百醜千拙草

何とかやっています

無責任隠蔽体質

2011-03-18 | Weblog
地震、津波での多大な被害に加え、未曾有の放射能汚染危機で、心配しながら動向を見ておりますが、政府、電力会社の認識と諸外国での放射線事故の程度の認識の程度の差に唖然とするばかりです。アメリカは原発から50マイル(80キロメートル)以内を避難対象とするべきだという公式見解を発表し、フランスは事故の程度はスケール7の内の6であり極めて深刻だ、という専門家の意見を発表しているのに、一方、日本政府はおそらく50マイル半径の住民の避難が困難と考えているのか、30キロの住人でさえ屋内待機させている状況です。メルトダウンがこのまま進んで中性子爆弾となれば、周辺何十キロと吹き飛ぶわけで、今の政府の対応では、「想定内」の「想定外」が起こった時の被害は測り知れません。原発は作業員も被ばくが多すぎて長時間作業することもできず、作業員の数も限られていることから、事実上、お手上げ状態。冷却は年単位で必要なわけですから、非効率なヘリによる散水でコントロールはできないでしょう。

この未曾有の惨事が未曾有の無能内閣で起きたという悲劇、今日のニュースだと、悪徳弁護士を副官房長官にしたそうで、この空きカンは死んでも治らんな、と思いました。ついこの間、尖閣諸島問題で責任を那覇地検になすり付け、問題発言を繰り返して、更迭され、政治ゲームで策略を弄することしか能のないことが露呈したばかりではないか、この国難に際して、空きカンとか悪徳弁護士とか枝豆とかの無能を絵に描いたような人間が集まれば集まる程、迷走してますます国民に迷惑を及ぼすことが、分からないのか、と心の底から怒りがふるえ出ました。

それにしても、日本(の少なくとも一部)がこの様に放射能にまみれて廃土になる日がこんなに突然くるとは思いませんでした。日本だけの問題ではなく、世界中に核反応炉はあるわけですので、世界中どこに行っても安全な場所などないのですが。国の安全よりもわが身の金銭的利益を優先してきた原子力行政と発電事業が起こした人災です。

事故から5日も経ってからようやく韓国にホウ酸の支援を要請したとか、13日時点での情報では、既に米海軍はホウ酸注入を提案して援協力を申し出たのに、東電はホウ酸を入れると永久廃炉になるとかいう理由で断ったという話です。振り返って言うのもナンですけど、これが本当なら劣悪な判断ミス、おそらく隠蔽体質によるものでしょうが、悔やんでも悔やみきれません。

この国は政府を見ても分かるように、自分に都合の悪い事は手遅れになるまで隠しておく隠蔽体質であり、かつ責任を負うべき地位にある人間が誰も責任を引き受けず、切羽詰まったら「想定外」という言葉で言い逃れようとする無責任国家です。早い話が利己主義小人の集まりが国を運営してきた悲しい国です。
今回の地震、原発事故を見ても、政府は前回の阪神大震災から何も学ばず、電力会社はチェルノブイリやスリーマイル島から何も学ばなかったのが明らかです。何も学ばなかったというよりも、学んで教訓を生かそうという気持ちさえなかったと言えるでしょう。とりあえず自分だけ良ければよい、そういう小人が官僚や政治家や天下り原発事業のトップをやっているのですから。
こうして人間はわが身を自ら滅ぼすのかと情けなくなりました。

お手上げとなってしまった今、政府や電力会社の危機管理の甘さを責めたところで仕方がありませんが、最悪、日本国全体が放射能で覆われるというシナリオは避けなければなりません。
 現場で文字通り身の危険を省みず、必死に働いている人々には本当に頭が下がります。事態の収束が明らかでない今、本当のチェルノブイリを考えないといけないでしょう。原子炉周辺数十キロは多分、何十年に渡って立ち入り禁止となることになると思います。地域の被害を受けた方の心中は察するに余りあります。沖縄で駐日米軍の被害を受けてきた人々も同じ思いでしょう。どうして中央のために地方がここまで犠牲にならねばならない理不尽に私も憤りを覚えます。


一方、耐震偽装で地震に対する安全性が全く足りないのに建てられたらしい、静岡の浜岡原発の操業停止を訴える署名活動が活発化しています。

http://www.geocities.jp/plumfield995/

原子力発電所の耐震偽装を告発したのに、全く黙殺された元技術者の人の証言。
http://www.mynewsjapan.com/reports/249#estimate
コメント (1)
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