とても古い木製電気アンカの修理をしました。このアンカは私が子供の頃にあった物で、内部はニクロム線を使いながら外側は木製のアンカです。今のようすぐに温まらなくて、じわじわと温まるアンカです。ところが、内部の通電ランプが故障しているため今では点燈しません。このため通電して温まっているのかどうか分かりません。
子供の頃にあった、懐かしい木製電気アンカ
修理のため分解してみました。案の定、内部ほこりだらけでした。圧搾空気でゴミを吹き飛ばして、さらに布巾で拭いて掃除しました。
このアンカは、ニクロム線に電気を通して熱を出す仕組みです。中学生の頃にこのニクロム線部分を取り出して小さな温室を作った記憶があります。当時、ニクロム線と一緒に取り付けてあったバイメタル温度調節器を使って温度調節をしました。
ネジをはずして内部のニクロム線を露出
温度調節器には、バイメタルと言って異なる種類の金属を張り合わせたものを使っています。現代のような半導体素子を使っておらず、古典的な機械式温度調節器の一つです。二つの金属の温度膨張率の違いを使って電気接点をON/OFFします。
アンカの天井は金属板で被覆 四角部分が機械式温度調節器
通電しているとき点燈するランプはネオン管でした。調べるとネオン管自身が取り外されていました。これでは点燈するはずがありません。さらに、回路を丹念に調べると昔間違って修理したのか、ネオン管に直列につなぐ抵抗がが誤って接続されていました。たまたま持っていたネオン管を取り付け、抵抗(100KΩ)も正しく取り付け直しました。
あるはずのネオン管が無し 新しくネオン管を取り付け
新しいネオン管と抵抗を取り付け終わると、100V電源を通電しました。すると、ほのかにネオン管が光りました。ネオン管は今や、ほとんど使われない電球の一種です。私が中学生や高校生の頃によく真空管機器(ラジオ,アンプなど)によく使ったランプです。発行ダイオードのようなとげとげして光ではなく、何か温かみがある光でした。また、光がゆらゆら揺れるのも魅力の一つです。
ネオン管の温かみのある橙色の光
ネオン管が光るのを確認すると、ニクロム線部を再び木製アンカに収めました。この電気アンカはなかなか温まらないのが欠点ですが、ひとたび温まると手で木部を撫で回したくなる暖かさが魅力です。
温度が規定まで上昇すると、通電が止まると同時にネオン管の光が消えます。そして、規定以下に温度が下がると、軽くカチンと言う音と共に通電してネオン管が光り始めます。そして、再び温度が上昇します。このようにして温度が一定内に保たれます。
温度調節ダイヤルと、通電して光っているネオン管