百醜千拙草

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2015-12-11 | Weblog
野坂昭如さん逝去ニュース
寂しいですね。戦後の昭和という時代がまた遠くなった気がします。そういえば数ヶ月前、安保法案に反対する野坂さんの言葉を書いた覚えがありました。その時の言葉の一部を再録。

言っておく。国は国民の生命、財産について保障などしない。国が守るのは、国家、国体である。かつて愚鈍なリーダーの下、大日本帝国は崩壊していった。戦後70年、今再び日本は破滅に向かって突き進んでいる。安保法制は、戦争に近づく。血を流すことになる。


愚鈍なリーダーが国を滅ぼす、まさに、今、現在、起きつつあることです。

愚鈍なリーダーが国を滅ぼすのは日本に限ったことではありません。

「全イスラム教徒の入国禁止」 トランプ氏に批判続出 というニュース。

二〇一六年の米大統領選に向けた共和党指名争いで支持率トップの不動産王ドナルド・トランプ氏(69)は七日、米政府に対し当面、イスラム教徒の入国を完全に遮断するよう要求する声明を発表した。、、、 トランプ氏は「米国を、ジハード(聖戦)だけを信じて理性を失い、人の命を尊重しない人々による残虐な攻撃の犠牲にできない」として、国が状況を把握するまで、イスラム教徒の入国禁止措置を続けるよう訴えた。、、、

何という論理の飛躍、あたしゃ、この人の方が理性を失っているとしか思えませんね。ミスコンの若い娘を集めて住まわせている成金趣味のNYのトランプタワーを思い出して、急に気持ち悪くなってきました。こういう俗物道を極めたような人間がアメリカ大統領候補の候補か、、、、(てん、てん、てん)と思います。ま、アメリカの心配をしている場合ではありませんけど。
共和党もパッとした人がいないし、とにかく選挙に勝てる候補を出すのが第一だと思っているので、話題性があって知名度が高く、担ぎやすい人間が欲しいということで、こういうことになるのでしょう。かつて話題性だけで共和党の副大統領候補に急に祭り上げられたアラスカ州知事のことを思い出します。本人のトランプにしたら大統領選はTVショー程度に思っているのではないでしょうか。政治はショーだというのは、当たらずと言えども遠からずですが。それで、保守白人層を主たる支持層にもつ共和党ですから、移民問題、テロ、この辺を争点にすれば共和党員の支持を得られやすいとトランプ本人は計算しているのかも知れません。

また、支持率低下に悩むフランス与党が、パリでのテロのあと、渡りに船とばかりに、「ISISを制圧し、フランスをテロから守る」と急に勇ましくなったのも、ある種の下種な計算があったからであろうと容易に想像できます。

アベ政権も、アメリカからの無理筋の上意下達をムリヤリに通して、ついでにカルト集団まがいの「日本会議」の倒錯した理想を実現するために、外国が攻めてきたらどうするのだ、と恐怖を煽り、改憲だ、戦争だ、と息巻いています。本当の事情を知らない単純な人は頼もしいとさえ思うかもしれません。そうした人々、口車に乗せやすい人、自分で考えるよりも声の大きい人の意見を素直にきく人、などを集めるために、選挙年齢を引き下げ、NHKや新聞報道に圧力をかけ、と姑息なマネをしてきているわけですし。ま、アベ氏本人が「そうした人々」の典型例ですけど。

岩下おじさん、来年の参院選に向けてのアベ政権の方針について、次にように書いています。

来年の彼らの札束攻勢は何段にも用意されている。先行きの経済がどうなろうと国家が破綻しようととにかく目先のゼニをばら撒けば悲願の憲法改正が行える千載一遇のチャンスなのだから、年が明ければ直ちに次々と7月まで「は」躊躇することなく札束の雨が降ることになるだろう。

それも

軽減税率導入とかわずか三万円のばら撒きをする一方で、公務員や大企業正社員を上げたり法人税を切り下げることにより格差をますます拡大させて行くとこを狙っているようにしか見えない。

なぜなら

格差で増えた下層の民の行きつく先が追い詰められた挙句「戦争」にしか展望がなくなることを安倍一族はよ~く知っているからである。


ざんねんながら、このままだと、国民は兵糧攻めにされ、アベ政権の口車にのって、ニッポン軍に入隊して、アメリカ戦争産業の手下となって、中東で人殺しの手伝いをさせられることになるでしょう。

多少、関連して、

パリでのテロに関して、鳩山元首相が、イスラム国とワシントンとのつながりについて、11月に講演会で語っているYoutube映像を見ました。



遠からず消されてしまうかもしれないので一応、要点だけ書いておきます。

オランダのジャーナリスト、ウォルフレンさんがメールをくれて、ウォールストリートジャーナルの編集者、ポール クレイグ ロバートソンという人が書いた記事を紹介してくれた。その中で、イスラム国というものはCIAによって作られたものだ、とある。その記事では、現在でもイスラム国はワシントンからサポートを得て、ワシントンに依存していることが書いてある。さらに、現在、フランスの政権が危ないことやドナルド トランプが共和党からの大統領候補指名を受けようとしていることなど(イスラム国のテロを政治的に利用できる人間がいる)が述べてあり、イスラム国の行動に関して、誰が得をするのか、よく考えてみる価値があるとある。これらが真実かどうかはわからないが、イスラム国が(他の利権集団とのつながりなく)単独で行動しているとは考えにくい部分が多すぎると思う。
真実は必ずしも目に見えない。自分も総理の時に真実が目に見えなかったために短命政権に終わったのかも知れない。


こういう話を、陰謀論と一蹴し、思考停止することは容易いです。しかし、目の前で起こっていることが単にイスラム過激派のイディオロジカルな行動だと考えてしまうのでは、あまりにナイーブすぎるでしょう。文学青年なら三島由紀夫でもいいでしょうが、世の中の多くの人々はもっと身も蓋もない現実を生きています。無差別テロをやることによって、一体、誰が得をしているのか、は考えておくべきであると思います。

ノーム チョムスキーは、出版されるニュースメディアの情報だけから、アメリカが世界にしてきたことの真実は容易に分かると言います。行間を読む、すなわち、書いてあるべきであるのにもかかわらず書いていないことを理解するだけの読解力を持てば、普通に流れるニュースから、真に起こっていることを理解できるということでしょう。とりあえず、読売と東京新聞を読み比べてみればいいのではないでしょうか。

この世の中、人間を動かすもっとも大きな動機は「欲」です。その欲も多くの場合、自己利益です。その「欲」の目指すものは、パワーであり、すなわち、金と権力です。テロ行為で誰が金を儲け、支配力を手に入れるのか、とても「イスラム国」だとは思えません。そそのかされ、洗脳されてテロ行為をさせられた人々もある意味、被害者です。オウムの実行犯みたいなものでしょう。イスラム国やアルカイーダ、そうした組織を作ったり、動かしたりして得をする(金と支配力を得る)のは誰か、ということです。

地球は狭くなり、人間が持つパワーが大きくなった今、人々は、個人や一族の「欲」だけではなく、人類全体として地球を守り共存することの大切さを学んできました。それが人間としての進化であると私は思います。しかし、まだまだ先は長そうです。
コメント
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