百醜千拙草

何とかやっています

検察の暴力が民主主義を破壊する

2009-03-17 | Weblog
今回、政治活動に多大な影響を与えるのを明らかに予期して、検察が行った強制捜査と逮捕は、癒着財政団体による陰謀であると、事情を多少なりとも知っている国民のほとんどは考えていると思うのですが、柳田先生のブログで指摘があったように、実は、検察そのものがある種の政治的イデオロギーを持っていて起こしたクーデターの可能性もあるという意見を聞いて、「無いとはいえない」と思いました。
そして、次の様なニュース

地域政党「新党大地」代表の鈴木宗男衆院議員は6日、BS11デジタルの報道番組「インサイドアウト」に出演し、小沢一郎民主党代表の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件について「検察が世直しするという正義感をかざす青年将校のような動きだ」と指摘。受託・あっせん収賄容疑で逮捕された経験を踏まえ「検察は世論の反応を聞きながら事件を作る」と非難した。

2.26事件ほど直接的ではないだけに、余計、不気味です。いきなり強制捜査、逮捕という信じがたい暴挙を行っておきながら、検察はその行動の正当性について、全く何の発表もしません。これでは、検察はキチガイに刃物と非難されても仕方ないでしょう。
もういい加減、この話題をやめようと思っているのですが、相変わらず、読売をはじめとする自民党広報新聞の偏向報道はひどいもので、ノンポリの私でも、辟易とします。マスコミにおいては、「社会の木鐸」とか、もっといえば、「プライドや矜持」とかいう言葉はとっくの昔に、死語なのでしょうね。「関係者によると」という言葉で始まる原典不明の信用性のない情報を垂れ流す前に、マスコミはまず、その関係者とは誰であるかを明らかにしなければなりません。この時点で、報道のいろはの「い」もできていないということです。これは既に「風説の流布」であり、匿名で誹謗中傷を書き散らす卑怯者と同じです。検察が捜査情報をマスコミに流すこと自体、違法ですから、「検察のリークによると」とは書けないことをマスコミは知っているわけで、彼らも自分たちが、検察の犯罪の片棒を担いでいることには、十分わかっているのです。
 検察が主導したにせよ、癒着財政団体が手を回したにせよ、今回のような検察の行動は憲法違反であり、民主主義に対する重大な冒涜です。そして、もしこれが検察の内部にいる人間の政治的信念に基づいたものであるとするなら、検察はオウム真理教と変わりません。ならば、今回の小沢民主党を狙い撃ちにしたガサ入れは、テロと言ってもよいでしょう。テロは始末に悪いです。やっている本人に病識がないからです。数年前、病気の我が子を、悪霊が取り付いたためであると思い込み、悪霊を追い出すためと信じて、両親が叩き殺した事件がありました。またベジタリアンの親が新生児に動物性だからという理由で母乳やフォーミュラを与えず、餓死させた事件もありました。検察がこういった異常精神の支配下にあると考えるのは、単に利害関係に基づいて悪を為す場合よりもはるかに、やっかいです。
 今回、検察は、従来、自ら禁じ手にしていたことを、しかも次期首相の可能性の高い野党党首を狙って、やってしまいました。ということは、小沢氏を絶対に失脚させるという相当の覚悟があってやったか(そうでなければ、小沢氏失脚に失敗して、小沢氏が首相となれば、今回の特捜の責任者はただでは済みますまい)、あるいは病的な信念に基づいて、後先考えずにやってしまったか、いずれかであろうと思うのです。従来、政治への影響には神経質であった検察が、今回のように傍若無人な捜査を行ったというのは、ひょっとしたら、異常精神のなせる業であったのかも、とふと思ったのでした。あるいは、単純に、ロッキード、リクルート、佐川急便事件と、これまでは、検察のリーク情報をそのまま垂れ流すマスコミを使っての世論誘導が成功してきたので、検察は、国民を甘く見ているのかも知れません。現在、インターネットによって、国民が手に入れる多角的な情報量は何十倍にもなり、国民の多くは既に新聞やテレビの言うことを素直に信じなくなっていることを計算に入れていないのなら、今回の暴挙でしっぺ返しを喰うのは検察の方でしょう。
 最近、Time誌に小沢一郎の特集インタビュー記事が載っていることを知りました。Timeも、現代日本の政治と官僚構造を正すことができる人材は、他にはいないと考えいるようです。政治家が官僚に牛耳られている日本の状況では、国民の声は結局、社会に反映されません。官僚支配の終焉、霞ヶ関解体を目指す小沢民主党を、国家権力が必死に潰そうとしているわけですが、もし、これが検察の精神の病によるものなら、それこそ、政権交代を通じて、このような病がはびこる体質を改善してもらわないといけません。      
コメント
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