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わりに便利な言葉

2009年03月14日 | 雑記帳
 ICTの活用についてのアンケートがきて、その用紙をみたら選択肢の言葉が、こうなっている。

「わりにできる」「ややできる」「あまりできない」「できない」 

 四択なので意図はわかるにはわかるが、気になった。
 「わりに」である。
 今までも同じアンケートはあったが、こうした言葉遣いではなかった気がする。他のものでもこの「わりに」は記憶がない。

 「わりに」と「やや」の比較の問題である。確かに使い方として「やや」は「少し」ということだろうし、「わりに」はそれ以上なのかもしれない。しかし、その境目はなかなか難しい。

 早速、電子辞書である。広辞苑は「わりあいに。わりと」だけだが明鏡だと「思ったよりも」が足されている。あまり、ぴんとこないなあ。
 和英辞典の語意がぴんとくる。「比較的comparatively」そして、なんと「かなりfairly,rather」とでているではないか。そうか、「わりにできる」は「かなりできる」と同義なのだ。じゃあ、なぜそう表現しない。

「かなり、とか、よく、とかにすると、その選択肢にマルをつけづらいんじゃないですか」
と同僚がいう。
 なるほど、もっとも。「わりに」に惹かれて?一番左を選ぶ人が多い…つまり、教員のICT活用能力は高まってきていますよ、という展開をねらっているわけか。ちょっと穿った見方でしたね。

 しかし、電子辞書検索はまだまだ続き、「わりに」を類語のシソーラスで検索すると、こういうグループになるのです。

「平凡 無難 割に」 

 ICT活用において、この仲間であることは喜ぶべき…かな。
 なんとまあ便利な言葉であることよ。いや、わりに便利というべきか。