市電が熊本市公会堂の前を走る写真がありそうなものだと探していたら・・・あった。
熊本百景の内「洗馬川および公會堂付近の景」とネーミングされた絵葉書である。
洗馬川とは現在の坪井川のことだが、当時はそう呼んでいたのだろうか。右手に御幸橋がありその向こうに公会堂日本館と公会堂が見える。左端には市電が見え、市役所前から坪井川沿いに来て、桜町の大通りに入る様が写されている。
山頭火が酔っぱらって市電を止めたというのはこの辺りのことであろう。
(この写真は、Postcard Museumの文字があるように、此の版権は神戸市にある「絵葉書資料館」に属している。そこでA4サイズに拡大した写真を
一枚注文したいと思っている。写真が手元に届くまではお許しいただいて、到着次第写真をスキャンして差し替えようと思っている。)
大正13年、熊本市は桜町一帯で「国産共進会」というイベントを行っている。そんな時期にはまだ市電は桜町を直進していた。
公会堂は13年の暮れに竣工したとあるから、この写真は国産共進会も済み賑わいが一段落した後のものであることが判る。
市電の路線が現在のようになるのは、昭和3年のことである。