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ねばり強い子は幻想か

2008年05月13日 | 読書
 『「捨てる力」がストレスに勝つ』(斎藤茂太著 集英社文庫)
の冒頭に、エジソンの6000回の失敗例を挙げてこんなことを書かれている。

 ねばり強さというのは、試練に「耐える力」から生まれるものではない。・・・(略)・・・・ねばり強さのヒケツは「気にしない力」「捨てる力」にある。

 確かに…。そういう見方もあるなあと考えていて、何気なく目に入った書棚の一冊の教育雑誌の背表紙。
 『児童心理 特集 あきっぽい子・ねばり強い子』(金子書房)
 なんと1999年の3月号である。

 ぺらぺらめくってみたら、巻頭論文が実に骨っぽい。
 のっけから特集に疑問を呈する内容だ。

 「あきっぽい子・ねばり強い子は幻想」

 和光大学教授(当時)の岸田秀という人が書いている。

 「あきっぽい・ねばり強い」は教師や親の価値判断だけではないかと斬り捨て、そんな「操作」はやめるべきと、ばっさりである。そこまで書かれてしまうと、公教育のあり方が全否定されているようであまりいい気持ちはしない。
 子どもの見方をもっと複眼的にということは賛成だが、好きなことだけ興味のあることだけに向かわせれば良しとする考え方は、まさに「幻想」ではないのか。

 自分に対しても、子どもに対しても、安易なラベリングは避けるべきではあるが、現実に立ち向かうには直截な言葉で括ってしまうことも必要だろう。