すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

そのバランスってイツモ?

2023年01月02日 | 雑記帳
 依頼されている短い原稿を書き始めようとネタ探しをして、去年1月に書いていた読書メモを読んだ。『親子のための地震イツモノート』という防災関連本である。次の文章を引用していた。「地震が起こる可能性は、モシモではなくイツモ。イツモしていることが、モシモのときに役立つ」うん何事にも当てはまる。


 「いつも」を辞書で調べるが、意味は言うまでもない。日本語大辞典に「子見出し項目」と載っている慣用句が面白い。「いつも正月」は「年中楽しく暮らすさま。また、気楽なさまをいう」とある。「いつも月夜に米の飯」も想像できる。「年じゅう月夜と米の飯が続けば申し分ない」だ。幸福感の原型のようだ。


 イツモはモシモに通ずるという考えは非常に大切だ。漢字にすると「何時」となるが、書初めに選ぶ一字とすれば「」になるだろうか。もう少し辞書を読み進めてみる。「いつも」と「いつでも」の表現の違いも興味深い。習慣的な事柄について時間を均一化する「いつも」と、その時その時に視点を据える「いつでも」。


 そして「常に」は「恒常性に重点」と記されている。ううむ、「恒常性」か。そういえば「」は「つね」として名前にも多い。知り合いも複数いる。恒常性といえば、生物学用語なのか「ホメオスタシス」という語もあるではないか。バランスがいい、安定しているという意味にも通じる。「恒」にクローズアップ!!


 大漢和には会意文字で「月の弦のようにぴんと張りつめた心を示す」とある。ふさわしいではないか。ところが、改めて国語大辞典で「恒」をみると「易の六十四掛の一つ」つまり占いの字であり「雷風恒ともいう」を発見。「雷は風をよび、風は雷をよび、両者は互いに呼応してやまないさまから恒久の義」…えっえっ。