洗浄液が出来上がると、早速羊から刈り取った状態の原毛をその液に浸します。洗浄液に浸した瞬間、繊維に付いていた汚れがさーと洗浄液に溶け出すのが分かります。驚くほど汚れがしみ出てきます。この時に気をつけることは、湿らせるように洗浄液に入れてそのまま浸しておくことです。絶対にもみ洗いをしてはいけません。もみ洗いすると繊維がフェルト化しまって以後紡げなくなってしまいます。
原毛を洗浄液に浸す
浸した後、洗浄液が冷めない1~2時間そのままにしておきます。1~2時間すると手でつまむようにして原毛を取り出します。ざるの上に濡れた原毛を置いて洗浄液が自然に流れ落ちるのを待ちます。濁った洗浄液や底に沈下している細かなゴミは捨てます。なお、原毛を一度目の洗浄液から取り出すまでの間、次のお湯を沸かして二度目の洗浄液を作っておきます。このようにしながら原毛を二度か三度洗浄します。
一度目の洗浄 二度目の洗浄
羊の種類や汚れの程度によって洗浄回数を加減します。普通ならば三度洗浄すれば十分でしょう。このようにすると驚くように原毛が白くなり油分が除去できます。最後に水で原毛をすすいだ後、天日で乾燥します。
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