籍・読書

 月の最期を「晦日=みそか」という。一年の最後、十二月の晦日は特別に「大晦日」、「おおみそか」の方がなじみ深いが「大つごもり」ともいう。
資料によると陰暦の月末は、月が隠れることが多く「月隠=つきがくれ」と言ったものが、音変化して「つごもり」となったとする。

今年は年賀状も早めに出したし、なんとなく余裕の年末である。奥方は忙しくしているが、わたしはというと散歩とブログと読書で一日を過ごしている。
さて今日は何を読もうかと本棚を眺めているうちに、私にとっては年末恒例の樋口一葉の「大つごもり」を読もうと、岩波の薄っぺらい一冊を思い出した。
古い本で岩波特有の色合いが、ますます茶色く変色して少々不衛生にも思えるほどだ。
頁を開いて一気呵成に詠みあげた。文語体が味わい深い。
主人公のお峰は両親を亡くし、幼い弟を伯父・伯母に預けて自らは奉公に出ている。伯父も伯母も弟によくしてくれるが、伯父は病で寝込んでしまった。
8歳の弟は学校から帰ると、シジミ売りに精を出すが一家の生活は厳しい。暮れには借金の返済日が迫る中、お峰は安請け合いをしてしまう。
そして、当日弟がその金を受け取りにやってくる。切羽詰まったお峰は、とうとう主家の大事なお金に手を付けてしまうという話である。
「人情咄」の世界だが、意外な顛末も驚かされる。
伯父の家が「小石川」であったり、主家の沢山の貸家が「白金臺町」にあったり、そんな設定も愉快である。

毎年暮れになると必ず読んでいるが、年を重ねたせいか、少々うるうる状態の自分がある。
青空文庫に収蔵されているから、是非お読みいただきたい。https://www.aozora.gr.jp/cards/000064/files/388_15295.html

 

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■細川小倉藩(110)寛永元年・万日帳(十月廿五・廿六日)

2019-12-27 07:16:21 | 細川家譜

                        (寛永元年十月)廿五・廿六日

         |                                    
              廿五日 両人詰 天気能候 
         |
忠利書状到着   |一、広浜加右衛門、昨日酉ノ下刻ニ、江戸ゟ下着候由候、去月廿七日ニ江戸を罷出候由候、 御書参
         |   (米田是友)  (矢野)  (善右衛門)
         |  候、甚左衛門・助二郎・福田所へ御一通之 御書頂戴仕候事、
         |
         |一、御鉄炮衆弐人、江戸を当月九日ニ罷出、昨日申ノ下刻ニ下着候由候事、
         |                                  
古木小屋火事   |一、夜前五つ時ニ、ふる木こや火事出来仕候而やけ申候、残之御蔵共ハけきり申候、御材木なと少々
         |  やけ申候事、
         |          (博多)
黒田家朝鮮信使乗 |一、鏡善右衛門登城、はかた相ノ嶋ニ付置申候御小早参候、官人舟昨日五つ時分ニ参候、筑前ゟも引
船ノ引舟ヲ数多供 |                                         
出ス       |  舟共あまた出申候、こなたゟハ如何被成候哉、式ア少殿へ被参候而、其由たんかう可仕之由、被
         |   (申脱)
         |  渡申候、

         |        (厚狭)      (梶浦)                      (曾根、規矩郡)
米盗人ハ長門ノ日 |一、昨日長門国あさ之郡かぢうらノ孫市と申者、御国へ日用ニ参、そね村ニ居申候が、同村ノ甚五郎雇        |                   (京都郡)

         |  と申者の所ニ而、米壱石ぬすミ、壱俵ハ苅田へ持参うり、残壱俵ハ草ノ中ニかくし、取出シ候ヲ
         |  見付、からめ取候事、
         |
大工小屋ノ番人失 |一、林弥五右衛門登城、大工小屋之番ノ者、火事出来申ニ付、如何可仕哉と、式ア殿へ相尋申候へ
火ニヨリ入牢セシ |                    被  
ム        |  ハ、籠者可申付之由御申候間、其分ニ可御申付之事
         |                               平郡嶋松か崎(周防大嶋郡)
風難之米船米ヲ投 |一、式ア殿ゟ上納被成候御米、豊後ゟ西郷太郎兵衛舟ニつミ上せ候ニ、いわう嶋ニて大風ニ相申、
棄ス       |               (田中氏久)(加藤)            (祝嶋)
         |  御米うち申由、所ノ庄屋処ノゟ猪兵衛・新兵衛所へ状参候事、
         |

         |                                    
              廿六日 両人詰 晴天 
         |    (淡路)
         |一、樋口あわぢ夜前大坂ゟ下候事而登城候事、江戸ゟ御舟頭衆へ被仰渡儀候て、則あわちへ被申渡
         |                   〃
         |    (巨細)        衆
         |  れ、こさいノ儀ハ御奉行三人斗、ひノ口へ御申候事、不存候、
         |                        〃
         |     (小笠原長元)(米田是門)  (矢野)              (正直)  (慰英)
惣談       |一、式ア殿・民ア殿・與右衛門殿・利斎御登城にて、御奉行衆、河喜多・仁保なと御本丸へ被罷上、
         |  惣談候事、
         |
到津村ノ困窮セル |一、同中津御奉行衆式ア殿・民ア殿へ奉書参、到津村之善兵衛・孫三郎手前不罷成由、 三斎様被聞
百姓ヲ三斎召寄ス |  召付候条、中津御領へ可被召寄せ、御諚候条、被得其意候へとの儀ニ候、いかゝ御請合仕哉との
         |  儀、とかく 御諚次第、又ハ善兵衛・孫三郎次第ニ可仕との談合ニ究候事、則上田忠左衛門ニ式
         |  ア殿・民ア殿被仰渡候事、
         |同  (英貴)
下人大坂城普請ヨ |一、有吉頼母内こミかど惣左衛門下人、大坂御普請ゟ走り候ニ付、彼妻子をとり候て、田川郡之庄
リ走ル      |                              (築城郡)
         |  や所ニしちニ置候、然ハついき郡之内中津御領分之者ニ而候間、高塚村へ指返候へと、御年寄衆
         |  へ中津ゟ奉書参候、則御両人ゟ頼母殿へ被仰入、女帰候ニ相究候事、
         |
新銭鋳造     |一、新銭出来次第、銭遣ニ可被仰付哉と、御奉行衆ゟ談合ニ候、 御諚之上ニ候間、不及談合、銭出
十二月朔日寄り通 |  来次第遣候様ニ可被申付之由候、然らハ、十二月朔日ゟ遣候様ニ可申付之由候事、  
用        |
         |同    (加室、周防大島郡)
難破船船頭ヲ質部 |一、今度かむろにて破損舟之御船頭両人、ともニしちへやへ入置、穿鑿可仕旨被 仰下候ニ付、両人
屋ニ入レ穿鑿ス  |     (へ脱)
         |  共ニしち屋へ被入置候事
         |
家中へ懸リ米   |一、御家中へ懸り米大分有之儀ニ候、其内かゝり申間敷者も御座候、野田小左衛門中津ゟ罷帰次第
         |  ニ式ア殿へ寄相候て、吟味を可仕之由、式ア殿・民ア殿御申候、各同心被仕候事、
         |(横山重嘉)(仁保慰英)(栗野)    又                             (山か)
金山新銭鋳造場見 |一、助進・太兵衛・伝介御金山、新銭鋳申様子なと見候て、昨夕罷帰候事、幷高原次左衛門手前算用
分        |  之儀共被申渡候由候事、                   〃
         |

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■原文に触れる「阿部茶事談」(12)

2019-12-27 07:14:19 | 史料

                                 

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