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桜と絵本と豆乳と

このインデックスを使いこなせ

2021年08月12日 | 読書
 野口芳宏先生を招いての研修会が開かれるというので、参加する前に頭を「教育モード」にしようと選んだ。しかし、結局『三流のすすめ』を読み進めず、さらに他の文庫本に手を出し、昨日読了となった。本はすっきりした構成で読みやすかった。今の教育を考えるときのインデックス的な使い方が出来る一冊だ。


『教えられること 教えられないこと』(明石要一  さくら社)


 内容の大半は承知済みだ。しかしいくつか現在の自分にフィットする部分もあった。今もってなぜ野口先生の研修会に参加するのか、自ら問いかけたことはなかったが、もしかしたら「口伝」を求めているのかもしれない、と気づかされた。「『文書』と『口伝』」の項は、現実の場と照応させると、とても面白く思えた。



 五輪競技を観つつの期間だったので、紹介された有名な言葉について考えた。「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」…世界でも第一人者と認められている日本選手の数人が敗れた。サッカーや陸上競技リレーはメダルを取れなかった。必ず訳がある。それをどこまで突き詰め、打開していけるのか。


 その意味で最終章の「『積み上げ方式』から『逆算方式』へ」という項は、これからの学びとして典型的かもしれない。「降りていく学び」という言い方もあった。目標に向かって進むことは同じだが、そのルートや時間配分などに差が出てくる。個々として結局、何を大事にしたいか。「今」の充実度が問われる気がする。


 「弥生文化」「縄文文化」「海洋文化」「狩猟文化」の特性にふれた箇所も興味深い。社会変化の激しさ、地域社会の現状など複雑に絡まる今、個人としてどの特性が強く、足りない部分にどう対応していくか、と考えてみることは有益だ。特化的か汎用的かいずれであれ、教育も人生も決断するのは自分だ。