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やけに使えない言葉

2009年03月16日 | 雑記帳
 「わりに」なんていう言葉のことが頭にあったからだと思うが、ぺらぺらめくっていた読書誌に載っていた文章の一節にまたひっかかってしまった。

 オレの女房はアメリカという国の社会システムについて、ヤケに詳しくなっているじゃん、と。

 「ヤケに」である。
 「わりに」といったらやはり「やけに」でしょう、という思考が働いてきた。この文章でのカタカナ使用はおそらく強調だろう。なにしろ「ヤケに」が4ページ中、8回も登場している。やけに多いのである。ちなみに筆者は向井万起男氏。

 一昨日書いた「わりにできる」という選択肢があったら、その上に「やけにできる」というレベルがあってもよくないか。頻度、程度を表わす比較の言葉としてはそうあるべきだろう、なんていう思いが浮かぶ。

 まあしかし「やけに」という言葉の持つ響きは、実際あまり好ましい印象ではないからなあ、と思いつつ電子辞書で確認してみる。

 広辞苑「むやみに。やたらに」
 明鏡「程度がはなはだしいさま。やたらに。むひどく」

 文例も「~寒い」「~暑い」というものしかなく、何か人為的でない方向での使い方のようにも思う。この言葉が使えないのはそんなところかと思いつつ、例のシーソラスのグループで出てきた言葉は、なんと「とんでもない」である。

 やはり公的なアンケートには無理か…でも、もしあったら少し面白い。ICT活用は「やけにできる」…そういう選択肢にマルする存在がいてもいいだろうし、ある種そこまでの自信を持っていることも時には必要ではないか、って、あなた少しヤケになっていませんか。