バーチャル学会は、大変便利だと思います。コロナが終わっても大きな学会はこのフォーマットでやるのがいいと思います。発表者にも聴衆にも負担がすくないです。しかし、テクニカルな点も含めて二、三問題がでてくることもあります。
今年の始めごろに発表者として参加した時は参加者も100人以下のズームのセッションだったので五分前にログインして、一時間ほどやって終わりで、スライド以外に何の準備もしませんでした。それでも発表中になぜか、Macが非常に遅くなってしまい、途中からスライドの切り替えに十秒ぐらいの遅れが出るようになって、困りました。リモートの会合では、コンピュータやコネクションの不安定さが脆弱性の原因となると思います。そういえば、以前、ズームのセッションで、突然、発表者のスライドが遮られて、ポルノサイトの宣伝が動画音声付きで流れるという事件がありました。使われているコンピューターに忍び込んだマルウェアが発動したのか、あるいは誰かがいたずらでハッキングしたのでしょうか。ズームを立ち上げ直して再開しましたが、発表者も参加者もホストも妙に冷静であたかも何もなかったかのように発表が進んだのが印象に残っております。
数千人が参加する昨年のウチの学会の年会もバーチャルでしたが、ライブでのさまざまなトラブルを想定したのか、発表はあらかじめ録画したものを流して、質疑応答だけライブでやるというスタイルでした。リモートだとライブでやった場合、不都合が出た場合にフレキシブルに対応できないという理由だろうと思います。
今回の初参加の学会は、規模もせいぜい数百人程度だろうと考えていたので、私はてっきりズームでライブと思い込んでいました。一月ちょっと先なので、来週ぐらいから余裕をもってボツボツとスライドを作ればいいかなと思っていたのですが、事務局から連絡が来て、あらかじめ録画しないといけないということがわかりました。それも自分で勝手にはできないようで、事務局指定のサイトで予約を取ってやらねばならず、一発取りのスタジオ レコーディングになるということがわかりました。これはライブでやるよりプレッシャーが高いです。
しかも、録画サイトの予約状況をみたら、なんと二週間先以降には空きがありません。かつ、時差があるので、とんでもない時間にやらないといけないようで、すっかり予定が狂いました。とりあえず、もっとも遅いスロットを予約しましたが、このスケジュールだと、スライドは一週間で仕上げ、原稿を書いて、次の週にリハーサルをやって推敲して、を普段の仕事の合間にやらねばならぬようです。今のところ作業進行度はゼロです。これでは、衣装とメイクに気を使っている余裕はなさそうです。
引き受けるべきではなかったかなあ、と多少後悔しはじめたところで、もう一通メールがきました。今度はそのセッションのスポンサーとなっている企業からで、ギャラが出るとのお話。スライド準備時間も含めて計算した額を払ってくれるそうで、企業っていいですね。ひきうけてよかったかも、と思い直しました。