この新駅舎になる前の二条駅は明治の建築で立派な造りだった。梅小路機関車館に移築されているそうだ。この変わった形の駅舎は山陰線高架化にともなって、1996年に新設された。舟を逆さまに持ち上げたようなデザインで建築関連の賞も受けたそうだが、そのような紹介をするために取り上げたのではない。全体がわからない少々残念な画像になってしまったが、この近辺に用があり、思い出したエピソードもあって、ほんのついでに撮った。
15年程前に、フリーターのおとなしい若者一人としばらく付き合いがあった。建築現場に派遣される仕事をしていた彼に、印象的な仕事としてはどんなものがあったか聞いたら、この屋根を葺いたことだとのこと。ゴスペルが好きだと言っていてバンドをやっているのだとも教えてくれた。表情を顔に出さないヒトで微妙な照れ方が忘れられない。
近頃はフリーターという言葉を聞かない。やりたいことが他にあって、仕事は単に生活費や目的達成のためという生き方がフリーターということだったのだろうか!? 彼がどうしているのか気になるけれど、もう知りようがない。無口で真面目なヒトだったので上手く生き延びていて欲しいと想うばかり。