ルールルルル、ラーララララ、と、ふと、由紀さおりさんの「夜明けのスキャット」を思い出したどうでもいい話。
だんだんやる気も減退ぎみですけど、初歩のフランス語を毎日5-10分ほどまだ続けています。言葉というのはパターンの暗記と認識で、単語ではなく、文やフレーズのレベルで覚えていく必要があり、多少の単語を覚えても理解もできないし、しゃべれもしないということがよくわかりました。
英語と違って、面倒なのは動詞や名詞の変化で、同じ言葉が主語や性別によって全く違うものに変化してしまいます。性別に関しては、フランス語のフレーズに出てくる一般名詞は大抵、冠詞がついているので、フレーズで覚えると男性名詞と女性名詞は自然と覚えます。大体名詞の6割ほどは男性名詞のようです。
ときどき、紛らわしいものがあります。例えば、メスのパンダとか、オスのキリン。パンダは男性名詞でキリンは女性名詞。実際の性別と名詞の性が一致しない場合は、外国人にとっては混乱します。パンダという言葉が男性なので、話題になっているパンダがメスだろうがオカマであろうが、文章上はパンダは男性として扱うということなのですけど。
それでは、最近、新しく出現したものの性別はどう決められているのかという疑問が湧きます。例えば「COVID-19」の性別はどうかという議論があるのを見つけました?現実には、COVID-19は男性名詞として扱われており、「Le COVID-19」 です。
これに関して、Academie francaiseが興味深いコメントを出しています。
通常、言葉の「性」はその言葉の核になるものの性別に従うということらしいです。ですので、新型コロナウイルス(SARS-CoV2)なら、ウイルスは男性なので、その性は新型であっても二型であっても男性です。しかるに、COVID-19は、コロナウイルスによって引き起こされる病気であり、ウイルスではありません。ところが、COVID-19は男性名詞であるウイルスによって起こされるということで、政府やパスツール研究所は、最初にCOVID-19を男性名詞として扱い出し、それが広まったたので、一般に男性名詞として扱われているという現状があるようです。
しかしながら、本来、COVID-19は病気の名前であり、病気 (maladie) は女性名詞なのです。とすると、「COVID-19」 は女性名詞の「maladie」の一つですから、本来のルールに従えば、女性名詞として扱われないといけません。
そういうことで、アカデミーは、慣例の「Le COVID-19」ではなく「La COVID-19」とするのが望ましいという見解を示した、というほんとにどうでもいい話でした。