tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

Topic 週末の奈良番組

2011年01月21日 | お知らせ
図説 地図とあらすじでわかる!邪馬台国 (青春新書INTELLIGENCE)
千田 稔
青春出版社

この週末も、奈良に関するテレビ番組が目白押しである。

○1月22日(土) 「百歳バンザイ!」 NHK総合13時50分~14時
《全国各地の百歳が、いきいきと生きる「いま」にスポットを当て、その元気な姿をユーモアたっぷりに描くこの番組。今回は大和郡山市に住む津田ヤスノさん (103歳)をご紹介します。家族のために働き続けて90年以上のヤスノさんの口癖は「なんかできることないかぁ?」。今も誰かの役に立ちたい!と奮闘するヤスノさんに密着し、その前向きな姿勢の原動力になっている家族への愛をお伝えします》。

○1月23日(日) 「古代文明ミステリーたけしの新・世界七不思議5 長安城VS平城京
奈良テレビ放送19時54分~22時12分
《長安城 シルクロードの最重要拠点となった長安。世界各地から様々なものが伝わり、各国の人々が留学し行きかう一大国際都市であった。長安にあった世界に類を見ない都市機能。最初から「巨大都市を建設する」という目標のもとに造られた、世界最初の「計画都市」でもある。 世界を席巻した古代国際都市の設計・建設から、勃興と衰退の歴史の謎を追う!》

《平城京 平城京という都を造るにあたり、日本は「長安」をお手本にした。都市の設計・整備、律令制の制定、そして仏教の普及。 その情報を持って帰ったのは日本から派遣された「遣隋使」や「遣唐使」。平城京の成り立ち、遷都の謎、日本国建立の時代に「歴史を裏から作り上げた男」藤原不比等の野望の全貌、そして彼が作り上げた「日本書紀」と「聖徳太子」の謎に迫る!》

○1月23日(日) NHKスペシャル「“邪馬台国”を掘る」NHK総合21時~21時50分
《昨年、奈良県の纒向(まきむく)遺跡で邪馬台国の女王・卑弥呼の王宮といわれる巨大な建物群が発掘された。纒向は、東西2キロ/南北1.5キロの巨大遺跡。弥生時代末期の3世紀、突如建設された日本列島の中心都市だったことが明らかになり、邪馬台国の最有力候補地とされている》。

《昨年夏から、古代史最大の論争に決着をつけるべく建物群の周辺で更なる発掘が行われた。特に期待されたのが王宮跡のすぐわきで見つかった長さ4メートルの穴。王宮内で使用された貴重品を納めた“聖なる井戸”と推定されており、邪馬台国の決定的証拠になる中国の魏王から卑弥呼への贈り物を封じた印(封泥)や、魏との外交木簡が探された》。

《発掘現場からはここにあった国が諸国の連合国家であったことを示す土器、人為的に破壊された銅鐸、そして2000個を超える多数の桃の種などが出土した。これらは何を意味する物なのか。「倭国大乱」と呼ばれる内戦に直面した王たちが、新たな大王を「共立」したという王権誕生の謎、そして弥生時代の古い宗教を捨て、新たな国家統合のシンボルとなる宗教を創始したことが判明してきた。果たしてここを卑弥呼の邪馬台国とする決定的な証拠は発掘されるのか?番組では、纒向遺跡の発掘に密着し謎のベールに包まれた実像に迫る》。 

いかがだろう。ぜひ、ご覧いただき、感想などもお寄せいただきたい。
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屋台ちかみちラーメン(磯城郡川西町結崎)

2011年01月20日 | グルメガイド
奈良県認定の大和野菜(やまとやさい)である「結崎(ゆうざき)ネブカ」をご存じだろうか。県のHPには《観世能の発祥地川西町結崎には、江戸時代にネギの産地としての記録があり、室町時代に翁の能面といっしょに天から降ってきたネギを植えたという伝説がある。柔らかくて甘みがあり煮炊きものに美味しいネギであるが、柔らかく葉が折れやすいため、市場から姿を消していった。平成14年から農協・商工会が中心となって農家が自家栽培していた品種を発掘し産地育成に取り組んでいる》。

世阿弥の父・観阿弥清次(伊賀出身)は、能を大成した人物として知られる。両親は長谷寺の観世音菩薩を厚く信仰しており、生まれてきた子どもの名前を観音さまにお伺いしたところ、「観世(みよ)」という名前を賜ったので、「観世丸(かんぜまる)」と名付けたそうだ。観阿弥はのちに結崎に移り住み、結崎座(観世座)として能の道に精進したといわれている。

結崎ネブカは、料理研究家・おぜんさんのブログ「膳-Sai」によると《切ってる時は普通の青葱と変わりませんが、食べてみると…! 驚きの味! 美味しいお葱です。その辺の青葱とは比べ物になりません。香りは葱臭くなく、上品なお葱の香り。食感はやわらかいけど、シャッキリ、味は、青葱より濃厚、甘みもしっかりで、本当にびっくりしました。幻の葱と言われてますが、ホント、この言葉がピッタリ。この、川西町結崎でしか味わえないお葱です。日もちがしないから、ここでしか味わえないお葱。わざわざ行く価値有りです。是非是非、ご賞味ください》。


写真は試食会で09.9.24に撮影(他の写真は、すべて11.1.16に撮影)

私も以前、ホテル日航奈良で開かれた試食会の様子(09.9.24)を、当ブログ記事「結崎ネブカは、とろ~り甘い!」で紹介したことがある。おぜんさんがお書きの通り、ネギの濃厚な味と甘みが特徴である。

さて先日、さるラーメン情報誌で、「屋台ちかみちラーメン」(磯城郡川西町結崎1889-1)のことを知った。「屋台で味わう煮干ラーメンの本格派」「無化調(化学調味料不使用)」とあった。09年12月にオープンしたお店で、結崎ネブカ(刻み)のトッピングもできるという。で早速、日曜日(1/16)に訪れた。

訪ねてみて、驚いた。場所は奈良検定でもおなじみの「面塚」(めんづか=天から降ってきた能面を祀った塚)の碑の向かいだったのだ。「喫茶yorimichi(寄り道)」の駐車場に駐めてある車が調理場で、そこで注文すると、お隣りのプレハブ(カウンター席)に運んでくれるシステムである。ブログ「奈良に住んでみました」(クセになる和風味)に詳しい情報が出ていた。《東京の『たけちゃんにぼしらーめん』で修行されていたという、まだお若い店長さんのお店で、天然素材のみを使用して、煮干の旨味がタップリと味わえる、上品な和風らーめんがいただけます》。


麺塚ならぬ「面塚」

《このラーメンが、化学調味料は不使用の、とても穏やかで上品な味わいです。お蕎麦の出汁に近い印象で、ほのかな柚子の風味が感じられ、毎日でも食べたくなるような美味しさです。決してインパクトが強いワケではありませんが、食後も胃がもたれたりすることもなく、本当に満足度が高いんですよね》。 

なお「たけちゃんにぼしらーめん」とは、同店のHPによると《ミュージシャンの経歴を持つ店主(坂本鐐一)が平成2年に見ず知らずの他人の借金を肩代わりする形で1台のワゴン車からはじまる》《にぼしをベースにあっさりとして奥の深いスープと、ぼそっとした歯ごたえの特製麺が特徴》というお店である。『博多一風堂・河原成美が選ぶ うまかラーメン115軒』(角川書店刊)の「今、一番気になる10軒」にも選ばれていて、「毎日でもいける天然魚系のダシのラーメン」と紹介されている。


移動式のワゴン車

屋台ちかみちラーメンは、日曜日だけは昼間に営業しているので、訪れたのは正午過ぎだった。注文したのは「しおらーめん」700円と、トッピング「結崎ネブカ」100円(ただし結崎ネブカは、10~2月のみ)。プレハブの中では、すでに何人かがラーメンをすすっている。しばらく待っていると偶然、同僚のMくん(結崎に住んでいる)が、奥さんと2人でやってきた。Mくんとは、金曜日に新年会で顔を合わせたばかりだ。家の近くなのに、このお店を訪ねるのは初めてだという。Mくんは「しおらーめん」、奥さんは「(醤油)らーめん」600円を注文された。


こちらは喫茶yorimichi(寄り道)、暖炉があるそうだ。yorimichiの手前だから「ちかみち」なのだ

ほどなく運ばれてきた「しおらーめん」(=トップ写真)。結崎ネブカがわんさか載っている。このトッピングが100円とは、超破格値だ。まずはスープを。上品だがシッカリした煮干しダシ(鰹、鯖、ムロアジなど)に、豚骨(豚のげんこつ=足関節)でコクを加えた独特のスープであるこれはうまい! やみつきになりそうな味、まさに「屋台で味わう煮干ラーメンの本格派」だ。これに、濃厚な味の結崎ネブカが、ピッタリと合う。麺は、私好みのもっちり太麺。これは絶品の「結崎ネブカラーメン」である。

Mくんの奥さんの醤油ラーメンも、撮らせていただいた。これも「とても美味しい」と満足そうだった。HP「奈良グルメ図鑑」管理者のnaranaraさんのブログには《スープは煮干しがきいた豚骨醤油。醤油の角が取れまろやかな味、どこにでもありそで、なさそで、うっふんな感じ。表面に浮いた油がコクを出している。麺は太めの平打ち麺。もちもちとした食感でスープをよく吸い込んでうまい》《今回いただいた品はどれも完成度が高く、おいしい店が少ないと揶揄されることの多い奈良のラーメン店の平均点は確実に上がったことだろう。店主には感謝である》とあった。


醤油ラーメン600円

なお、naranaraさんのブログに《店主のブログを読んでいると「でっかくなって東京に戻る」とか「5~7年後には支店を出していたい」とか、なかなか先々に夢を持っておられるよう》とあった。東京になんて帰らず、ぜひこのまま奈良県の名物ラーメンとして発展していただきたいと思うのだが…。

屋台ちかみちらーめん店主・若井教生さんのブログは、Twitterを思わせるほど頻繁に情報を更新されていて、お店を訪ねる前には要チェックである。何しろ屋台なので、「天候不順により休業」という事態もあるからだ。この屋台は移動できるので、出張販売やケータリングにも応じてくれる。

結崎ネブカの里・川西町結崎で味わえる「屋台で味わう煮干ラーメンの本格派」、ぜひいちどお訪ねいただきたい(「食べログ」の同店サイトはこちら)。

※奈良県磯城郡川西町結崎1889-1(喫茶yorimichi駐車場内)
営業時間
月~木 18:00~22:00
金・土 18:00~23:00
日   11:30~15:00
休業日
毎月一日(ついたち)&悪天候&仕込みの多い日
メニュー
らーめん600円(ゆず入は11月~3月)
塩らーめん700円
つけめん800円(~11月)
大盛り+100円
トッピング(各100円)
チャーシュー、味玉子、メンマ、のり、しそ、たまねぎ、白ねぎ、結崎ネブカ(10月~2月)
ドリンク
発泡酒200円、烏龍茶200円
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Topic 1/22(土)、五條新町で重伝建選定記念イベント!

2011年01月19日 | お知らせ
美しき日本奈良 ~五條市 新町通り~


昨年12/24、五條市新町地区が重伝建に選ばれた、おめでとうございます! 12/25付の奈良新聞「五條新町、重伝建に選定 県内3件目」によると《五條市の五條新町地区が、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されることが24日、決定した。文部科学大臣が同日の官報で告示した。県内では橿原市今井町、宇陀市松山地区に続いて3件目の重伝建で、地元では記念のイベントも予定されている》。

正式名称は「五條市五條新町伝統的建造物群保存地区」で、全国で88番目の重伝建に選ばれた。88番目とは覚えやすい数字だ。末広がりだし、仏教では「四国八十八ヵ所巡礼」にあるとおり、108つの煩悩のうちの根本的な煩悩(三界の見惑八十八使)の数とされている。今年の奈良検定ソムリエの記述問題に「橿原市今井町の伝統的建造物群保存地区について」が出題されたが、来年は五條新町が有力候補だろう。

《五條新町地区は大和と紀伊・伊勢を結んだ交通の要衝で、「関ケ原の合戦」後に五條二見藩が成立、既にあった町場を結んで町並みが形成された。街道沿いの宿場町として栄え、漆喰(しっくい)塗りの重厚な町家が建ち並んだ。慶長12(1607)年の棟札が残る栗山家住宅は国の重要文化財に指定されている。選定されたのは同市五條1丁目など7ヘクタール》。栗山家住宅は、建築年代の判明している民家として、日本最古の建物である。重文だが、現在も住居として使用されているため、非公開となっている。

《地元のイベントは来年1月22日に開催。テーマは「市(いち)」と「江戸時代」で、記念式典や記念講演会のほか、通りでは時代パレードが練り歩き、夕方からは一部をライトアップ。模擬店や地場産品販売などもあり、町並み全体を盛り上げる。吉野晴夫市長は「まだまだ整備しなければならない点もあるが、多くの人が訪れることが期待される。観光の足がかりにできれば」と話している》。

私は、祖母(父の母)の実家(御勢家)が五條新町にあるので、子どもの頃からよくお邪魔した。江戸時代にタイムスリップしたような感覚にとらわれたものだ。以前にも「むかし町・五條市新町通り」として、当ブログで紹介したことがある。最近は、アレックス・カーのプロデュースにより「五條 源兵衛」という町家レストランも開店した。私もお訪ねしたところ、雰囲気も味も、素晴らしいお店だった。

大和吉野川の自然学
御勢久右衛門編著
トンボ出版

奈良検定のテキスト『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』(山と渓谷社刊)には《江戸時代に建てられた町家の占める割合が高い全国屈指の町並みである。平成2年(1990)、住民の視点で新町を考える「新町塾」を発足させ、色々な活動を行っている。その1つとして毎年5月に開催されるフリーマーケット「かげろう座」には大きな関心が寄せられ、多大な成果を上げている。「新町塾」の活動の基本理念は「感動・興味・工夫・経験・行動」で、古い町並みを活かした町づくりが住民の手で行われ、江戸時代に繁栄した商家町として落ち着いた良好な歴史的景観が維持されている》(「五條の町並み」)とある。五條新町のことは『結び会 もうひとつの奈良観光』(ビレッジプレス刊)にも、「悲恋物語、再生物語。新町通り」の章で詳しく紹介されている。

さて、いよいよ土曜日、「重伝建選定記念イベント」が、新町周辺で行われるのである。市の「広報五條2011号外」によると《祝 1月22日(土) 重伝建選定記念イベントを行います。テーマは「市」と「江戸時代」》《慶長13年、二見城主だった松倉重政が城下町として建設した五條新町は、約400年の時を経て、日本の五條新町として国に認められたのです》《これを祝して、五條新町の特徴である「市」と「江戸時代」をテーマに重伝建選定記念イベントを実施します。色々な催しを用意して、皆さんをお待ちしています》。

なお《当日はできるだけ和装でお越しください。着物での来場者には記念品を配布いたします》とあるから、和服をお持ちの方は、ぜひチャレンジしていただきたい。当日のスケジュールを広報誌から拾うと、

正午~ オープニングイベント
時代行列(西方寺前出発)、バンド演奏等(まちなみ伝承館)
午後1時~ 記念式典
主催者、来賓あいさつ、功労者表彰、絵画表彰
午後2時~ 豚汁配布、もちまき(伝承館裏吉野川河川敷)
午後2時30分~ 記念演奏(吉野川あばれ太鼓ほか)
午後3時30分~ 文化庁・清永洋平氏の記念講演(伝承館展示室)
午後5時~8時 新町ライトアップ点灯(29日まで)
※その他 まちや館の無料公開、柏田家の20組限定特別公開(午後2時30分~まちなみ伝承館にて入場券配布)、松倉重政公位牌特別公開(西方寺)

餅まきや豚汁の振る舞いなどの手作り感覚がいい。まちや館の無料公開や柏田家の限定特別公開というのも、有り難い。

土曜日の天気は、曇り時々晴れ、降水確率は30%と、まずまずのようだ。相変わらず寒さは厳しいが、ぜひ暖かい服装で(できれば和服で)新町を訪れていただきたい。

※印刷用画像は「広報五條2011号外」参照

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第3回なら観光サロン「ポスト1300年祭への提言」

2011年01月18日 | 観光にまつわるエトセトラ
同僚・知人らと作る「なら観光サロン」の第3回(10.11.26)では、兵庫県三田市にお住まいの山岸大志郎さん(「三田市まちづくり基本条例市民検討会議」委員)をお招きした。前回は「インバウンドの促進」がテーマだったが、この日は「ポスト1300年祭への提言」の演題で、奈良の観光振興についてお話しいただいた。誠に遅ればせながら今回、その内容を紹介させていただく。

山岸さんは有限会社エンデル代表取締役でいらっしゃる。長年大手建設会社に勤務され、主にダム建設などの土木事業を管掌。その仕事を通じ、自然や環境、景観保全、地域の伝統や観光に興味を持たれ、退職後、紀伊半島での勤務経験を活かし、紀州備長炭や南部の梅干しなどを取り扱う有限会社エンデルを設立された。



同社の公式サイトには《紀州備長炭にほれ込んだ男が立ち上げたサイトです。紀州備長炭微粒子を練り込んだ石州手すき和紙。 これを「機能性和紙」として特許も取得し、細かな透かし絵模様を入れて「透かし絵灯り」を開発しました。他にも紀州備長炭の箸置き「いちりん」やマドラー、紀州備長炭パウダー入りスイーツ等がございます》とある。ビールがクリーミーに泡立つ「備長炭マドラー」など、スグレモノ揃いである。私は、とある異業種交流会で山岸さんと知り合い、これまで奈良の観光振興や今井町の海外向けPRなどにつき、アドバイスをいただいている。

当日までに山岸さんは、詳細なExcel資料をご準備下さった。時間の関係で全てをご紹介いただけなかったのが心残りである。キーワードは5つで、それは「いにしえへのいざない」「琴線さがしのたびの里」「唐天竺から人々が集った“まほろば都市奈良”を現在に」「拠点観光から線観光へ、線観光から面観光へ」「専業者主体の観光から県民が主体の観光へ」であった。以下、印象に残った箇所をピックアップさせていただく(掲載に際してはN先輩に、当日のメモに基づき補足をしていただいた、深謝)。

1.調和重視型企業としての観光業  
ジャック・アタリ(フランスの経済学者、思想家、作家)は、「これからは、人類が自滅から逃れるために『調和重視型企業』(社会の調和を目的とする企業)群が主流になる社会が出現するだろう」と予言している。「調和重視型企業」群に該当するのが、観光業である。(注:1/10、菅直人首相は八重洲ブックセンターで、アタリ著『国家債務危機』を購入したと報道された。)



2.これまでの観光における反面教師(失敗事例)
・特定の地域内(市町村観光地レベル)で完結する観光
・一つの成功例があると、雨後の竹の子のように、全国で同様の施設が作られるという傾向
・「周りに観光資源があるするから見てもらうのだ」という消極的な「もの見せ観光」
・似たり寄ったりのイベント・展示会(戦略性の欠如)
・ベルトコンベア式観光システム(規格大量生産型観光)
・大手旅行エージェント頼み、団体中心の旅行
・各地をバスでめぐる「物見遊山」

3.今後あるべき観光の姿
・地域で完結するのではなく、地域を結び相乗効果を生み出す観光
・物まねから独自性、オンリーワン性(少子高齢化を逆手にとって活動する)、トップランナー性の模索と構築
・単に観光資源を見せるのではなく、物語を語り、過去との連続性を示す観光(時系列を意識して見せることが大切、例えば天皇陵など)
・地域と創作者等とのコラボから生み出した「ブランド」を取り込んだイベント観光(たとえば「食」など)
・戦略および戦術が明確に確立され、企画によって動く観光
・規格大量生産時代のコンベア式観光ではなく、少量多品種生産時代に即した、顧客満足重点観光(団体旅行から個人旅行へ)
・エージェント観光ではなく直販観光
・「物見遊山」ではなく「学び」および「癒し」重視の観光(知的好奇心を満足させる企画・オーダーメイドの企画を。個人旅行、直販、学び、癒しには、観光をコーディネートする「ランドオペレーター」の介在も重要な要素に。)

これでわかる!着地型観光―地域が主役のツーリズム
クリエーター情報なし
学芸出版社

4.インバウンドについての提案
・これまでは外国人観光客(訪日外客)に対する対応も、日本人観光客に対して行ってきた対応と差異がない
・国によって求めるものは様々。求めるものを提供するのが「おもてなし」「人の温もり」の観光である
・訪日外客は、中国や韓国に代表されるアジアからの客と、西ヨーロッパや北米からの客との二つに峻別すべき(アジアからの観光客は、先進国日本にあこがれている。プライドをくすぐるのが良い)
アジアからの観光客:「短期滞在」物見遊山、買物観光
西欧・北米からの観光客:「長期滞在」異文化体験、知的好奇心満足型観光
・欧州で影響力のある国は、芸術ならフランス、機械物ならドイツ、これらの国を抑えれば欧州の他国は従う。国の特性、個性を利用して売り込むこと。日本人は外国で認められると弱い(すぐに流行る)、海外で火がつけば、国内でも一般化する。欧米に発信し、認めてもらうことが近道
・有名な旅行ジャーナリストに取り上げてもらうことなどが、効果的



5.2011年以降も観光客増を図るために必要なこと
・これまでの施策や調査(官民を問わず)の総点検と総括
・今はどのような時代であるか(海外も含めて)の十分な理解(ぬるま湯につかっているように思う。打開策は、既存組織を改革する、前例主義を排除する、異端を尊重する など)
・既知の埋もれていたお宝の発掘や、県民が新たに創りだすお宝とのコラボによるシナジー(相乗効果)の発揮
・県民の誰もが参画できる、また参画しやすい仕組み作り
・主体はあくまで県民(住民)。その地域にすむ住民の努力がまず必要



6.2011年以降における「観光のまち」奈良県のイメージ
「多くの観光客が来訪するまち」「何度でも観光客がリピートするまち」「心温たまるおもてなしに感動できるまち」「人の優しさや温もりを感じさせてくれるまち」「あらゆるところにサプライズが出現するまち」「感動にあふれるパラダイス観光地・奈良」「知的満足を与えてくれるまち」

7.上記を実現するために必要なこと(まとめ) 
(1)変革と挑戦
過去を振り返り、歴史を知り、過去の賢人の技を知り、近過去及び現代の失敗を総括して、現在という時代性を知り、進行形の現在をよく見つめ、良を活かし不良を廃して、輝ける未来につながるシステムを創りあげなければならない。すなわちたゆまざる変革力とチャレンジ力が生まれる仕組みが必要。仕組みづくりの過程では「三方よし」の精神と「利他的意識(相手を思いやる心)」の味付けが必要



(2)線観光から面観光へ
・奈良県の観光資源は京都に比べて分散していて、それが弱点になっている。だから拠点観光(日帰り観光、通過観光の要因)になっている
・京都は約9キロ四方に観光施設が固まっている、奈良は南北30キロ以上の距離で4か所のスポットが点在している。これをどう結ぶかが、課題
・その弱点を克服するには、拠点間を結ぶ線観光が大切で、結びつける交通手段としては、既設交通機関の利便性向上、シャトルバルの運営、サイクリングロードの整備、ロード名や街道名のネーミング(まほろば街道、にしえ街道、いにしえロマンの道、御陵へのいざない道、政所のたどった道)。これらの街道を時系列で結ぶ
・もっと多くの看板、標識を(最低数か国語の看板を数多く設置。看板は街道ごとに色を変える)
・観光の路線に近接した「隠れた観光資源」を表舞台に出す。つまり線観光を拡幅(隠れた資源の拡大化)した「面観光」
・最終的な形としては、県下の4大拠点を包含した面観光とする
・4大拠点間で新たに観光資源化された地域から平成のブランドを生み出す

奈良さわやかさんぽ
県ならの魅力創造課
山と渓谷社

(3)県民主体の観光へ
・県民が観光の主体者にならないと、面観光を作り上げることはできない
・県民とは、有識者、学者、学生、県住外国人、県内企業、各行政執行機関等。そこに観光の専門家である観光プロデューサー、観光コーディネーター、ランドオペレーター、観光業者の協力・協働が不可欠
・行政単位で事を起こす場合、行政は「県民参加」を求め、その場合、必ず「ボランティア」をイメージする。しかしボランティアに積極的な県民よりも、消極的な(無関心な)県民の方が圧倒的に多い。この大多数の消極的な県民に関心を持って足を踏み出していただかなければならない(注:荒井知事も1人の100歩より、100人の1歩を、と提言している)
・そのためには、行政が意識を変えないといけない(自分たちは給料をもらっている仕事なのに、なぜ県民は無報酬のボランティアなのか)
・無償のボランティアは長続きしない、せめて食事や交通費の提供を。60歳以上の元気な団塊世代を取り込もう
・平城遷都1300年祭は、県民の意識を変えることに貢献できた。多くの方が奈良に訪れ、奈良県全体が活気に満ち、多くの県民は奈良県民であることを誇りに思ったことだろう
・多くの県民の熱い気持ちがみなぎっている今こそ、県民に語りかせ、賛同を得る絶好のチャンス、最も難しいと考えられてきた「県民参加」に県民が答えてくれる、絶好の機会
・今後とも、奈良県が日本人の心のふるさとであるとの誇りを持てるような仕組みが必要

以上、大所高所に立ち、さまざまな視点から貴重なご提言をいただいた。お話のあと、山岸さんに対し、質問や意見が寄せられた。後日の感想も含め、以下に紹介させていただく。

まず、観光に携わっておられる自治体職員のKさん(女性)。《山岸大志郎氏のお話は、観光の(ある意味)プロではない、地元が奈良ではない、という視点のもので、とても新鮮に思えました。なかでも、次のことが心に残りました。○民泊について 前回のサロンの講師、観光のプロの安村英明氏も、今回の(ある意味)観光の素人の山岸氏も共におっしゃったことなので、その必要性、可能性を実感しました。トイレとお風呂を改修すればそのまま使える、というのも、なるほど、と思いました》。山岸さんは「外国人に奈良のどんなものが売り物になりますか」との質問に、「なにもいらない、宿泊は民泊を推進しよう」と答えておられた。



《○ボランティアについて 「行政は給料をもらっているのに、県民はなぜ無報酬のボランティアなのか」 これは私たちにとって耳の痛い話ですが、その通りだ、と思います。ボランティアを募集する対象にもよりますが、ボランティアが集まりにくい分野にも人が集まるようになる、金銭のやり取りによってボランティア側にもより一層のやる気や責任感が出る、などの可能性があるでしょう。行政としては、財政難の折、さまざま分野でボランティアの助けを必要としています。時代とともに「ボランティア」の概念も変化してきています。今一度、ボランティアの在り方を考える時期にきているのかもしれない、と思いました》。

この「行政が募集するボランティア」については、実際のところ様々な異論がある。例えば「公立図書館ボランティア」。これは行政の本業だろうし、人手が足りないならパート職員を募集して対応すべきものだ。それを堂々と「図書館ボランティア募集」と広告しているのは疑問がある。しかし、それでも手を挙げる人がいるので、一概に「ボランティア募集は止めるべきだ」とも言えないのである。募集する「分野」「対象」による、というところか。なお山岸さんも指摘されていたが、ボランティアは「タダ働き」ではない。労働力は無償でご提供いただけるのだから、実費程度は必ずお払いすべきである(交通費実費、昼食費補助、ボランティア保険掛け金など)。

結び会―奈良地域おこしネットワーク もうひとつの奈良観光
奈良元気もんプロジェクト
ビレッジプレス

ボランティアについては、実際に県下でボランティア活動に参加しておられる吉田遊福さんからも、ご意見をいただいた。《自分の担当する仕事へのボランティアに対してどれだけの役人が、敬意を持って接する事をしているのでしょうか?税金からのお給料をいただいてする仕事と志しからのボランティアは、
どちらが偉いのでしょうか?そこに上下の関係があるのでしょうか?たまに場違いな世間知らずの無神経な態度、言動をよく目にし、耳にした事も有り、パブリック・サーバントのあり方の誤解が有る様です》。

《その反面、奈良を元気にするイベントの多くの裏方であるボランティアの人達の活動を目のあたりにし、共に行動すると自然に頭の下がる思いも多くあり、また、ボランティアに常時参加する人達は、多くの負担を家族にかけている問題は意外に知られていませんが、自分の事よりも家族よりも地元奈良を思い、熱意や地元愛がなければ、そして何より仲間出会い、共有する、創造する喜び無くして到底継続して出来るものではありません》。

吉田さんからは《交通手段としては、レンタカーなどが大切。競争すれば、適正価格に落ち着いていくだろう》と、「訪日外客向けレンタカー」に関するご提案をいただいた。かいつまんで紹介すると《欧米からの旅行者は、日本人に比べ、FIT(Free Independent Tour)のスタイルが圧倒的に多く、個人旅行を好む傾向に有り、基本的な大まかな行程を決め、インターネットを介して事前に予約、後は限られた現地での情報を頼りにその後の行く先を決め、宿を決め、やる事を決めたりするようです》。《不慣れで混雑している列車や運行便の少ないローカル線のバスよりも自由にまた家族や複数になると安価で観光地を回れる魅力もあります》。

美しき日本の残像 (朝日文庫)
アレックス・カー
朝日新聞社

《奈良市内から吉野を旅し、人気の高野山とを結ぶ様な発想も有り得ますし、工房街道を何日も探訪し、山間の民宿で日本の生活体験をするかも知れません。何よりも対応する必要に生じて、各地の観光地がそれに対応する言語化やサービス化にアップデイトの変化が起こせる様に思えます。もしくは、アレックス・カーさんの様にその地を心に感じ入り、住着く外国人の方もいるかもしれません》。

《奈良県の魅力創造課の「巡る奈良・歩く奈良」等との連携も相乗効果になります。そこを歩く為にはそこまでの足=交通機関が必要であり、奈良県の恵まれない交通環境(割高、運行便が稀)では、こういった機動力を考慮して初めて参加可能になります。また、今回の講演での御提案のように「点から線、線から面へ」と展開して行く為にも小さいながらも機能する仕組みが必要に感じます》《外国人が、レンタカーで、洞川辺りの山奥の温泉街を旅して、囲炉裏で地酒を飲みながら日本の感性に浸る国際交流観光するのも絵になる様に思います。大きなインフラを必要としない世界を視野に入れた情報戦略は不可欠です》。



報道機関で文化財担当記者をされているKさんのご意見。《以前から、奈良県内の観光地間の交通が不便だと感じてきた。観光地相互間のパイプを太くするというのは大賛成。定時で出るシャトルバスなどを奈良交通などが運営してくれるのが理想。空き農家の民宿転用は、インバウンド客誘致に効果があると思う。これだけ就職難の時代だから、人材は集められる。問題は採算をあわせることができるか。1300年祭を契機に、主体となる事業者が登場してくれることを期待する》。

前回講師の安村英明さんは「奈良でもゾーン的な観光が増えてきたので、その点は改善していると思う。サイクリングのモデルコースも設定されている」と発言された。確かにこの点は、奈良新聞(1/11付)でも報じられていた。《環境に優しく、健康志向もあって人気を集めるサイクリング。県は広域的な周遊観光の手段として自転車の機能に着目し、大和平野を南北に縦断する既設の3本の大規模自転車道と連結する形で、総延長600キロメートルの広域周遊ネットワークを設定。新年度から3カ年かけて、案内誘導サインを取り付ける》。

私の発言は「奈良は、ミシュランの観光ガイドで3つ星をいただいてから、訪日外客が増えた。フランスで奈良の仏像展を開き、目利きのフランス人に評価していただきたいと思う。高い評価を得れば、全世界から奈良に向かう外客は著増することだろう」「1300年祭の最大の成果は、県民が『自分自身も観光振興のステークホルダー(利害関係者)だったのだ』と気づいたこと。それが県民の意識改革につながった」「あるシンポジウムでも声が上がっていたが、奈良のポスト1300年は、“一発当てたい”を合い言葉に、次の目玉を作ろう」。

幅広い観点から、様々なご提案をいただき、いろんな質問や意見が飛び出した。後半の懇親会(兼忘年会)でも、議論は続いていた。今回講師を務めていただいた山岸さんには、次回以降も、メンバーとしてご参加いただけると聞いている。回を重ねるごとにこの会も充実してきた。今度は2月頃、異色の講師をお招きしての開催を予定している。皆さん、お楽しみに。

山岸さん、遠方よりお運びいただき、貴重なお話を有難うございました! 今後とも、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
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奈良県地域貢献サポート基金を活用しよう!

2011年01月17日 | 奈良にこだわる


県(くらし創造部協働推進課)が運営する「奈良県地域貢献サポート基金」をご存じだろうか。CSR(企業の社会的責任)として寄付を望む企業等と、地域貢献活動の資金を必要としている団体等を結びつける新たな取り組みである。

県のHPにはと《県民・企業の寄付を原資として、地域社会の課題解決に取り組む団体を助成します。みなさんの想いを団体の活動につなげる新しい社会の仕組みです》とある。

寄付する側には、税制面での優遇(法人の場合、寄付の全額が損金算入できる。個人の場合は、所得税・住民税の税額控除がある)、企業イメージの向上(企業のCSR活動として活用できる。希望すれば、寄付者名はHPなどで公表される)などのメリットがある。

寄付する方法は、4通りある。県のHPによると
A.テーマ希望寄付
寄付者が希望する活動テーマと地域を決めて寄付をするものです(寄付金額30万円~)。(活動テーマの例)「○○川の水質改善」「通学合宿」「障害者の就労支援」「○○地区の活性化」
寄付金の活用方法:寄付者が希望する活動テーマ・地域で事業を募集し、審査で採択された団体に対して、助成金として交付します。(例)6月に寄付を頂いた場合、7月~8月事業募集、9月審査、10月~3月事業実施、4月~5月助成金交付という流れになります。

B.団体支援寄付
あらかじめ登録された団体の中から、支援したい団体を選んで寄付をするものです(寄付金額1円~)。
寄付金の活用方法:寄付者の支援したい団体に対して、助成金として交付します。
※5万円未満の寄付金は、他の寄付金とあわせて5万円以上になった時点で、団体に交付します。
※寄付金額の一部(5%程度)は、基金制度の推進のために活用させていただきます。

C.一般寄付
特定の団体や活動テーマを決めずに、広く地域課題の解決を進めるために寄付をするものです(寄付金額1円~)。
寄付金の活用方法:活動テーマを決めずに事業を募集し、審査で採択された団体に対して、助成金として交付します。(寄付金の一部は)基金の広報など、基金制度の推進のために活用します。

D.ワンクリック寄付
基金の趣旨に賛同していただいている協力企業のバナーをクリックしていただくと、その回数に応じて、企業から基金に寄付が行われるものです(1クリック=10円)。
※バナーをクリックしていただいた方には、負担は発生いたしません。
寄付金の活用方法:活動テーマを決めずに事業を募集し、審査で採択された団体に対して、助成金として交付します。(寄付金の一部は)基金の広報など、基金制度の推進のために活用します。


画像は県のHPより拝借

これまで、A.の「テーマ希望寄付」に3団体から寄付があった。1件めはアサヒビール株式会社(近畿圏統括本部大阪統括支社)の「奈良県吉野山のヤマザクラ保護・育成事業」(吉野山保勝会が受贈)、2件めは株式会社タカトリの「地球温暖化防止など、環境問題の解決を目指す活動」(受贈先を募集中)、3件めは「小さな親切」運動奈良県本部の「犯罪・交通事故被害者及びその家族等の支援事業」(受贈先を募集中)である。

次に、寄付を受ける側である。方式は2通りである。同じく県のHPによると
ア.テーマごとに応募する方式(寄付者テーマ設定型協働推進事業助成金)
あらかじめ設定されたテーマに沿った事業の提案を募集し、採択された事業に助成するものです(テーマが先に決まっている。現在、上記A.により、タカトリと小さな親切運動の寄付金の受贈先を募集中)。

イ.あらかじめ登録しておく方式(NPO活動等団体支援助成事業助成金)
登録された団体に対する支援を希望する寄付があった場合に、当該団体に助成するものです。登録にあたっては、奈良県協働推進審査会の審査(年3回、6月・9月・3月頃)があります(寄付金の有無に関係なく、とりあえず登録だけして寄付を待つ方式)。

お分かりいただけただろうか。従って、NPOなど寄付を受けたい団体は、あらかじめ「登録」だけ済ませておいて、寄付者が現れるのを待つのが良いだろう(現在までの登録団体数は、18団体である。一覧は、こちら

県下には同様の仕組みで、すでに9年目を迎える基金がある。奈良中央信用金庫と奈良NPOセンターが実施している「なら・未来創造基金」である。基金は、奈良中信の役職員の給与からの積み立てと、中信本体から支出した資金とのマッチングギフトによる募金で構成されている。

地域貢献活動に取り組む団体は多いが、この不景気で、活動資金が集まらなくてご苦労されているようだ。一方で、不況とはいえCSRとして、地域に貢献したいというニーズもある。これらをうまく結びつけ、しかも県が仲立ちすることで税制の優遇も受けられるというよくできた仕組みである。寄付をしたいという方も、寄付を受けたいという方も、この制度を利用されてはいかがだろうか。
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