この話題をここまで引っ張る気はなかったのですけど、長くなってしまいました。歳をとると話がくどくなります。
一口でまとめると、この20-30年の日本の国力の急激な衰退は政治の腐敗が原因です。前世紀末以降、民主党政権の一年目(鳩山/小沢)を除く二十年あまり、利権でしか動かない自民党のみみっちい政治のツケが現在の惨状を生み出したと言って過言ではありますまい。経済は一流、政治は三流と言われ続けた日本が、いまや経済も二流、三流、政治といえば目を覆うばかりの腐敗ぶり。
われわれは、目の前の自分たちだけの利益のみを追い求めようとする賤しい根性で、政府も総理大臣も平気でウソをつき、法をねじ曲げ、国民、弱者を見捨て、強者に阿ねる、未曾有の政治腐敗ぶりを見せつけられてきました。その腐敗がピークに達したのがアベ政権、その腐臭を放つ政権のゴミ箱のフタとなったスガはそのあまりの無能ぶりがたたって、現職でありながら総裁選に出ることさえも許されずに終了、結果、「透明人間」キシダがその腐敗政治をつぐことになりました。この男には主体というものがない。それ故に、ゴミ箱のフタとしてはスガよりもはるかに役に立つのであるが、国民にとってはより厄介なのです。
さて、今回の参議院選挙後、3年間の選挙空白期間を利用して自公政権は暴走し、消費税はさらに上がることになります。一方で、国民へのサービスはますます悪くなり、貧困化は進み、格差は広がり、予算は軍事費にあてられ、日米軍産の金儲けとそのキックバックのために使われます。
日本経済がここまで衰退した直接の原因は消費税であるのは間違いないと思います。輸出産業は円安時代の戦後経済を引っ張りましたが、GDPの6割は内需です。国内の消費、経済活動の不振が主な原因であり、それを作り出した原因が消費税です。
その問題点を述べる前に、そもそも政府が消費税に関して国民に説明してきた「消費税は社会保障の財源」という短い言葉の中に複数の大きなウソがあることをわれわれは理解しないといけません。そもそもこの言葉自体が矛盾です。社会保障とは国民の経済の安定を主目的とするものです。5割以上の国民が生活苦を訴えている中で生活必需品にさえ課税して、その生活苦を一層強めている時点で消費税は社会保障を直接破壊します。
第二のウソは、前回、前々回と述べましたように、徴税の目的は財源確保ではなく、主に経済の安定化などの社会機能の調節のためであり、消費税は財源ではないこと。第三のウソは、先日NHKで自民党政調会長がどうどう言った「消費税を社会保障だけに使っている」というウソ。予算というものがある以上、財源と言う言葉を便宜上使うにしても、消費税に関しては一般財源ですから、社会保障に限定して使われているわけではありません。それどころか、アベはそれを社会保障以外の用途に使っていると国会で答弁までしている。
山本太郎が党首討論で述べたように、30年前、消費税が導入されたのは、直間比率(直接税と間接税の比)是正が名目でした。すなわち、そもそもが、法人税を減税してその穴埋めをするものとして導入されたものであり、「社会保障の財源」という新たな言い訳は増税に際して編み出されたものに過ぎない。
加えて、税金の中でも消費税は特別に悪い性質を持つ税です。消費税の大きな問題点については前々回に紹介したサイトでもまとめられてありますので、リンクしておきます。是非、一読をおすすめします。
このサイトでは、消費税の三つの大きな問題は、①安定化装置(ビルト in スタビライザー)の機能が無い ②消費性向の高い人ほど実質的な税負担が高くなる ③雇用を不安定化させる と指摘してあり、その理由が述べられています。消費税こそが、現在のように非正規雇用が増えて雇用が不安定化した原因の主要原因となっています。そしてこのサイトは、山本太郎の指摘すると同じく、「消費税は、企業減税のために導入されたもので、日本経済や国民のことを考えた仕組みではない」と結論しています。繰り返しますが、消費税は、社会保障の財源ではなく、法人税減税の目的で導入されたものであり、税の本来の目的に反く悪税であるということです。
それでは、最初の疑問に戻って、そもそもなぜ日本政府やマスコミはウソの言い訳を主張して、国民を苦しめることばかりをするのか、なぜ日本政府は他の国がやっているような当たり前にやるべき経済政策を行わず、「先進国で唯一、経済政策の失敗によって貧困化した国」と評されるようになったのか、という本題ですが、また長くなってしまったので、続きは次回。