百醜千拙草

何とかやっています

バカはバカをやる

2015-07-17 | Weblog
Crispr/Cas9でマウスを作る実験をぼんやり考えていたら、思わぬところから、あるヒトの遺伝性疾患のマウスモデルを作りたいという話がやってきました。話を聞いて見ると、蛋白をコードしない領域に単塩基変異を入れたいということでした。通常のCrispr/Cas9でノックアウトをつくるよりもかなり難易度が高そうです(ただでさえ、私はCrispr素人ですし)。それでCriprの経験のそこそこある人々数人と戦略について相談しました。この実験の問題は非コード領域への単塩基変異の導入をするのですが、その変異以外の変異を入れたくないということでした。相同組み替えを利用したCrispr/Cas9を使っての変異の導入では、repair templateにガイドRNAと全く同じ配列を含めてしまうと、相同組み替えで望む変異が一旦入った後もCas9が生きている間は、ゲノムは断裂と修復を繰り返すことになります。となると相同置換よりも遥かに効率のよいNHEJで修復が起こって、望むような単塩基変異ではなく最終的にindelの変異になってしまう予測されます。これではダメです。これを防ぐために通常はrepair templateのガイド配列相同部位かPAMにわざと無害な変異をいれるわけですが、今回はそれが基本的にできません。ですので、ガイドの配列を変異を導入したい塩基を含めて設計し、一塩基ミスマッチを入れるのが精一杯です。変異部位をガイドの中に含めようとすると必然的にガイドの選択は極端に狭まります。そして、PAMの位置と変異導入部位はできるだけ近づける必要があります。結局、この条件を満たすガイドは一つだけでした。そして、そのガイドの効率をコンピュータで予測させてみると、「良くない」という結果がでて、ガックリしたところです。後は実際に予備実験をして効率を見るしかなさそうですが、どうしたものか前途が不安です。

自民と公明党は、勝てば官軍、憲法も法律もなんのそのと、安保法案を強行採決。こういう「うつ」になってしまいそうなときこそ開き直って、できることをするしかありません。人間、「恐怖」に捕われるから鬱になるのです。すぐにはどうにもならないことをどうにかしようともがくので無力感と焦燥感からパニック発作を起こすのです。自分でできることを確実にやり、すぐに力の及ばないことは、心配したり、恐怖を覚えたりしてはいけません。残念ながら日本の政府は、欲に駆られたどうしようもない連中がつるみ、数にものをいわせて、やりたい放題している状態です。それを一般国民はどうすることもできないというのが現実です。しかし、他人はコントロールできません。XXを治すこともできません。ましてや相手はXXに加えて数の暴力で強行採決という刃物を振り回しているのです。いくら気に入らない現実でも、それをまずは受け入れた上で、できることとすぐにはできないことを分けて、できることから確実にやっていくしかありません。

安保法案の強行採決に先だって反対の声はより高くなっていました。

ジブリの宮崎監督が辺野古への米軍基地恒久化移設と安保法案とアベ政権の愚劣さを厳しく批判。 
沖縄県名護市辺野古(へのこ)への新基地建設計画をめぐり、反対する市民運動を支援している「辺野古基金」の共同代表を務めるアニメ映画監督の宮崎駿氏が十三日、東京都小金井市のスタジオで外国特派員協会所属の記者と会見し「沖縄県民の半分以上の人たちが、新基地建設に反対している。永続的にあらゆることをしていく」と訴えた。
 宮崎氏は、国会審議が進む安全保障関連法案について「軍事力で中国の膨張を抑えるのは無理な話。もっと違う方法を考えないと。そのために私たちは平和憲法をつくった」と述べた。
 「憲法は占領下の産物ではないか」との問いには「十五年戦争の結果、三百万人を超す同胞の生命が失われた。そこに差し込んだ光が平和憲法だった。それは(第一次世界大戦後に各国が締結した)不戦条約の精神を引き継いだもので、決して押し付けと見られるものでない」と話した。
 安倍晋三首相に対しては「自分は憲法解釈を変えた男として歴史に残りたいのだろうが、愚劣なことだ」と強く批判した。


結局、安保法案、与党はいきなり強行採決。自民党はともかく、公明党、これでは「平和の党」とはとても言えません。踏まれても踏まれてもどこまでもついていくゲタの雪、単に与党の旨味を失いたくなかっただけの様子。
14日の日刊ゲンダイ、憲法学者、小林節氏のインタビュー記事から抜粋。

「結論を先に言いますと、強行採決は行われると思っていなければなりません」
こう言う小林氏は、その根拠をこう説明した。
安倍内閣はそういう体質だからです。『上御一人』ということです。子供の時からそういう育ちをした人は、何があっても、爺や婆やがその通りにしてくれました。周りには2種類の人間がいて、ひとつは、あの方と同じような先祖代々の世界、価値観の人たち。もうひとつは、秀才なのだけれども、その貴族集団にゴマすることで出世しようとする政治家・官僚たち。良心を売って新貴族階級に自分を入れてもらおうとする価値観しかない人たちです。ですから『殿、だいぶ風雲急になってきております。作戦を変えてはいかがでしょうか』とは言えない。言った途端、クビを切られるから。ですから暴走自動車は止まりません」、、、、
 小林氏がまず挙げたのが野党共闘だ。 いま我々が何よりも考えるべきことは、史上最悪の政権の退場です。この国は“狂った迷走状態”に入っている、日本丸という巨大な船。船長がいかれているのですよ。それなのに周りのクルーが『あんたが大将』と担いでいる。我々はこの船のオーナーであり受益者です。狂ったような船員集団を追い出さないといけないのです」
 小林氏は最後にこう力説した。「今回、強行採決をされても、諦めないで下さい。予定通り、バカがバカをやっただけです。『やっぱり来たか! バカ野郎!』と言っていればいいのです。強行すれば、参院選はつまずく。いや、つまずかせる。違憲訴訟も準備しています。法律が成立してしまったら、その瞬間から我々の平和的生存権がシクシクと害され続けるのです。たくさんの人が集団訴訟を起こすでしょう。今日も弁護士会でお願いをしてきました。『何百人という話も出ていますが、1000人の弁護団を作りませんか』と。そうすると、地裁の裁判官も『違憲』の判決を出しやすくなる。私は死ぬまで諦めません」
(取材協力=ジャーナリスト・横田一)  


愚劣な動機でバカがバカをやっているのですが、残念ながら私たちはすぐに止めることができません。バカはバカを自覚できない故にバカをやっていることもわからない。だから簡単には治せない。でもあきらめずにできることをやりましょう。この世は因果応報、天網恢々です。必ずアベ内閣は遠からず終わります。対米隷属も必ず終わる時がきます。あきらめなければ必ず報われます。
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