百醜千拙草

何とかやっています

ポンコツ

2020-10-13 | Weblog
あるプロジェクトの半ばで、ポスドクが事情で辞めることになり、代わりの人を探し始めました。なかなか求めるような人は見つからないし、プロジェクトの期限は限られている上、雇用のプロセスに数ヶ月はかかるということで、ようやくまとまりかけた話も潰れ、半ばあきらめかけていました。そこへ、もう一人応募があり、専門がずれていたので最初は無理だなと思って断ったのですけど、よく見たら非常に学業優秀で、こちらの求める技術の経験があることがわかり、別の話が潰れた後であったこともあって、ダメでもともとと連絡をとりなおし、Zoomで話をしたら思いがけずお互いの条件も一致することがわかり、トントンと話が進みました。うまくいけばいいなと思っています。
申請書書きはとりあえず山場を越えつつありますが、もう一つ重要なデータがまだ揃っていません。あせってもどうしようもないので、データがでるまでは周辺整備をします。望むようなデータが揃わなかった時にどうするかを考えています。

さて、日本の没落ぶりに多くの人が危機感を抱いています。大した観光資源も、自然資源もない島国で、優秀な人材が唯一の資源でしたが、日本人が優秀だったのも今は昔となりつつあります。頑張っても報われない社会、学問の優秀が将来の発展にも生活の安定にも寄与しなくなった国、文化が軽んじられ、正直と高潔さは軽んじられ、拝金主義が進み、こつこつと積み上げる努力はバカにされ、インターネットビジネスや株式博打で如何にレバレッジを利かせてうまくカネもうけできるかが優秀さだと考えるような唯物的刹那的な社会、自分さえ良ければ国民も国の将来もどうでもよい思っている下劣なウソつきが政治の中心にいるような幼稚な国で、どんな優秀な人材が育つというのでしょう。貧すれば鈍するのは世の常。過去20年、先進諸国で日本だけが成長せず、ほぼ唯一の負け組で、気がつけばアジアの貧乏国になっている。「Japan as No 1」と言われて経済戦争で世界を制し多額の貿易黒字が問題となったころから30年でここまで急激に没落するとは思いもしませんでした。人々も、文化や学問にかまっている暇はなくなり、生きていくための日銭を稼ぐので精一杯。小泉時代からの数々の売国政策のツケです。教育も会社も、社会奉仕の側面を忘れ、カネもうけに走り、受益者負担主義を進めてきた結果、二極化が進み、社会がどんどん貧しくなりました。会社は利潤の追求のためだけにあるのではなく、社会にサービスと職を提供するためにあり、大学や研究機関は教育ビジネスでカネもうけするためではなく、学問の追求を通じて社会構成員の知的成熟を助けて、より住みやすく安全な社会を作るためにあります。ところが、これまでの与党政権は、自らの権力を維持することだけに腐心するが故ゆえに、国民から税金を絞り上げて私物化し、国の財産を叩き売り、歓心を買うためだけに60兆もの税金を外国にばらまき、企業経営者の利益のために被雇用者の不正規化を押し進め、国民生活を不安定にし貧困化をどんどん進めた上、国民には自助、共助、自己責任で放置するということをしてきました。当然の結果として少子化、生産力の低下、人材の枯渇を招きました。そして、ようやくこの無能な利己主義者のアベが辞めたと思ったら、こんどはアベに輪をかけて無能な上に邪悪な男があとを継ぎました。官房長官時代のあだ名は「ポンコツ」。スポークスマンなのにまともに質問に答えられず、司会をつかって質問妨害までする、そのポンコツぶりが、総理となって、より際立ち、早速、日本学術会議の人事に介入してやらかし、諸外国のメディアからも批判を受けました。先日、アベ政権の厳しい批判記事を載せた科学雑誌の「Nature」も、10/6のエディトリアルで、政治的ニュースをなぜ科学雑誌であるNature が扱わねばならないのか、という意見表明をし、そこで、トランプの批判に加え、このポンコツの学術会議への政治介入を「2004年に首相が任命するようになってから初めての事件だ」と懸念を示す批判記事を載せました。日本は物質的のみならず、知的にも貧乏になる一方で、池田先生の懸念は現実になりそうです。

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