百醜千拙草

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環境問題、宇宙からのメッセージ

2007-10-26 | Weblog
随分前に出版された立花隆の「臨死体験」という本では、臨死体験の体験者へのインタビューを通じて、その体験とはどういうものかを多面的に考察されているのですが、その中で著者は、死にいく過程の研究で有名な精神科医であるエリザベス キューブラー ロス博士にインタビューしています。私も若いころ、病気で若くして亡くなっていく人々に接する機会が少なからずあったので、「死んでいくこと」がどういうことなのか知ろうとして、キューブラーロスの著作も含めて死について書かれたものを数多く読んだ覚えがあります。結局、何ら満足できるような答えは見当たらず、死ぬということは非常に個人的なものなのであろうという漠然とした思いが残っただけでした。ロスの活動は後に、他の人の手によってホスピスという概念と実践に結びつく事になります。ロス自身は三年前に亡くなってしまったのですが、十年近く脳梗塞の後遺症に苦しんだ後、彼女自身の死の床に際して、「自分のやってきたこと(死にいく人の心理を科学的手法において理解しようとすること)は無駄だった」という旨のことを言ったと伝え聞きました。死への心理的プロセスとは客観的に記述できる類いのものではないとの実感から出た言葉なのか、あるいは死のプロセスの研究が自分自身の死へと向かう苦しみに対して無力であったことを実感したからなのか、今となってはロスの心境は想像する以外には知りようもありません。その立花隆のインタビューで、ロス自身が臨死体験者であること、幽体離脱といわれる肉体からの解離体験の持ち主であることを私ははじめて知りました。興味深いことに、ロスは臨死体験に際して、自分が死に向かっていることを自覚しており、「死んでいく」ことに対して大変ポジティブな興奮を覚えたことを(いわば、死んでいくことの喜び)語っています。
 またロスは幽体離脱体験を雄弁に語っています。幽体離脱とかいうと、常識的な人はすぐ眉につばをつけ出しますが、体験者は相当数いるわけで、これを皆が理解できるように説明できないために、こうした経験は余り深く研究される事なく放置されています。しかし、いわゆる「ニューエイジ」が流行った頃は、 幽体離脱 (Astral projection, astral travel)の訓練法の手引書なども出版されており、私の知る中では、30日のトレーニングでアストラルトラベルができるようになるという本を見たことがあります。目的は自分の体を抜けて空間と(時間)の制限を越えて移動できるようにすることです。私もちょっと試してみましたが、トレーニングの二日目で脱落しました。どうもトレーニングすれば誰でもできるといった類いのものではないようです。ともあれ、ロスが立花隆に語ったアストラルトラベルの話は、かなり驚くべきものでした。本はもう手元に無いので記憶を頼りに書いていますが、アストラルトラベルができるようになったロスは、何万光年を旅してどこかの星雲に住む人間よりはるかに優れた知能を持つ宇宙人と話をしたというようなことを語ったのです。そして興味深いことに、その宇宙人は現在の地球の環境破壊の様子について、この環境がもとに戻るには非常に長い時間がかかるというようなことを言ったと彼女は語っています。私はいわゆる霊感とか超能力とかゼロの人間ですが、そういった特異能力を持つ人と何人か話した経験から、自分の目に見えないものも無闇に否定しないし、むしろ積極的に存在の可能性を認めようとする立場です。フロイトよりはユングの説を支持しますし、オカルトとかニューエイジとか十把一絡げにして「怪しい」とレッテルをはっておしまいという非科学的な態度は軽蔑していますから、いつかは是非とも自分自身でこうした経験をしてみたいと望んでいます。自分の身近な人の体験談などから、「死後の世界はあって、死に行く時にはお迎えがやってくる」ということは、私自身は見たことはありませんが、文字通りに信じています。昔の知り合いの小児科の先生は、お迎えや死んだ人が見える人で、病棟の誰かの死が近づくとお迎えの人が見えるのでわかるのでした。この程度のことは私も信じているのですが、宇宙人については、宇宙人と話をした人が身近にいないこともあって、私もロスの話をどう解釈していいのかよくわかりませんでした。常識的には、何万光年も離れた所に幽体とは言え移動できるのか (アストラルトラベルの訓練書では、徐々に肉体から距離を離していくようにトレーニングするように書いてあります)、その知能の高い宇宙人とはどのように会話をしたのか、(少なくとも私は幽体状の人と会話できる自信はありません)どういう言語を用いたのか、あるいは言語以外の方法で意思疎通したのか、どうしてその宇宙人が何万光年も離れた地球の様子を知っているのか、考え出すと謎だらけです。ロスが虚言を吐くような人であるとは思えませんから、ロスの語ったところは、事実であったか、少なくともロスが事実であると認識しているところのものなのだと思います。その経験そのものは置いておくとして、もし全て本当だとした場合、宇宙人の地球環境へのコメントは、ちょっと怖いものがあります。宇宙人でさえ地球環境の破壊度を心配しているのですから、これはやはり大問題なのだと思います。
 人類が誕生するずっと前からの地球の歴史を遠方から眺めれば、現在人類の「破壊」した環境というのは、ちょっとした変動のうちにしか過ぎないかも知れません。変わらぬものなどないのですから、「破壊」と言わずに「変化」と呼ぼうとする立場があっても不思議はありません。しかし、こういう考えは、人類が自ら滅亡に向かって加速しながら一直線に進んでいるという現状を少しも変えはしません。人類の滅亡もその「変化」のうちですが、自分もその子孫も先祖も人間の一人であるという事実を実感として持っており、自分や家族や子孫はかけがえのない大切なものであると考えているのなら、日々おこっているこの「変化」は滅亡に向けての人類の「自己破壊」であると認識しなければならないと私は思います。
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