すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

旅に満たず満たされ

2023年11月01日 | 雑記帳
 久しぶりに隣県山形へ。いわゆるコロナ禍が収まってからは初めてか。接種証明のいらない宿泊だから…。ここ三年ぐらい、割引は十分利用した。それも社会還元と口にしたが、正直割引が無くなるとやや出足が鈍る。やはりセコイと苦笑する。そういう精神では、なかなか寛げないぞ…とわかってはいるが貧乏性だ。


 天気が悪く紅葉は今一つだが、食と温泉でのんびりできれば…と考え、昼は「手打ちそば」の店へ。住宅地にあるそこは2階が玄関のお洒落なつくり。老夫婦二人の切り盛りか、雰囲気はゆるやかに流れていた。出てきた蕎麦は確かに手打ちだが、これは…と絶句するほどの普通さであり、そば王国にもばらつきがある。




 泊まったのは古い旅館をリニューアルしたという宿。決め手はドリンクインクルーシブ(滞在中の飲み物無料)である。しかし、これも「バイキング不得意」を自認する者にとっては、なかなかに難しい話だ。食事前に旨いと多く飲めば、料理は楽しめない。ビール、日本酒、ワイン…と堪能しつつ、どこか満たされない


 露天には、直径一間以上の味噌樽を使った風呂桶があった。食事前はメインテナンス中と書かれてあり何だよと思ったが、就寝前に再び行ったら湯が張られている。月が雲に遮られながら薄明るく、湯面を照らす。他に客は誰もいない。こんなにいいロケーションはかつてあったか。味噌樽に浸かり心身を大きく伸ばす。


 朝、地元新聞を見てにやり。さすがのローカルさ、愛着を感じる紙面づくりだ。休日・平日を問わない頻度で芋煮が催される証拠と言える。さて、旅の目的の一つはあるお菓子を買い求めること。直売は店のみである山田屋の富貴豆。帰宅してから、さっそく賞味し、とたんに笑顔が出る。この味は唯一無二だと思う。



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