百醜千拙草

何とかやっています

No Nukes! (4)

2011-03-29 | Weblog
地震から3週間たって、海外では、この地震のニュースはだんだん扱いが小さくなり、エリザベステーラーが死んだとかリビアの攻撃状況とか、英国王子の結婚式のケーキとかがトップニュースになってきています。リビアの攻撃も確かに深刻な問題でしょうが、人道的見地からの介入とか言いながらも産油国で反米のリビアのオイルに手を出したい英仏の思惑が臭ってきて、嫌になります。しかし、思うに、福島第一原発の問題は、外国から見ても、既に遠い日本という国で起きた大惨事で、自分たちには関係ない、という気分でいることができないほど深刻になっていると思います。

福島第一原発の状況、毎日のようにゾッとするような情報が小出しにされています。経緯を踏まえてこの報道状況を見ると、かなり危機的状況にあるのは間違いないようです。4基の反応炉すべてが冷却系がストップしてダメージを受けたということは、広瀬隆さんが言われているように、一基でもコントロールできなくなれば、作業危険が大きすぎて、他も手がつけられなくなり、「お手上げ」となるということを意味しています。(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5735)

2号基から通常の1000万倍(その後、10万倍に訂正)の放射線が検出されたとニュースを受けて、アメリカの核科学者、Michio Kaku氏も同様の見解を示し、作業がますます困難になってきており、状況は悪化しつつあって最悪の場合はチェルノブイリを越える規模の災害になるだろうと述べています。

核燃料格納器はどう考えても破損しており、かなりの放射性物質が大気、周辺の土壌、海へと拡散している様子です。とくに3号機で使っていたらしいプルトニウムを含む燃料がどうなっているのか心配です。東電、政府、マスコミは一切、プルトニウムのプの字も口にしません。この半減期が二万年以上もある危険な放射性物質が周囲に拡散したという情報が流れたら、パニックになると考えているのではないでしょうか。東電はプルトニウムを測定する器具がないので外部に委託しているとかいう言い訳をしたそうですが、この辺の反応をみても、政府も東電もプルトニウムが周囲に実は拡散していることを知っていて隠しているのではないか、と勘ぐらせるに十分です。永遠に残る放射線汚染を考えただけで気が重くなりますが、今の状況はチャイナならぬアメリカシンドロームに向けて着実に進行しているように見えます。下手をすると長崎原爆の数百倍の規模の中性子爆弾となって辺り一面を吹き飛ばすことになるかも知れません。

今朝のニュースでは、ついにアメリカ東海岸にも福島原発のものと思われる放射性物質が検出されたとのことです。そんな中で世界の日本政府や電力会社の危機管理の杜撰さ、事故への対処のまずさに加えて、情報隠蔽に対する不信感が強まって来ているようです。コメントに戴いたように、日本でも国民の空きカン政権に対する失望感と不信感は多大なものがあり、阪神大震災時に新進党を率いた経験があり、議員の信頼があって、ゼネコンにも顔が利く(?)、小沢氏に指揮を取ってもらいたい、という声を多く聞くようになりました。既に日本だけの問題ではない原発事故に対処する政府の拙劣な対応は、今後の復興、外交にすでに大きなマイナス点をあたえています。空きカンは情緒不安定になって、突然、泣き出したり怒鳴り散らしたり引きこもりになったりしているという話も聞きます。この未曾有の国難にあって、日本という国全体の舵取りをする立場の人間がメルトダウンしているという話ほど、情けなくも気が滅入る話はありません。自ら有能者に助けを求めることができないなら、誰かが引導を渡してやらねばならないと思います。

それにしても、人間はバカでした。人類の英知などというものはただの猿知恵に過ぎませんでした。後悔先に立たずと言いますが、もうどうしようもありません。何とか事態の収拾を祈るのみです。
コメント
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