津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■大日本近世史料・細川家史料「忠興(三斎)文書-元和七年」を読む (3)

2023-05-25 10:34:27 | 先祖附

忠興(三斎)文書-元和七年

311、九月廿八日書状
 ・鷹ノ鶴二ッ給、令満足候

312、九月廿八日書状
 ・上方町人ニ豊前ノ山林ヲ請ケシム

313、九月廿八日書状
 ・老後ノ慰ミノタメ鷹場ヲ所望ス
 ・惣国鉄炮留
 ・四郡ヲ三斎餌差場トセラレタシ

314、十月三日書状
 ・梅若ノ能面ヲ請取ル

315、十月七日書状
 ・亥ノ祝儀、令満足候

316、十月十一日書状
 ・常ニ目まいノ氣分

317、十月十二日書状
 ・鴈一ッ給、令満足候

318、十月十三日書状
 ・隠居見舞不参ニツキ無分別ヲ申シ後悔ス 
    (原文=我々隠居不見廻者共之事、此以前無分別ニてむさと志たる儀を申、後悔ニ候) 記事301、309参照されたし

 ・中山勘解由一両日中肥後下向

319、十月十八日書状
 ・家臣ヨリノ銀子返済ノコトナド聞届クル氣力全クナシ
  公儀傍輩ノコト以外ハ耳ニ入ルゝニ及ズ
 ・家中縁辺(結婚)ノコトハ関知セズ

320、十月十九日書状
 ・能興行ニ折給、満足

321、十月廿日書状
 ・家臣ニ取替タル家ノ代銀及ビ大坂ノ川舟ヲ忠利ニ渡ス

322、十月廿六日書状
 ・移徙祝儀ノタメ忠利中津ニ立寄ルノ要ナシ
 ・国中貸米ノコト
 ・立花宗茂書状拝見
 ・(忠興女相婿)臼杵藩主・稲葉典通と日出藩主・木下延俊ノ不仲ヲ和解セシメン

323、十一月五日書状
 ・臺子棕梠箒ナドヲ贈ラル

324、十一月十三日書状
 ・算用ノ餘米ヲ家中ニ貸すベシ

325、十一月廿日書状
 ・国中ヘノ貸米(500石程)
 ・家中貸銀取立分五十貫目ヲ請取ル
 ・大坂ニテ取立タル銀ヲ中津ニ送ラレタシ
 ・小身者ノ借米借銀取立
 ・三渕伊賀(好重=忠興叔父)借米可成取立、残候米ハ借状可被申付
 ・忠興袖判ノ上方借銀
 ・忠利江戸召連ノ者ノ借銀借米ヲ切米ト差引ク、銀子出入ノ者ハ穿鑿中

 (忠利十一月下旬小倉出立、京都吉田滞在を経て、十二月十四日江戸到着)

326、十二月廿七日書状
 ・松平忠直ノコト
 ・歳暮ノ祝儀、令満足候

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■大旱(ひでり)が産んだ村々の山車

2023-05-25 06:51:17 | 熊本

 熊本市古町の出身で大阪毎日新聞の取締役・編集主幹などの要職を勤め、後には明治大学教授となられた岡崎鴻吉氏は、昭和27年に「熊本御城下の町人」を上梓刊行されている。
酒屋さんを手広く商売を為されていたお宅らしいくその出自は毛利氏だという。
自らを「金あげ侍」と称される古町の有力者のお一人であったらしく、多くの古文書が残されていたらしい。
いわゆる永青文庫(侍世界)などに残る資料とは目線が異なる、熊本の町、又近郊の村々の様子などを書き記されて、その資料をひも解きながら展開する空気感が大変面白い。
今日もダメージがひどいその本の頁をめくっていたら、頭書の事柄に出くわして大変興味深くご紹介したいと思い引用させていただく。

 さて、明治六年は熊本は大旱(ひでり)であったらしく、県官は雨ごいの為に宮詣り令を出した。
そうなると、農民たちがいきり立ち、その年の七月には各地で作り物の山車(だし)を引き回して、太鼓を打ち鳴らして市の内外を練り歩いた。
その作り物は農村らしくない風流なものばかりで、小農貧農の頭から出たものではなかろうと推測されている。
当時のこれらの村々は、人口も多くはなかったと思われるが、藩政時代の抑圧された鬱憤を爆発させるようにこのように多くの村々が参加したことに驚きを禁じ得ない。

また御城下の西北部~西南部に広がる村々に限られているように思えるが、これはどうした訳であろうか?
村々の山車その他の記録が残っている。労を惜しまずにご紹介したい。

  横手村=猩々太鼓   御寺領村=山伏鐘祈・太鼓   筒口村=菊慈童   戸坂村=紅葉狩・太鼓
  春日村=春日竜神   久末村=社司二人太刀持傘持乗馬一匹馳   阿弥陀寺村=火玉・雷神馬上馳
  田崎村=小野道風・太鼓   八島村=吉野静・太鼓   宮寺村=水王人形・太鼓・社司馬上馳
  古町村=玉遂ひ竜・僧都馬上馳   新土河原村=雨乞小町・太鼓・大菁(かぶ=大きな町巾一パイ)
  田崎村=清姫 但鐘ひき音頭子供五十人、鐘高さ二間・大きさ町巾だけ)
  権藤村=菊尾花・太鼓・山伏六百人余、僧平貫蔵院但人形俗にいふ低鼻院
  島村=牛蒡・太鼓・頼光大江山歸陣鬼首   島新村=浪走兔・太鼓・天拝山神楽舞雷神
  荒尾村=月に薄・太鼓・稲田姫   十三村=宝珠・海女の珠とり・太鼓   土河原村=雨乞小町・太鼓
  今村=小野道風・太鼓・雷神馬上  刈草村=珠・風王・太鼓   池畑村=輿竜神・太鼓
  上・中・下椎田村=芦蟹・大亀(巾町巾、長さ五間)   上白石村・上大久保村・妙実村=牡丹蝶・龍虎
  大保村=石鳥居・熊野権現額文・熊野尼大団扇   渋江村=三宝・神酒徳利麦藁細工・奴振
  白石村=唄船・太鼓   村名不詳=稲田姫   浜口村=弓削道鏡・太鼓   畠口村=珊瑚珠大鯨魚尽し
  正保村=傘行列
     

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