百醜千拙草

何とかやっています

参院選帰趨

2019-07-23 | Weblog
参院選の結果は、まだまだ道遠しですが、希望を持たせるものでした。「れいわ」は当選者はALSの舩後さんと木村さんが比例特定枠で当選。重度身体障害の国会議員、これは国内外のメディアが大きく取り上げるでしょう。また当選者こそ目標の5名には届かなかったものの、比例での「れいわ」の得票率は4%、東京選挙区での野原さんの得票率は3%を越え、政党要件をクリアしました。この急ごしらえの政治団体が4.5%の比例票を集めるというのはすごいことです。前回、山本太郎が東京選挙区で集めた票が60万。今回、れいわが集めた票は200万。これらをテコに次の衆院選ではより有利な戦いができます。今回の山本氏の落選は残念でしたが、これは想定内、次の衆院選では党首討論に出てきますし、メディアも正式な政党である「れいわ」を無視できませんし、政党助成金で金銭的にもかなり有利です。今回、個人献金を集め10人を擁立して、その固く閉じられていたドアに片足を突っ込み、硬い既得権を守っている鎧にヒビを入れました。次の衆院選が楽しみです。

それにしても、やはりこれは有権者の問題。誰が投票しても一票は同じ重みです。民主主義教育を怠り、一億総白痴化政策をとってきた政権の作戦が効いています。今回の投票率は五割を切りました。アメリカなら大学教育を受けている都市部の若者の投票率はおそらく8割以上でしょう。市民は民主主義国家の当事者そのものであり、投票は社会の構成員としての義務であると考えていると思います。

大阪選挙区、辰巳さん、亀石さんの落選は残念です。そして、代わりに当選したのが、維新と自民と公明党、ちゅーのが悲しいです。野党のフリをする与党の補完勢力にしか過ぎない維新、大阪が強いというのはただの地元びいきでしょう。維新の比例で鈴木宗男が当選。被選挙権を回復してから数年前からひたすらロシア外交ど素人のアベにゴマをすりまくっていた鈴木宗男ですから、これも維新は自民の補完勢力であるという証拠の一つなのかもしれません。

本当の保守なら、これらの詐欺集団ではなく、野党に入れるべきです。どう考えても、立憲やれいわの方が保守。共産党ですら、アベ自民党に比べたらはるかに「保守」です。メディアはいまだに「右と左」、「保守とリベラル」というような単純なラベルを貼って単純化したがり、自民党は自動的に保守政党と考えますが、違います。イデオロギーで党色を塗り分けられたのは50年前の話。あえていうなら、今は「右か左」ではなく、「上と下」の戦いです。民主主義を蹂躙し一部のカネと力を持っているものが大多数の国民を奴隷化するのを推進する売国政党、つまり現在の与党と維新、と、国民の生活が第一のそれ以外の党、です。そして、立憲主義に基づいて憲法を守ろうとするのが保守、手前の都合の良いように憲法を変えてしまえ、というのが独裁アベ政権です。自民党と公明党が、保守ではなく、憲法を変え、消費税を増税し、福祉を削り、税金を自分の取り巻きに横流して、国民生活と日本の社会基盤を破壊しようとする危険で凶暴なテロ組織なのは、元衆議院議員の平野貞夫さんによって、アベが内乱予備罪で告発されたことに示されています。そして、公明党は、カネと力に目がくらみ、「平和と福祉を破壊する党」と成り果てました。

わざわざ、自分の首を締め、搾取しようとする連中に投票する大多数の「下」に属する人々は、もう集団自殺するために群れて飛ぶイナゴの大群のようです。たとえ、死に向かって集団で飛んでいても、自分の頭で考えて行動するよりは、何も考えずにみんなと一緒に飛んでいる方がとりあえず「楽」だ、長いものに巻かれる方が「楽」だという刹那主義的思考停止の結果かもしれません。

それにしても、与党の徹底した低投票率を目指す作戦、は本当に情けない。胸を張って堂々と成果と政策を訴えたのでは、支持を得ることができないのがわかっているので、一般市民には選挙があることさえ周知させないように、マスメディアには選挙の話題を極力控えさせる。
もっともクソなのがNHK。久米宏、生放送で、メディアが政権に人事と予算で首根っこを押さえられているような国は先進国とは言えない、と批判。「れいわ」の応援に駆けつけた森達也監督、取材にきていたメディアに向かって、(もはや社会現象となったれいわ)を報道しないのなら、記者でも報道でもない、単なるサラリーマンだ、と批判。れいわの選挙後の記者会見でも、山本太郎氏、いつまで、政権のケツを舐めるつもりなのか、とNHKを批判。

与党の姑息さ、卑怯さには限りがないですけど、失笑の的になったのは、公明党党首の山口氏の選挙ポスター。「公明党」の「こ」の字も書いてありません。公明党を全面に出すと票を失うと思ったのでしょう、党首のクセに。それからアベ、批判を恐れて、コッソリと演説日程を隠して選挙応援にくるような臆病者の腰抜けが総理大臣。「アベのステルス演説」と言われていますが、今回の選挙戦でも、「アベ辞めろ」と叫んだ一般人を警察に排除させ、派遣労働者のサクラを雇ってツアーバスで演説会場を固めて抗議の人々を遠ざける作戦。このアベの行動は、まさに、恐怖にかられ、自分に自信のない人間のそれです。 ま、この男もさすがにこれまででしょう。



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