長崎県知事選で民主党候補者の敗退の理由について、新聞では、相変わらず小沢氏や鳩山氏の金の問題と結びつけようとしています。ネットでの意見はまだ余り出始めていないのですけど、私には、今回の敗退は、沖縄基地問題が未だに「ゼロベース」でLimbo状態であるのが原因であると思うのですけど、そういう意見が現時点で(小沢氏を叩きたい新聞に出ないのは当然かも知れませんけど)あまり見かけないのが不思議です。
アメリカが辺野古への普天間基地の移設を希望しているのは、実は、辺野古の海岸が軍港に都合がよく、米軍基地の拡大に向いているからだそうです。つまり、辺野古の海岸に基地を移設するということは、実は単に普天間が危険だからという理由ではなく、もっと本格的に沖縄を米軍の永久駐留地としたい、という意志があるわけです。これを自民党が押して来たのは、アメリカへ日本の金で極東基地を提供し沖縄にツケをさらに押し付けることによって得られる「見返り」があるからこそです。我が身さえよければ沖縄の人々のことなどどうでもよい、という意識があったのです。
国外移設を主張する社民党と連合政権を組んだ民主党は、口を濁したまま、とりあえず五月という期日をきって逃げました。その間にアメリカの意図を測り、交渉戦術を固めようということでしょう。国会前に決断を先送りにしたのは、私は賢明であったと思います。もしも、早く結論を出していたらどうだったでしょうか?辺野古移設を認めるという判断であると、連合を組んでいる社民党とは間違いなくもめて政権は不安定化するでしょう。そして、新聞は公約違反をネタに叩きまくるはずです。一方、辺野古移設をしない、という結論にすると、今度は、(旧政権時代に)一度は決めた国と国どうしの取り決めを反故にし、日本の安全保障を危険に晒すつもりか、と新聞に叩かれるでしょう。いずれにせよ、新聞に攻撃のネタを提供することになります。
前にも書いたように、沖縄基地問題は民主党政権のアキレス腱となる可能性がある大きな問題です。この問題、日本が独立国家としての誇りをもった一人前の国でありたい、と国民が思うならば、結論は、国外移設しかありません。「安全保障」とかはただの言い訳で、有事の際にアメリカが日本を守ってくれる筈などないというのは、中東の泥沼戦争で忙しく国家の経済力がどんどん落ちて行っているアメリカを見れば、小学生でもわかるでしょう。安全保障という点からは、日本は中国と協定でも結んだ方がましです(もちろん、実際は不可能ですけど)
さて、米軍基地を国外移設できるかどうかは、アメリカが極東基地としての辺野古をあきらめれるかどうか、そして金の問題でしょう。もし、グアム近辺に軍港になるような海岸があって、移設費用を日本が出すのなら、アメリカは二つ返事だと思います。そもそも、米軍の殆どを5年以内にグアムに移すというのはアメリカの計画なわけですし。思うに、辺野古であれば、軍の維持費は日本持ち、アメリカにとってはそれがベストに決まっています。しかし、いずれ、グアムに移るつもりのアメリカですから、もし辺野古でないならば、日本の別の土地に基地を移すメリットはないでしょう。ですので、日本政府が辺野古案を拒否して、十分に金を積めば、すなおにグアムに直行してくれるだろうと私は思います。
新聞は、辺野古にはヘリポートを移設するだけで、危険な普天間基地での事故を減らす目的だ、みたいなことを言うわけですけど、勿論、本音では軍港としての永久的基地の拡大を前提としている、というようなことは報道しません。ですので、日本本土の多くの人が、もし辺野古案も国外移設案もダメになった場合に、国内県外移設の線が出て来たときのことを心配するのは、当然であろうと思います。(上記の理由で、私は、国内県外移設という線はまずないと言ってよいと思います)そして、長崎県はその国内県外移設となった場合の候補地の一つです。「ゼロベース」で普天間移設問題が議論されている状態の中での長崎知事選での民主党候補の敗退は、私が思うに、「長崎に米軍基地が来てもらっては困る」という県民の意思表示ではないかと思います。民主党候補の人も、もちろん長崎への基地移設反対を掲げてはいますが、与党推薦であるため、万が一、長崎県への基地移設案が浮上した時に民主党に顔を立てて寝返るかも知れない、そう考えて県民は投票を見送ったのではないでしょうか。ならば、票差はあるとはいうものの、若手で知名度が劣る候補であるということを考えると、それでも2位というのは、立派なものだと思います。一方、同じ理由で、自民公民からの候補に票が入ったのではないでしょうか。つまり、県民としては自公民の政策を応援しようという気はないと思うのです。票を入れた人は、もし長崎が米軍基地移転候補となった場合に、辺野古への移設を決めた時の政権政党であるが故に、「長崎への米軍移転には反対するはずだ」との考えにプラス前副知事で知名度で勝っていたという理由でこの人に投票したのであろうと想像します。
ですので、この知事選での民主党候補の敗退の理由は、小沢氏の問題とかではなく、候補者自身の知名度の問題に加えて、基地問題の帰趨がはっきりしていない時期であるというタイミングが悪かったのだ、と私は思います。もし、この選挙が普天間基地問題がグアム移転と決まった後であれば、あるいは逆の結果となった可能性もあると思うのですけど、如何でしょうか。
追記。
過去の長崎県知事選での自民党と民主党の得票率を解析したデータをどこかのサイトで目にしました。それによると、過去の二回に比べて、自民党支援(または推薦、公認)候補の得票率は今回、最低となっているようで、一方、民主党推薦候補の得票率は今回、最高となっているようです。この傾向は、むしろ長崎県民の自民党離れ、民主支持が進んで来たことを示唆していると思われます。確かに得票数では大差でしたが、前回、前々回は、もっと極端な大差がついていたようです。
アメリカが辺野古への普天間基地の移設を希望しているのは、実は、辺野古の海岸が軍港に都合がよく、米軍基地の拡大に向いているからだそうです。つまり、辺野古の海岸に基地を移設するということは、実は単に普天間が危険だからという理由ではなく、もっと本格的に沖縄を米軍の永久駐留地としたい、という意志があるわけです。これを自民党が押して来たのは、アメリカへ日本の金で極東基地を提供し沖縄にツケをさらに押し付けることによって得られる「見返り」があるからこそです。我が身さえよければ沖縄の人々のことなどどうでもよい、という意識があったのです。
国外移設を主張する社民党と連合政権を組んだ民主党は、口を濁したまま、とりあえず五月という期日をきって逃げました。その間にアメリカの意図を測り、交渉戦術を固めようということでしょう。国会前に決断を先送りにしたのは、私は賢明であったと思います。もしも、早く結論を出していたらどうだったでしょうか?辺野古移設を認めるという判断であると、連合を組んでいる社民党とは間違いなくもめて政権は不安定化するでしょう。そして、新聞は公約違反をネタに叩きまくるはずです。一方、辺野古移設をしない、という結論にすると、今度は、(旧政権時代に)一度は決めた国と国どうしの取り決めを反故にし、日本の安全保障を危険に晒すつもりか、と新聞に叩かれるでしょう。いずれにせよ、新聞に攻撃のネタを提供することになります。
前にも書いたように、沖縄基地問題は民主党政権のアキレス腱となる可能性がある大きな問題です。この問題、日本が独立国家としての誇りをもった一人前の国でありたい、と国民が思うならば、結論は、国外移設しかありません。「安全保障」とかはただの言い訳で、有事の際にアメリカが日本を守ってくれる筈などないというのは、中東の泥沼戦争で忙しく国家の経済力がどんどん落ちて行っているアメリカを見れば、小学生でもわかるでしょう。安全保障という点からは、日本は中国と協定でも結んだ方がましです(もちろん、実際は不可能ですけど)
さて、米軍基地を国外移設できるかどうかは、アメリカが極東基地としての辺野古をあきらめれるかどうか、そして金の問題でしょう。もし、グアム近辺に軍港になるような海岸があって、移設費用を日本が出すのなら、アメリカは二つ返事だと思います。そもそも、米軍の殆どを5年以内にグアムに移すというのはアメリカの計画なわけですし。思うに、辺野古であれば、軍の維持費は日本持ち、アメリカにとってはそれがベストに決まっています。しかし、いずれ、グアムに移るつもりのアメリカですから、もし辺野古でないならば、日本の別の土地に基地を移すメリットはないでしょう。ですので、日本政府が辺野古案を拒否して、十分に金を積めば、すなおにグアムに直行してくれるだろうと私は思います。
新聞は、辺野古にはヘリポートを移設するだけで、危険な普天間基地での事故を減らす目的だ、みたいなことを言うわけですけど、勿論、本音では軍港としての永久的基地の拡大を前提としている、というようなことは報道しません。ですので、日本本土の多くの人が、もし辺野古案も国外移設案もダメになった場合に、国内県外移設の線が出て来たときのことを心配するのは、当然であろうと思います。(上記の理由で、私は、国内県外移設という線はまずないと言ってよいと思います)そして、長崎県はその国内県外移設となった場合の候補地の一つです。「ゼロベース」で普天間移設問題が議論されている状態の中での長崎知事選での民主党候補の敗退は、私が思うに、「長崎に米軍基地が来てもらっては困る」という県民の意思表示ではないかと思います。民主党候補の人も、もちろん長崎への基地移設反対を掲げてはいますが、与党推薦であるため、万が一、長崎県への基地移設案が浮上した時に民主党に顔を立てて寝返るかも知れない、そう考えて県民は投票を見送ったのではないでしょうか。ならば、票差はあるとはいうものの、若手で知名度が劣る候補であるということを考えると、それでも2位というのは、立派なものだと思います。一方、同じ理由で、自民公民からの候補に票が入ったのではないでしょうか。つまり、県民としては自公民の政策を応援しようという気はないと思うのです。票を入れた人は、もし長崎が米軍基地移転候補となった場合に、辺野古への移設を決めた時の政権政党であるが故に、「長崎への米軍移転には反対するはずだ」との考えにプラス前副知事で知名度で勝っていたという理由でこの人に投票したのであろうと想像します。
ですので、この知事選での民主党候補の敗退の理由は、小沢氏の問題とかではなく、候補者自身の知名度の問題に加えて、基地問題の帰趨がはっきりしていない時期であるというタイミングが悪かったのだ、と私は思います。もし、この選挙が普天間基地問題がグアム移転と決まった後であれば、あるいは逆の結果となった可能性もあると思うのですけど、如何でしょうか。
追記。
過去の長崎県知事選での自民党と民主党の得票率を解析したデータをどこかのサイトで目にしました。それによると、過去の二回に比べて、自民党支援(または推薦、公認)候補の得票率は今回、最低となっているようで、一方、民主党推薦候補の得票率は今回、最高となっているようです。この傾向は、むしろ長崎県民の自民党離れ、民主支持が進んで来たことを示唆していると思われます。確かに得票数では大差でしたが、前回、前々回は、もっと極端な大差がついていたようです。
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